WindowsのPCでテキストやファイルのコピーを行なっても、ペースト(貼り付け)できないことがあります。
上記の問題は、特定のアプリケーションでのみ発生するケースと、全てのアプリケーションで発生するケースがあります。
今回は、Windows10/Windows11のPCでコピー&ペーストができない時の原因と対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
コピー&ペーストができなくなる原因
PCでコピーペーストができない場合、主に次のような原因が考えられます。
- クリップボード機能に一時的な問題が起きている
- 必要なシステムプロセスが停止している
- セキュリティソフトが操作を制限している
- 起動しているアプリケーションが操作を制限している
- アプリケーションの拡張機能に問題がある
- システムファイル、ユーザープロファイル、ファイルシステムが破損している
- キーボードが故障している
上記の原因の中でも、システムに一時的な問題が発生しているケースや、他のアプリケーションによってコピーペーストの操作が制限されているケースが多いです、
それぞれの原因ごとの対処法を紹介してくので、順にコピーペーストができるようにならないか確認してください。
対処1: コピー&ペーストの別の方法を試す
Windows10でコピーペーストは、コンテキストメニューとショートカットキーから行う2つの方法があります。
別のコピーペーストの方法を試すことで、システムの問題かキーボードの問題か判断することができます。そのため、まず別の方法でコピーペーストができないか試してみてください。
- 方法1: コンテキストメニューでコピーペーストする
- コピーする範囲をドラッグで選択して右クリックして「コピー」を選択します。
- 貼り付けたい場所で、右クリックして「貼り付け」を選択します。
- 方法2: ショートカットキーでコピーペーストする
- コピーする範囲をドラッグで選択して「Ctrl + C」キーを同時に押してコピーします。
- 貼り付けたい場所で「Ctrl + V」キーを同時に押して貼り付けます。
上記の方法は、ファイルだけでなくテキストのコピーペーストも試してみることをおすすめします。
ファイルのペーストだけができない場合は、ファイル形式に対応していないアプリケーションに貼り付けようとしていることが考えられます。
ショートカットキーでのみコピーペーストができない場合は、キーボードの「Ctrl / C / V」キーに問題があることが考えられます。
キーボードの問題が考えられる場合は、『Windows10パソコンでキーボード入力がおかしい/できない時の対処法』の記事を参考にしてください。
両方の方法でコピーペーストできない場合は、システムに問題が起きていることが考えられるため、次の対処方法を試してください。
対処2: クリップボードをリセットする
Windowsのクリップボード機能に一時的な問題が発生していることが原因で、コピーペーストができないケースがあります。
上記の問題は、クリップボードをリセットすることで解決する可能性があります。クリップボードをリセットするには、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」をクリックして起動します。
- Windows11の場合は、「Windows ターミナル(管理者)」を選択します。
- 次のコマンドを入力してEnterキーを押して実行します。
cmd /c "echo off | clip"
- コマンドが実行できたら、PowerShellを閉じます。
以上でクリップボードのリセットは完了です。コマンド実行後、コピーペーストが正常に機能するか確認してください。
対処3: PCを再起動する
Windowsのシステムに一時的な問題が発生していることで、コピーペーストが機能しないケースが考えられます。
システムの一時的な問題は、PCを再起動するだけで解決するケースが多いです。
そのため、ここまでの対処でコピーペーストの問題が解決しない場合は、PCを一度再起動してみてください。
対処4: rdpclip.exeを再起動する
リモートデスクトップ中にコピーペーストができない場合は、システムプロセスのrdpclip.exeに問題が起きていることが考えられます。
rdpclip.exeは、リモートデスクトップのクリップボードを共有するためのプロセスです。
そのため、タスクマネージャーからrdpclip.exeのプロセスの再起動を試してみてください。再起動するための手順は次のとおりです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
- 「詳細」タブを開きます。
- 簡易表示になっている場合は、左下の「詳細」をクリックしてください。
- 「詳細」タブを開いて、リストから「rdpclip.exe」を右クリックして「タスクの終了」をクリックします。
- タスクが終了したら、左上の「ファイル」タブから「新しいタスクの実行」を選択します。
- 「rdpclip.exe」と入力して「このタスクに管理者特権を付与して作成します。」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
- リストに「rdpclip.exe」が実行されたことを確認します。
rdpclip.exeが再起動できたら、コピーペーストが正常にできるようになったか確認してください。解決しない場合は次の対処に進みます。
対処4: dwm.exeを実行する
dwm.exeのシステムプロセスが実行されていないことが原因で、コピーペーストが機能しないケースが考えられます。
そのため、dwm.exeのシステムプロセスを手動で実行してみてください。プロセスを実行する手順は次のとおりです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「C:\Windows\System32」と入力して「OK」をクリックします。
- エクスプローラーが開きます。表示されるファイルから「dwm.exe」を右クリックして「管理者として実行」をクリックします。
dwm.exeを実行できたらコピーペーストが正常に動作するか確認してください。
対処5: セキュリティソフトを一時的に停止する
サードパーティのセキュリティソフトをインストールしている場合、セキュリティソフトの機能が原因でコピーペーストができなくなるケースがあります。
そのため、一度セキュリティソフトの機能を停止した状態で、コピーペーストができないか試してください。
セキュリティソフトの停止方法はメーカーによって異なりますが、基本的には次の手順で停止します。
- タスクバー右側のインジケータで「セキュリティソフト」のアイコンを探します。
- アイコンが見つからない場合は、「上矢印マーク」をクリックして、隠れているインジケータを表示します。
- 「セキュリティソフト」のアイコンを右クリックして「無効」もしくは「停止」を選択します。
セキュリティソフト停止後にコピーペーストが正常にできた場合は、セキュリティソフトに問題があることが考えられます。
セキュリティソフトをアンインストールして標準のWindowsセキュリティに戻すか、他のセキュリティソフトの導入を検討してください。
対処6: WindowsUpdateを実行する
Windowsのシステムに不具合があり、コピーペーストが正常に動作していないケースが考えられます。
そのため、WindowsUpdateを実行してWindowsを最新の状態にしてください。WindowsUpdateを実行する手順は次のとおりです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- Windows11の場合は、「WindowsUpdate」を選択します。
- 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- アップデートのチェックとインストールが開始します。
- 「ダウンロード」や「再起動」ボタンが表示されている場合は、クリックして更新を適用してください。
Windowsを最新のバージョンにアップデートできたら、コピーペーストができるようになったか確認してください。
対処7: 不要なアプリケーションを全て終了する
起動しているアプリケーションが原因で、コピーペーストの操作が制限されているケースがあります。
上記の問題は、動画プレイヤーを起動している場合や、Virtualboxなどの仮想環境の共有クリップボード機能を有効にしている場合に発生しやすいです。
そのため、複数のアプリケーションを起動している場合は、不要なアプリケーションを全て終了した状態でコピーペーストができないか確認してみてください。
アプリケーションを完全に終了するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
- 「プロセス」タブの「アプリ」で起動しているアプリケーションを確認します。
- 不要なアプリケーションがある場合は、アプリケーションを右クリックして「タスクの終了」を選択してください。
対処8: 拡張機能を無効にする
コピーペーストが特定のアプリケーションでのみ動作しない場合は、追加している拡張機能が影響していることが考えられます。
特にWordやExcelなどのOfficeやブラウザなどのアプリケーションは、拡張機能が原因になっているケースがあります。
そのため、アプリケーションに追加している拡張機能を全て無効化した状態で、コピーペーストが機能しないか確認してみてください。
アプリケーションの拡張機能を無効にする手順は次の通りです。
- Office(Word/Excel/PowerPoint)の場合:
- 上部メニューの「ファイル」をクリックします。
- 「オプション」を選択して、左ペインから「アドイン」を選択します。
- 「管理」のプルダウンから「COMアドイン」を選択して「設定」をクリックします。
- 使用できるアドインのリストにある全てのアドインのチェックを外して「OK」をクリックします。
- 「Send to Bluetooth」が原因になることが多いです。
- ブラウザの場合:
- 「メニューアイコン」をクリックして「拡張機能」を選択します。
- 「拡張機能」のスイッチを「オフ」にするか、「無効」をクリックして無効化します。
アプリケーションの拡張機能を無効にできたら、アプリケーションを再起動してコピーペーストができないか確認してください。
拡張機能を無効化してもコピーペーストが機能しない場合は、アプリケーションの再インストールも試してみてください。
対処9: システムファイルを修復する
システムファイルが破損もしくは欠損していることが原因で、コピーペーストができないケースがあります。
そのため、次の手順でシステムファイルの修復を試してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックし、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- Windows11の場合は、「Windows ターミナル(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが開いたら、次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
- コマンドを実行するとシステムファイルチェッカーツールが実行され、問題のあるレジストリが見つかれば自動修復されます。
- 「検証100%が完了しました」のメッセージが表示されたら完了です。
システムファイルの修復が完了したらPCを再起動してから、コピーペーストができるか確認してください。
対処10: 新しいユーザーアカウントを作成する
Windowsのアカウントのユーザープロファイルが破損していることが原因で、コピーペーストが動作しないケースが考えられます。
そのため、新しいユーザーアカウントにサインインして、コピーペーストが機能しないか確認してみてください。
新しいユーザーアカウントを作成するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウで「アカウント」を選択します。
- 「家族とその他のユーザー」をクリックします。
- 「その他のユーザーをこのPCに追加(またはアカウントの追加)」を選択します。
- 下部の「このユーザーのサインイン情報がありません」をクリックします。
- 下部の「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックします。
- [ユーザー名、パスワード、パスワードのヒント]を入力してローカルユーザーアカウントを追加します。
- ユーザーを作成できたら、[作成したユーザー名]を選択して、「アカウントの種類を変更」をクリックします。
- 「アカウントの種類」を「管理者」に変更して「OK」をクリックします。
以上で新しいユーザーアカウントを追加することができます。サインアウトして新しいアカウントでサインインして、コピーペーストができるか確認してください。
新しいアカウントでコピーペーストができる場合は、新しいアカウントに必要なファイルを移行して使用してください。
対処11: エラーチェックツールを実行する
Windowsがインストールされているハードディスクのファイルシステムが破損していることが原因で、コピーペーストが動作しないケースがあります。
そのため、次の手順でエラーチェックツールを実行してハードディスクのファイルシステムの修復を試してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を選択します。
- 左ペインで「PC」をクリックします。
- 右ペインの「デバイスとドライブ」で「ローカルディスク(C:)」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「ツール」タブを開いてエラーチェックの「チェック」をクリックします。
- 「このドライブをスキャンする必要はありません」のダイアログと表示されたら「ドライブのスキャン」をクリックします。
- ドライブに問題があった場合は、「このドライブを修復する」のダイアログが表示されます。「ドライブの修復」をクリックします。
- 「今すぐ修復」もしくは「次回の再起動時に修復する」を選択して、修復を実行します。
エラーチェックツールによって、ファイルシステムの問題が修復できた場合は、コピーペーストが機能するか確認してください。
対処12: システムを復元する
Windows Updateやインストールしたアプリケーションによってコピーペーストが機能しなくなった場合は、システムを復元することを検討してください。
システムを復元することで、PCをコピーペーストができていた日付の状態に戻すことができます。
システムの復元の実行手順については、次のページで紹介しているので併せて参考にしてください。
ありがとうございました!助かりました!