Windowsのノートパソコンを使用しようと電源ボタンを押すと、突然電源が入らなかったり、電源が入っても画面が映らずに起動しないケースがあります。
ノートパソコンが起動しない場合、ノートパソコンのハードウェアが故障しているケースも考えられますが、簡単な対処方法で解決するケースも多いです。
本記事では、ノートパソコンが起動しない・電源が入らない時の対処法について詳しく紹介します。対処方法は、電源ランプが点く場合と、点かない場合に分けて紹介します。
この記事の内容
ノートパソコンが起動しない原因
ノートパソコンが起動しない場合、電源ランプの状態によって原因が異なります。それぞれの状態の具体的な原因は、以下の通りです。
- 電源ランプが点く場合:
- パソコン内部が帯電している
- ディスプレイまたはソフトウェアに問題が起きている
- 接続している外部デバイスに問題がある
- 物理メモリの接触不良、または破損している
- CMOSのコイン電池が劣化している
- 電源ランプが点かない場合:
- バッテリーの残量がゼロになっている
- 電源ケーブル、アダプターに問題がある
- バッテリーが劣化、破損している
- その他のハードウェアが故障している
上記の原因ごとの対処方法を紹介していくので、順にノートパソコンが起動しないか試してみてください。
電源ランプは点くのに起動しない時の対処
ノートパソコンの電源ボタンを押すと電源ランプは点くのに起動しない場合は、以下の対処方法を参考にしてください。
対処1: 放電処置を行う
ノートパソコンの内部に余分な電流が溜まっていることが原因で、正常に起動しないケースがあります。
上記の問題は、ノートパソコンのバッテリーを取り外して放電処置をすることで解決する可能性があります。放電処置をするには、以下の手順で行ってください。
- パソコンをシャットダウンし、ACアダプターを取り外します。
- パソコンからバッテリーを取り外します。バッテリーは、パソコン本体裏側のツメや、蓋を開けると取り外せるようになっていることが多いです。
- 内蔵バッテリーの場合は、パソコン裏面のカバーを取り外してバッテリーのコネクターを外す必要があります。取り外しが困難な機種の場合は、別の対処法を試してください。
- 電源ボタンを30秒ほど長押しし、パソコン内部に残っている電気を放出します。
- バッテリーとACアダプターを装着して、電源ボタンを押しパソコンを起動します。
問題が解決されれば、電源ボタンを押すと正常にノートパソコンが起動します。解決しない場合は、次の対処に進んでください。
対処2: 外部ディスプレイを接続して起動する
ノートパソコンのディスプレイまたはソフトウェアに問題が起きていることが原因で、電源を入れても画面が真っ暗なまま映らないケースが考えられます。
原因を切り分けるために、ノートパソコンを外部ディスプレイやテレビに接続した状態で起動を試してみてください。
- 外部ディスプレイにパソコンの画面が映る場合:
ディスプレイまたはソフトウェアに問題があると判断できます。ディスプレイまたはソフトウェアに問題がある場合は、以下のページの対処方法を参考にしてください。 - 外部ディスプレイにパソコンの画面が映らない場合:
その他の原因が考えられるため、次の対処方法を試してください。
対処3: 外部デバイスを全て取り外した状態で起動する
ノートパソコンにUSBメモリやマウス、Webカメラ、外部ディスプレイに問題があることが原因で、ノートパソコンが正常に起動しないケースが考えられます。
そのため、ノートパソコンに接続している全ての外部デバイスを取り外した状態で、電源ボタンを押して起動してみてください。具体的な手順は、以下の通りです。
- ノートパソコンの電源が付いている場合は、電源ボタンを長押しして電源を切ります。
- ノートパソコンに接続している全ての外部デバイスを取り外します。
- 電源ボタンを押して、起動するか確認します。
対処4: 物理メモリを再接続/交換する
物理メモリ(RAM)の接続が緩んでいたり、破損していることが原因で、ノートパソコンが起動しないケースが考えられます。
そのため、物理メモリを一度取り外してから再接続して問題が解決しないか確認してみてください。具体的な手順は以下の通りです。
- ノートパソコンの電源が付いている場合は、電源ボタンを長押しして電源を切ります。電源を繋いでいる場合は抜いた状態で作業を行います。
- ノートパソコンの裏面のカバーのネジをドライバーで緩めて、カバーを取り外します。
- メモリスロットのツメを押して、物理メモリを取り外します。
- 物理メモリをメモリスロットにしっかり奥まで差し込みます。
- 物理メモリの接続面が汚れている場合は、汚れを拭き取ってから接続してください。
- 電源ボタンを押して、ノートパソコンが起動するか確認します。
物理メモリに問題があった場合は、上記の手順でノートパソコンが正常に起動します。
物理メモリを再接続してもノートパソコンが起動しない場合は、別の物理メモリに交換することで問題が解決することがあります。
物理メモリが複数搭載されている場合は、1枚だけ接続して起動するか試してみてください。1枚ずつ起動を試すことで、問題のあるメモリを特定できます。
対処5: マザーボードのコイン電池を交換する
マザーボード上にはBIOS/UEFIの設定を保存するためのCMOSが搭載されており、データを維持するためにコイン電池の電力を消費します。
このコイン電池が劣化すると、BIOS/UEFIの設定内容が保存できなくなり、PCの起動に支障が出るケースがあります。
特に5年以上古いノートパソコンの場合は、コイン電池の電池切れが考えられるため、CMOSのコイン電池の交換を行ってください。CMOSバッテリーに使われているコイン電池は『CR2032』が多いです。
- ノートパソコンの電源が付いている場合は、電源ボタンを長押しして電源を切ります。電源を繋いでいる場合は抜いた状態で作業を行います。
- ノートパソコンの裏面のカバーのネジをドライバーで緩めて、カバーを取り外します。
- CMOSの電池スロットのツメを押して、コイン電池を取り外します。
- コイン電池がはんだ付けされている場合は、自作の経験がないと交換は難しいため、メーカーか修理業者に依頼することをおすすめします。
- 新しいコイン電池をスロットに押し込んで取り付けます。
- 電源ボタンを押して、ノートパソコンが起動するか確認します。
電源ランプは点かず起動しない時の対処
ノートパソコンの電源ボタンを押しても電源ランプが点かない場合は、電力供給に問題があるケースが考えられます。電源ランプが点灯しない場合は、以下の対処方法を参考にしてください。
対処1: 電源に接続した状態で起動する
ノートパソコンに電源ケーブルを接続せずに電源を入れようとしている場合は、バッテリーの残量がゼロになっていることが原因で起動しないケースが考えられます。
そのため、ノートパソコンに電源ケーブルを接続した状態で電源ボタンを押してみてください。
電源に接続すると起動する場合は、バッテリーをしばらく充電してからバッテリーのみでの起動を試してみてください。
対処2: バッテリーを取り外した状態で起動する
ノートパソコンのバッテリーが劣化・故障していることが原因で、バッテリー接続時にPCが起動しないことがあります。
そのため、ノートパソコン本体からバッテリーを取り外した状態で電源に接続し、電源が入るか確認してください。
バッテリーを取り外した状態で電源を投入できる場合は、バッテリーの故障が疑われるため『対処5: バッテリーを交換する』に進んでください。
バッテリーを取り外しても起動しない場合は別の原因も考えられるため、次の対処に進んでください。
対処3: 電源ケーブルを交換する
電源ケーブルが断線・故障していることが原因で、ノートパソコンに電力を供給できず電源が入らないケースもあります。
そのため、電源ケーブルのアダプタの通電ランプが正常に点灯しているか確認してください。
通電が確認できない場合は、電源ケーブルを交換してノートパソコンの起動を試してください。また、アダプタ部分を脱着できる電源ケーブルの場合は、接続部分が緩んでいる場合もあります。
サードパーティ製の電源ケーブルを使用している場合は、電力供給が不足しているケースも考えられるため、マニュアルに記載されている電源ケーブルの仕様を確認してください。
対処4: バッテリーを交換する
電源ケーブルを交換しても電源を投入できない場合は、バッテリーが劣化または故障していることが考えられます。
バッテリーの寿命は長くて5年程度と言われており、特に古いノートパソコンの場合はバッテリーの劣化が考えられます。
そのため、新しいバッテリーに交換してからノートパソコンの起動を試してください。バッテリーを交換するには、交換用バッテリーを購入して自身で行うか、メーカーサポートに交換を依頼してください。
自身での交換が難しい場合は、バッテリー以外のハードウェアの故障も少なからず考えられるため、メーカーサポートに診断と交換を依頼することをおすすめします。