PUBGやFortniteなどの一部のゲームを起動する際に「DX11機能レベル10.0はエンジンの実行に必須です(DX11 feature level 10.0 is required to run the engine)」のエラーが発生することがあります。
このエラーが発生するとゲームを起動できない状態になってしまうため、ゲームをプレイするには対処が必要です。
本記事では、「DX11機能レベル10.0はエンジンの実行に必須です」のエラーの原因と対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
エラーが発生する原因
「DX11機能レベル10.0はエンジンの実行に必須です」のエラーは、ゲームの動作に必要なDirect3D機能レベル10.0を使用できない際に発生します。
特定のゲーム起動する時にこのエラーが発生する場合、主に次の原因が考えられます。
- 映像出力にGPUを使用していない
- グラフィックドライバーのバージョンが古い
- グラフィックボード自体が機能レベル10.0に対応していない
- DirectX11以降をインストールしていない
- ゲームクライアントのプログラムの不具合
上記のとおり、グラフィックドライバーもしくは、グラフィックボードが問題となっているケースが多いです。
グラフィックボード自体が機能レベルをサポートしていない場合は、グラフィックボードを交換する必要があります。
原因ごとの対処方法を紹介していくので、順にエラーが解決できないか試してみてください。
対処1: DirectXバージョンと機能レベルを確認する
DirectXのバージョンが古かったり、グラフィックドライバーがDirect3D機能レベル10.0に対応していないことが原因で、「DX11機能レベル10.0はエンジンの実行に必須です」のエラーが発生します。
そのため、まずPCで利用しているDirectXバージョンとグラフィックボードが機能レベルに対応しているか確認してください。確認する手順は次のとおりです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「dxdiag」と入力して「OK」をクリックし、DirectX診断ツールを開きます。
- 「システム」タブで「DirectXバージョン」の項目に「DirextX12(もしくは11)」の記載があることを確認します。
- 「ディスプレイ」タブをクリックします。
- ドライバー内の「機能レベル」に「10_0」の記載があるか確認します。
- 対応している機能レベルは「11_0,10_1,10_0,9_3,9_2,9_1」等のようにカンマ区切りで表示されます。
インストールされているDirextXが11以前の場合は、『対処8: WindowsUpdateを実行してDirectXを更新する』の内容を参考にして最新のDirectXをインストールしてください。
また、ドライバーが機能レベル10.0に対応していない場合は、『対処4: グラフィックドライバーをアップデートする』以降の対処方法を参考にしてください。
DirectXのバージョンとドライバーの機能レベルに問題がない場合は、順に紹介する対処方法を試してみてください。
対処2: ディスプレイケーブルをグラフィックボードの端子に挿す
HDMIやDisplayPortなどのディスプレイケーブルが誤った映像端子に接続されていることが原因で、DX11機能レベル10.0のエラーが発生しているケースが考えられます。
機能レベルをサポートしているグラフィックボードを追加で搭載していても、ディスプレイケーブルがPCのマザーボード側の端子に接続されていると内臓グラフィックが使用されてしまいます。
そのため、マザーボードとグラフィックボードの映像端子が存在する場合は、グラフィックボード側の端子にケーブルを接続してみてください。映像がグラフィックボード経由に切り替わったら、再度ゲームが起動できるか確認してください。
対処3: 対応GPUを選択してアプリケーションを実行する
NVIDIAのグラフィックボードを搭載したノートパソコンなどは、ソフトウェアでGPUを切り替えれるNVIDIA Optimus機能を搭載している場合があります。
上記の機能を搭載している場合は、省電力設定によって内臓グラフィックが自動的に使用されてしまい、DX11機能レベル10.0のエラーが発生することがあります。
そのため、次のいずれかの方法で専用GPUを使用してゲームを起動してみてください。
- 方法1: 右クリックメニューで専用GPUを選択する
- ゲームのショートカットアイコンを右クリックします。
- 「グラフィックスプロセッサと共に実行」→「高パフォーマンスNVDIAプロセッサ」の順に選択して、ゲームを起動します。
- 方法2: NVIDIAコントロールパネルで優先GPUを変更する
- デスクトップの何もない場所で右クリックして「NVIDIAコントロールパネル」を選択し開きます。
- 左ペインで「3D設定の管理」をクリックします。
- 右ペインで「グローバル設定」タブをクリックします。
- 「優先するグラフィックス プロセッサ」を「高パフォーマンスNVIDIAプロセッサ」に変更して、「適用」をクリックします。
- 優先GPUをアプリケーションごとに設定したい場合は、「プログラム設定」タブから設定できます。
対処4: グラフィックドライバーをアップデートする
グラフィックドライバーが古いことが原因で、Direct3D機能レベル10.0に対応していないケースが考えられます。
そのため、グラフィックドライバーを最新のバージョンにアップデートすることでエラーが解決する可能性があります。グラフィックドライバーをアップデートするには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「ディスプレイアダプター」のツリーを展開します。
- 「グラフィックドライバー名」を右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーを自動的に検索」をクリックします。
- 最新のグラフィックドライバーが自動的にインストールされます。
- 最適なドライバーがインストールされていた場合は、「WindowsUpdateで更新されたドライバーを検索する」をクリックしてください。
グラフィックドライバーが更新できた場合は、PCを再起動してから再度ゲームの起動を試してみてください。エラーが解決しない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処5: グラフィックドライバーを手動でアップデートする
WindowsUpdate経由でグラフィックドライバーを更新できない場合は、最新のドライバーファイルを直接インストールすることで機能レベルのエラーが解決する可能性があります。
そのため、搭載しているグラフィックボードのメーカーサイトから最新のドライバーファイルをダウンロードして、インストールを行なってみてください。具体的な手順は次の通りです。
- グラフィックボードのメーカー公式サイトのドライバーダウンロードページにアクセスします。
- 使用しているグラフィックボードの最新版のドライバーファイルをダウンロードします。
- ダウンロードしたドライバーファイルをダブルクリックして実行します。
- インストールウィザードにしたがってドライバをインストールします。
- 正常にインストールできたらウィザードを閉じて完了です。
最新のグラフィックドライバーを手動でインストールできたら、PCを再起動してゲームが起動できるようになったか確認してください。
対処6: グラフィックボードを交換/増設する
搭載しているグラフィックボードが古く、最新のドライバーでもDX11機能レベル10.0をサポートしていないケースがあります。
DirectX11に対応しているNVIDIA/AMDのグラフィックボードは以下の通りです。
- NVIDIA: GeForce 400系以降
- AMD: Radeon HD 5000系以降
グラフィックボード自体が機能レベルをサポートしていない場合は、新しいグラフィックボードに交換・増設することを検討してください。
最近発売されているNVIDIA/AMDのグラフィックボードであれば、基本的にほとんどのモデルがDX11機能レベル10.0をサポートしています。
対処7: ゲームクライアントを再インストールする
ゲームクライアントによってはプログラムに不具合があることが原因で、DX11機能レベル10.0のエラーが出ることが少なからず考えられます。
そのため、ゲームクライアントを一度アンインストールしてから、再インストールすることでエラーが解決する可能性があります。
再インストールする際は、ゲームの公式ページから最新のインストーラーをダウンロードしてインストールしてください。
対処8: WindowsUpdateを実行してDirectXを更新する
インストールされているDirectXのバージョンが11以前であった場合は、最新のDirectXをインストールしてください。
通常はWindows10にDirectX11.3と12が含まれているため、個別にインストールする必要はありません。ただし、Windows10が古いバージョンの場合は、以前のDirectXがインストールされているケースがあります。
そのため、次の手順でWindowsUpdateの更新プログラムを全て適用してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- Windowsが最新の状態になったことを確認します。
- 「再起動」や「ダウンロード」のボタンが表示されている場合は、クリックして更新プログラムを適用してください。
- 再起動を行なった場合は、再起動に再度更新プログラムがないか確認してください。
WindowsUpdateで全ての更新プログラムを適用すると、最新のDirectX12がインストールされます。Windowsが最新の状態になったら、ゲームが正常に起動できるか確認してください。
対処9: DirectXを手動で修復する
DirectXランタイムに含まれるファイルが破損していることが原因で、「DX11機能レベル10.0はエンジンの実行に必須です」のエラーが発生するケースがあります。
DirectXランタイムの破損は、DirectXエンドユーザーランタイムWebインストーラーを実行することで修復できる可能性があります。
そのため、次の手順でWebインストーラーを実行してエラーを解決できないか確認してみてください。
- 『DirectXエンドユーザーランタイムWebインストーラ』のページにアクセスして「ダウンロード」をクリックします。
- ダウンロードした「dxwebsetup.exe」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- ウィザードにしたがってコンポーネントを再インストールします。
- 途中のBingバーのチェックは外してください。
以上の手順で、DirectX11以前のランタイムが再インストールされて破損したファイルが修復されます。
Webインストーラーの実行が完了したら、再度ゲームを起動してエラーが解決したか確認してください。
対処10: 追加の更新プログラムをインストールする(Windows7の場合)
Windows7では、DX11機能レベル10.0を有効化するために、Windowsの追加の更新プログラム(KB2670838)を適用する必要があります。
この更新プログラムはオプションでインストールするため、Windows7が最新の状態であっても適用していない場合があります。
そのため、次の手順で追加の更新プログラムをインストールして、ゲームを起動できないか試してみてください。
- 『Windows7プラットフォーム更新プログラム』のページにアクセスして「ダウンロード」をクリックします。
- 「Windows6.1-KB2670838-x64.msu」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
- Windowsが32bitの場合は「Windows6.1-KB2670838-x86.msu」にチェックを入れてください。
- 更新プログラムファイルがダウンロードできたら、ダブルクリックして実行します。
- ウィザードの案内に従ってインストールを完了します。
- PCを再起動します。
追加の更新プログラムをインストールしてPCが再起動できたら、ゲームの起動を試してみてください。
とてもわかりやすかったです。ありがとうございます。