Windows10にはスクリーンセーバーの機能があり、一定時間パソコンを操作しない待機状態でしばらく待つと自動的に画面がロックされスクリーンセーバーが表示されます。
しかし、スクリーンセーバーの設定を行なって一定時間待っても、スクリーンセーバーが起動しなかったり、ディスプレイの電源が先に切れたり、PCがスリープ状態になってしまうケースがあります。
本記事では、Windows10でスクリーンセーバーが正常に動作しない時の原因と具体的な対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
スクリーンセーバーが起動しない原因
Windowsを操作しない状態でしばらく待ってもスクリーンセーバーが起動しない場合、主に次のような原因が考えられます。
- スクリーンセーバー、または電源管理の設定に問題がある
- スクリーンセーバー本体の設定だけでなく、ディスプレイや電源の設定が原因になることがあります。
- 接続しているデバイス、またはデバイスドライバーに問題がある
- パソコンに接続しているデバイス、またはそのドライバーが原因になることがあります。
- バックグラウンドで動作しているアプリが干渉している
- 常駐アプリ等がバックグラウンドで動作していると、スクリーンセーバーが起動しなくなることがあります。
- システムファイルに問題がある
- Windows Updateの失敗等により、システムファイルが破損することがあります。
スクリーンセーバー、電源管理の設定、接続しているデバイスに問題があることが原因となっている場合が多いです。
上記の原因ごとの対処方法を紹介していくので、順にスクリーンセーバーが動作するようにならないか確認していってください。
対処1: スクリーンセーバーの設定を確認する
スクリーンセーバーの基本的な設定に問題があることが原因で、スクリーンセーバーが起動しないケースが考えられます。
そのため、まずスクリーンセーバーの設定が有効になっているか確認してください。スクリーンセーバーは以下の手順で設定を行います。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- 「個人用設定」をクリックします。
- 左側のメニューより、「ロック画面」の項目をクリックします。
- 画面右側を下までスクロールし、「スクリーンセーバー設定」をクリックします。
- 「スクリーンセーバー」のセレクトボックスで「なし」が選択されている場合は、「任意のスクリーンセーバー」を選択して有効にします。
- 「待ち時間」の数値を変更してスクリーンセーバーが起動するまでの時間を設定します。
- 必要に応じて「再開時にログオン画面に戻る」のチェックを入れます。
- このチェックを入れるとスクリーンセーバーから復帰するときにログインパスワードを求められるようになります。
- 設定ができたら右下の「適用」ボタンをクリックしてから、「OK」ボタンをクリックしてウィンドウを閉じます。
上記の手順でスクリーンセーバーを有効にできたら、一定時間待ってスクリーンセーバーが起動するようになったか確認してください。
設定を行なってもスクリーンセーバーが起動しない場合は、以降の対処方法を試してください。
対処2: 電源とスリープ設定を確認する
Windows10には待機時の機能としてスクリーンセーバーの他に、自動でディスプレイを切る機能と、自動でスリープ状態に入る機能があります。
そのため、他の機能がスクリーンセーバーよりも先に起動するとスクリーンセーバーが表示されません。
一定時間待つとスクリーンセーバーではなく、画面が真っ暗になったり、PCがスリープ状態になる場合は、以下の手順で電源とスリープ設定を確認してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- 「システム」をクリックします。
- 左ペインで、「電源とスリープ」をクリックします。
- 右ペインで「画面」および「スリープ」の時間設定のセレクトボックスをクリックし、スクリーンセーバーの待機時間よりも長い時間に変更してください。
- PC待機時にスクリーンセーバーが表示された状態のままにしておきたい場合は、それぞれの時間設定を「なし」に変更してください。
電源とスリープ設定を変更できたら、正常にスクリーンセーバーが起動するようになったか確認してください。
対処3: 電源管理の設定をリセットする
Windowsの電源管理の設定に問題があることが原因で、スクリーンセーバーが正常に起動しないケースが考えられます。
電源管理はパソコンの電源やスリープをコントロールしたり、電力消費を抑えるための機能で、設定によってはスクリーンセーバーの動作に影響する場合があります。
そのため、電源管理の設定を一旦初期状態に戻して、スクリーンセーバーの問題が解決しないか確認してください。電源管理の設定を初期化する手順は以下の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして、「設定」を開きます。
- 「システム」→「電源とスリープ」と進み、画面下部にある「電源の追加設定」をクリックします。
- 「電源オプション」ウィンドウが開きます。チェックが入っているプランの右側にある「プラン設定の変更」をクリックしてください。
- 「詳細な電源設定の変更」をクリックします。
- 「既定のプランの復元」をクリックします。
- 項目がグレーアウトしている場合は、すでに既定の設定になっているため他の対処方法を試してください。
- 確認ダイアログが表示されたら「はい」をクリックします。
- 「OK」をクリックして設定を終了します。
電源管理の設定をリセットできたら、スクリーンセーバーが起動するようになったか確認してください。
対処4: 外部デバイスを取り外す
パソコンに接続されているUSBデバイスなどの機器が原因で、PCが待機状態にならずスクリーンセーバーが起動しないケースが考えられます。
特にLogitech、Razer、PlayStation、Xboxなどのゲームコントローラーが原因で、スクリーンセーバーが起動しないことがあります。
そのため、マウスとキーボード以外の不要な外部デバイスを全て取り外した状態で、スクリーンセーバーが起動するか試してみてください。
対処5: マウスのセンサーとマウスパッドを掃除する
マウスのセンサーやマウスパッドの汚れていることが原因で、マウス操作が検出されてPCが待機状態になっていないケースが考えられます。
そのため、マウスの光学センサーとマウスパッドに付着しているホコリなどの汚れを綺麗に取り除いてください。
マウスの光学センサーとマウスパッドが掃除できたら、スクリーンセーバーが起動するようになったか確認してください。
対処6: デバイスドライバーを更新する
デバイスドライバーに不具合があることが原因で、スクリーンセーバーが起動しないケースが考えられます。
そのため、デバイスドライバーを最新版にアップデートして、問題が解決できないか試してみてください。
デバイスドライバーを最新バージョンにアップデートするには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーウィンドウが表示されます。全てのツリーをダブルクリックで展開して、「エラーの出ているドライバー(黄色のビックリマーク)」を探します。
- 「エラーの出ているドライバー」が見つかったら、右クリックして「ドライバーの更新」を選択してください。
- 「ドライバーを自動的に検索」をクリックします。
- 最新のドライバーが自動的に検出され更新されます。
- 既に最新のドライバーだった場合は、「Windows Updateで更新されたドライバーを検索する」をクリックしWindowsUpdateを実行してください。
デバイスドライバーを最新のバージョンにアップデートできたら、スクリーンセーバーが起動しない問題が解決したか確認してください。
上記の手順でエラーが出ているドライバーを更新できない場合は、デバイスのメーカーサイトからドライバーファイルをダウンロードして直接インストールしてください。
対処7: 電源のトラブルシューティングツールを実行する
電源の設定に何らかの問題があることが原因で、スクリーンセーバーが起動しないケースが考えられます。
そのため、Windowsに標準で実装されている電源のトラブルシューティングツールの実行を試してみてください。
電源のトラブルシューティングツールを実行するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「トラブルシューティング」をクリックします。
- 右ペインで「追加のトラブルシューティングツール」をクリックします。
- 「電源」を選択して「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
- 電源に関連する問題が自動的に検出されます。修正が提案された場合は、案内に従って設定を修正してください。
電源のトラブルシューティングツールによって問題が修正できたら、スクリーンセーバーが起動するようになったか確認してください。
対処8: バックグラウンドアプリを停止する
バックグラウンドで動作しているアプリケーションが原因で、スクリーンセーバーが正常に起動しないケースが考えられます。
そのため、アプリケーションのスタートアップを無効化した状態で、スクリーンセーバーが起動するか確認してください。
アプリケーションのスタートアップを無効化するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 左ペインで「スタートアップ」をクリックします。
- 右ペインのアプリ一覧で、開発元が「Microsoft」以外の全てのアプリケーションのスイッチを「オフ」に変更します。
- PCを再起動して設定を反映します。
スタートアップの設定を変更してPCを起動できたら、スクリーンセーバーが起動するようになったか確認してください。
問題が解決した場合は、同じ手順でアプリのスタートアップを1つずつ「オン」に戻して再起動し、原因のアプリを特定してください。
原因のアプリが見つかったら、そのままスタートアップを無効化するか、アンインストールすることを検討してください。
対処9: システムファイルの修復を実行する
Windowsのシステムファイルが破損していることが原因で、スクリーンセーバーが正常に動作しないケースが考えらます。
そのため、システムファイルの問題を検出するために、システムファイルのエラーチェックと修復を実行してください。
システムファイルを修復するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
sfc /scannow
- コマンドの処理が完了したら、そのまま次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- コマンドが実行できたら、PowerShellウィンドウを閉じます。
システムファイルを修復できたら、PCを再起動してからスクリーンセーバーが動作するようになったか確認してください。
対処10: グループポリシーを変更する
ここまでの方法を試してもスクリーンセーバーが動作しない場合は、グループポリシーを変更して強制的に有効化することで問題が解決する可能性があります。
グループポリシーを変更するには、以下の手順でローカルグループポリシーエディターを操作して設定を行います。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- ファイル名を指定して実行ウィンドウが表示されたら、名前欄に「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- ローカルグループポリシーエディターが起動します。ウィンドウ左側に表示されるツリーを、「ユーザーの構成」→「管理用テンプレート」→「コントロールパネル」→「個人用設定」の順に展開します。
- 「個人用設定」を選択した状態で、以下のポリシーをそれぞれダブルクリックで開いて設定を変更します。
- スクーンセーバーを有効にする: 「有効」を選択してください。
- スクリーンセーバーをパスワードで保護する: スクリーンセーバーから復帰する時にパスワードを要求するには「有効」を選択してください。パスワードが不要な場合は、このポリシーを変更する必要はありません。
- スクリーンセーバーのタイムアウト: 「有効」を選択してください。また、左下の「スクリーンセーバーを起動するまでの時間」も設定してください。
- 設定が変更できたら、右下の「適用」→「OK」の順にクリックしてウィンドウを閉じます。
- 上記のポリシーを全て設定変更できたら、PCを再起動して設定を反映します。
グループポリシーを変更してPCを再起動できたら、スクリーンセーバーが正常に起動するようになったか確認してください。