USB3.0のファイルコピー時の転送速度が遅い時の対処法

Usb3.0の転送速度が遅い

USB3.0(USB3.2 Gen 1/USB3.1 Gen 1)は、理論上の最大転送速度が5Gbpsで、従来のUSB2.0に比べて高速でデータを転送することができます。

しかし、USB3.0のUSBメモリや外部ストレージなどのデバイスで実際にファイルをコピーすると、転送速度が極端に遅い場合やUSB2.0並の速度になってしまうケースがあります。

本記事では、Windows10でUSB3.0のファイルの転送速度が遅い時の対処方法について詳しく紹介します。

対処1: USB3.0の対応ポートに接続する

USB3.0デバイスをUSB2.0ポートに接続していることが原因で、転送速度が遅いケースが考えられます。USB2.0ポートに接続すると、下位互換のUSB2.0として接続されるため転送速度が遅くなります。

そのため、PC側のUSBポートを確認した上で、USB3.0ポートにUSBデバイスを接続してください。一般的に青色のポートがUSB3.0に対応したポートです。

デバイスをUSB3.0ポートに接続できたら、転送速度が改善したか確認してください。USB3.0ポートに接続しても遅い場合は、次の対処に進んでください。

対処2: USB3.0デバイスのポリシーを高パフォーマンスに変更する

Usb3.0デバイスのポリシーを高パフォーマンスに変更

Windowsでは、USBデバイスのポリシーとして「クイック取り外し」オプションがデフォルトで設定されています。このポリシーが設定されていると、タスクバーの通知領域で「安全な取り外し」を実行せずに、デバイスをいつでも取り外せます。

しかし、この「クイック取り外し」オプションが原因で、USB3.0の転送速度が大幅に低下することがあります。

そのため、USBデバイスのポリシーを「高パフォーマンス」オプションに変更することで、転送速度の問題が改善する可能性があります。ただし、ポリシーを変更した場合は、USBデバイスを取り外す際に「安全な取り外し」を実行する必要がある点に注意してください、

USBデバイスのポリシーを「高パフォーマンスに変更するには、以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
  2. デバイスマネージャーが起動したら、「ディスクドライブ」のツリーを展開します。
  3. 「USBデバイス名」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
  4. 「ポリシー」タブを開いて、「高パフォーマンス」オプションを選択します。
  5. 「OK」をクリックして設定を保存します。

USBデバイスのポリシー設定を変更できたら、USB3.0に接続したデバイスにファイルを転送して転送速度が改善したか確認してください。USBデバイスはそのまま取り外すと、データが破損する恐れがあるため、必ず「安全な取り外し」を実行してからデバイスを取り外してください。

USBデバイスのポリシー設定を変更しても、転送速度が遅い場合は、次の対処方法を試してください。

対処3: USB3.0デバイスを再接続する

Usb3.0デバイスを再接続する

USB3.0に対応したデバイスは、手前にUSB 2.0互換端子、奥にUSB3.0端子を搭載しています。USBデバイスをUSBポートにゆっくり差し込むと、2.0互換端子でPCに認識されてしまい転送速度が大幅に下がるケースがあります。

USBデバイスがUSB2.0として認識されている場合は、USBデバイスを一度取り外してから、USBポートに速やかに奥まで差し込んでみてください。または、奥まで差し込んだ状態で、PCを再起動することでもUSB3.0として認識することができます。

USBデバイスをUSB3.0で接続できたら、ファイルのコピーを試して転送速度が改善したか確認してください。

対処4: USB3.0デバイスのドライバーを再インストールする

Usb3.0デバイスのドライバーを再インストール

USB3.0デバイスのドライバーに問題が起きていることが原因で、USB3.0のファイルの転送速度が遅くなるケースが考えられます。

そのため、USBデバイスのドライバーを一度アンインストールしてから再インストールすることで、問題が解決する可能性があります。

USBデバイスのドライバーを再インストールするには、以下の手順で操作してください。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
  2. デバイスマネージャーが起動したら、「ディスクドライブ」のツリーを展開します。
  3. 「USBデバイス名」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
  4. 警告ダイアログが表示されたら、「アンインストール」をクリックします。
  5. ドライバーが削除されたら、PCを再起動します。
  6. PCが再起動すると、USBデバイスのドライバーが自動でインストールされます。

USBデバイスのドライバーを再インストールできたら、再度USB3.0に接続したデバイスにファイルを転送して転送速度が改善したか確認してください。速度が遅い場合は、次の対処に進んでください。

対処5: USB3.0コントローラードライバーを再インストールする

Usb3.0コントローラードライバーを再インストール

USB3.0のコントローラードライバーに問題が起きていることが原因で、ファイルの転送速度が遅いケースがあります。

そのため、USB3.0のコントローラードライバーを再インストールすることで、問題が解決する可能性があります。

USB3.0のコントローラードライバーを再インストールするには、以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
  2. デバイスマネージャーが起動したら、「ユニバーサルシリアルバスコントローラー」のツリーを展開します。
  3. 「USB 3.0 eXtensible Host Controller」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
  4. 警告ダイアログが表示されたら、「アンインストール」をクリックします。
  5. 続けて、「USBルートハブ(USB3.0)」を同じ手順でアンインストールします。
  6. ドライバーが削除されたら、PCを再起動します。
  7. PCが再起動すると、USBコントローラードライバーが自動でインストールされます。

USB3.0コントローラードライバーを再インストールできたら、ファイルのコピーを試して転送速度が改善したか確認してください。

対処6: NTFS形式でフォーマットする

Usbデバイスをntfs形式でフォーマットする

USB3.0デバイスで使用しているファイルシステムがFAT32の場合、転送速度が極端に遅くなることがあります。

そのため、USBデバイスをNTFS形式でフォーマットすることで、転送速度が改善する可能性があります。フォーマットを実行するとファイルが全て消去されるため、必要なファイルがある場合はバックアップを取っておいてください。

USB3.0デバイスをNTFS形式でフォーマットするには、以下の手順で操作します。

  1. 「Windows + E」キーを入力して、エクスプローラを起動します。
  2. 左ペインの「PC」を選択します。
  3. 右ペインで、「USB3.0のドライブ」を右クリックして「フォーマット」を選択します。
  4. ファイルシステムを「NTFS」に変更して、「開始」をクリックします。
  5. 警告ダイアログが表示されたら「OK」をクリックします。
  6. 「フォーマットが完了しました」と表示されたら、「OK」をクリックします。

USB3.0デバイスをフォーマットできたら、ファイルをコピーして転送速度が改善したか確認してください。

解決しない場合

USB3.0の理論上の最大転送速度は5Gbpsですが、実効値では0.6〜1.1Gbps程度と言われています。

使用しているUSBデバイスによって実効値の速度は異なるため、思ったほどの速度が出ない場合はデバイス自体に問題があることが考えられます。

そのため、全ての対処方法を試してもUSB3.0の転送速度が遅い場合は、別のUSB3.0デバイスを使用することで改善する可能性があります。

また、新しいUSB規格であるUSB 3.1(理論値10Gbps)、USB 3.2(理論値20Gbps)に対応したデバイスを使用すれば、より高速な転送速度を期待できます。ただし、PC側のポートも新しい規格に対応している必要がある点に注意してください。

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