Windows10で写真や動画など、様々な種類のファイルを扱うという方は多いはず。パソコンに繋いだ外付けHDDで管理している場合もあります。
しかしある時、ファイルやフォルダを削除・編集しようとしたら、「この操作を実行するアクセス許可が必要です。このファイル/フォルダーを変更するには、XXXXからアクセス許可を得る必要があります。」というエラーメッセージが表示され、操作ができないトラブルが起きることがあります。
本記事では、Windows10で「この操作を実行するアクセス許可が必要です」のエラーメッセージが表示される原因と対処法を紹介します。
この記事の内容
「この操作を実行するアクセス許可が必要です」が出る原因
Windows10で「この操作を実行するアクセス許可が必要です。このファイル/フォルダーを変更するには、XXXXからアクセス許可を得る必要があります。」というエラーメッセージが表示される場合、2つの原因が考えられます。
原因1: アクセス許可の権限がない
ファイルにアクセスしたユーザーにアクセス許可の権限がないと、アクセス許可のエラーメッセージが表示されます。
ファイルのアクセス許可の権限がない原因としては次が考えられます。
- ユーザー自身の誤操作で権限を変更した
- アプリケーションのバグによって権限が変更された
- ネットワーク上のパソコンからのアクセス許可が設定されていない
- 共有フォルダやNAS上のファイルへのアクセス時にエラーメッセージが表示される場合
いずれの原因でも、アクセス許可の権限を設定することで問題が解決する可能性が高くなります。
原因2: Windowsの重要なファイルを操作しようとしている
ただし、例外としてWindows10の仕様で特別なアクセス権が設定されているファイルも存在します。
Windows10のシステム関連の重要なファイルを操作する際にエラーメッセージが表示されるケースもあります。
その際は、本当に移動や削除をしてもいいのかよく確認しておきましょう。
続いて、「この操作を実行するアクセス許可が必要です」のエラーメッセージが表示された時の対処方法を、順に紹介していきます。
対処1: パソコンを再起動する
「この操作を実行するアクセス許可が必要です」というメッセージが表示された場合、まずはパソコンを再起動させてみましょう。
「原因」でも触れましたが、そのファイルのアクセス許可が変更されてしまったのは、アプリケーションのバグの可能性があります。
そのため、パソコンを正常な動作に戻すために再起動が必要になるのです。
パソコンの再起動後、エラーメッセージが表示されず、ファイルやフォルダの削除・編集が可能になっていれば問題ありません。
対処2: ファイルの所有者を変更する
「この操作を実行するアクセス許可が必要です」というエラーメッセージが表示された場合、該当ファイルの所有者を変更することで編集が可能になることもあります。
Windows10でファイルの所有者を変更する手順は以下の通りです。
- 「該当ファイルまたはフォルダー」を右クリックして「プロパティ」をクリックする
- 画面が表示されたら「セキュリティ」タブをクリックする
- 下部にある「詳細設定」をクリックする
- 「セキュリティの詳細設定」に画面が切り替わるので「所有者」の右側にある「変更」をクリックする
- 画面が「ユーザーまたはグループの選択」に切り替わったら「詳細設定」をクリックする
- 画面右側にある「検索」ボタンをクリックする
- 下部に表示される「検索結果」の中から現在ログオンしているユーザー名を選択して「OK」をクリックする
- 画面が「ユーザーまたはグループの選択」に切り替わったら「OK」をクリックする
- 「セキュリティの詳細設定」の画面になったら、「所有者」が選んだユーザー名になっているか確認する
- 「所有者」の下にある「サブコンテナとオブジェクトの所有者を書き換える」にチェックを入れて「適用」をクリックする
- Windowsセキュリティの注意書きが表示されたら「OK」をクリックする
- 「セキュリティの詳細設定」の画面で「OK」をクリックし、画面を閉じる。「フォルダのプロパティ」も閉じる
所有者を変更した後、ファイルの移動や削除が可能になっていれば問題ありません。
対処3: ファイルのアクセス権を変更してみる
ファイルの所有者を変更しても「この操作を実行するアクセス許可が必要です」のエラーメッセージが表示される場合は、ファイルのアクセス権も変更してみましょう。変更手順は以下の通りです。
- 「該当ファイルまたはフォルダー」を右クリックして「プロパティ」をクリックする
- 画面が表示されたら「セキュリティ」タブをクリックする
- 下部にある「詳細設定」をクリックする
- 「セキュリティの詳細設定」に切り替わったら下部にある「子オブジェクトのアクセス許可エントリすべてを、このオブジェクトからの継承可能なアクセス許可エントリで置き換える」にチェックを入れる
- チェックをつけた項目の上に「継承の有効化」が表示されていることを確認して「OK」をクリックする
- 警告画面が表示されたら「はい」を選択する
- 「プロパティ」画面に戻ったら「OK」をクリックして閉じる
この操作で、設定したファイルに対してログオンユーザーである自分にアクセス権が与えられます。その後は削除や編集など、必要な操作を行いましょう。
対処4: 共有フォルダのプロパティを変更する
特にパソコンが複数台あって外付けHDDを使用している場合、Wi-Fi経由で外付けHDDに接続しているパソコンに「この操作を実行するアクセス許可が必要です」というエラーメッセージが表示されることがあります。
その場合、直接外付けHDDに接続しているパソコンから、外付けHDDの共有フォルダのプロパティを変更しましょう。
Windows10で共有フォルダのプロパティの変更手順は以下の通りです。
- 直接外付けHDDに接続しているパソコンから、外付けHDDの共有フォルダで右クリックをする
- 表示されたメニューから「プロパティ」をクリックする
- 表示されたプロパティ画面で「共有」タブをクリックする
- 画面の真ん中辺りにある「詳細な共有」ボタンをクリックする
- 「詳細な共有」画面が表示されたら「アクセス許可」をクリックする
- 表示された画面から「許可」の下にある項目にすべてチェックを入れる
- 「適用」をクリックする
- 「OK」をクリックする
プロパティの変更が完了したら、Wi-Fi経由で接続しているパソコンから外付けHDDのファイルを操作してみましょう。
エラーメッセージが表示されず、問題無く操作ができれば大丈夫です。
対処5: 新たにネットワークドライブへの接続情報を登録する
多くの写真や動画をNAS(Network Attached Storage)に保存している方も増えています。
しかし、突然「この操作を実行するアクセス許可が必要です」というエラーメッセージが表示されて接続できなくなることも。
その場合は、まずネットワークドライブの接続状況を確認し、必要があれば新たに接続情報を登録しましょう。手順は以下の通りです。
- NASのIPアドレスとネットワークに接続されているかを確認する
- 確認方法は使用しているNASの管理ソフトや設定画面などで行いましょう。IPアドレスが表示されていれば、ネットワークに接続されている証拠になります
- NASの接続確認ができたら、Windows10のメニューボタンを右クリックし「コントロールパネル」を表示させる
- 画面が開いたら「ユーザーアカウント」をクリックする
- 画面が切り替わったら「資格情報マネージャー」をクリックする
- 画面が表示されたら「Windows資格情報」をクリックし、「Windows資格情報の追加」をクリックする
- 先ほど確認した「NASのIPアドレス」、NASに接続する際の「ユーザー名」「パスワード」を入力し、「OK」をクリックする
設定が完了したら「ファイル名を指定して実行」の画面を立ち上げ、「\\NASのIPアドレス」を入力して、NASの内容が表示されるか確かめましょう。内容が表示され、ファイルの編集も行えれば問題ありません。
対処6: フォーマットし直す
USBで接続する一部の外付けHDDの場合、フォーマットの形式によってはファイルの操作時に「この操作を実行するアクセス許可が必要です」というエラーメッセージが表示されることがあります。
その場合、外付けHDDを適切なフォーマット形式でフォーマットすることで問題が解決されます。
フォーマットの方法や形式については、以下のページを参考にしてください。
対処7: 無理に操作しない
「この操作を実行するアクセス許可が必要です」というエラーメッセージが表示された場合、ファイルによっては無理に変更を加える操作をしない方が良いケースもあります。
システム関連ファイルの変更は注意
「System32」というフォルダ内のファイルの変更には特に注意が必要です。
「System32」というフォルダには、OSであるWindows10を正常に動作させるための重要ファイルが収められています。
こういったWindowsシステムに関連するファイルは、アクセス許可がないと操作できない仕様になっています。
エラーメッセージを無視してファイルの内容を削除したり改変すると、システムに異常が起き、Windowsが立ち上がらなくなる恐れがあります。最悪の場合、リカバリーディスクを使ってWindows10の再インストールをしなければなりません。
「System32」フォルダにあるファイルを操作しかけてエラーメッセージが表示された際は、ファイルを操作せず、エラーメッセージをそのまま閉じるようことを推奨します。