iPhoneやiPadでは、iCloudを使うことで連絡先のデータを別のデバイスに簡単に同期することができます。この機能を使うことで、機種変更を行った際に簡単に連絡先を移行できます。
しかし、連絡先の同期の設定を行っても、別のiPhone/iPadで連絡先が正常に同期できないケースがあります。また、一部の連絡先のみ同期できないケースもあります。
本記事では、iPhone/iPadの連絡先をiCloudを使って移行できない、または同期できない時の対処方法について詳しく紹介します。iCloud以外の方法で移行する方法についても紹介します。
この記事の内容
対処1: iCloudの連絡先の同期をオンにする
iPhone/iPadの連絡先を別のデバイスで同期するには、同期するデバイスでiCloudの連絡先の同期をオンに設定する必要があります。
そのため、移行元のデバイスと移行先のデバイスで、連絡先を同期する設定になっているか確認してください。
iCloudの連絡先の同期をオンにするには、以下の手順で操作します。移行する場合は、移行元のデバイスから先に設定を確認してください。
- iPhone/iPadがインターネットに接続できていることを確認します。
- 接続できていない場合は、Wi-Fiに接続してください。
- 「設定」を開きます。
- 設定画面上部に表示される「サインイン中のApple ID」をタップします。
- 「iCloud」をタップします。
- 「連絡先」のスイッチが「オフ」になっている場合は、タップして「オン」に切り替えます。
- 確認ポップアップが表示された場合は、「結合する」をタップしてください。
連絡先の同期をオンに設定できたら、そのまま数分待つと自動的にiCloudと同期されます。移行元のデバイスを設定できたら、移行先のデバイスも同様の手順で設定してください。
同期する全てのデバイスで連絡先の同期をオンにできたら、連絡先を開いて正常に同期できたことを確認してください。設定を行っても連絡先が同期されない場合は、続けて次の対処方法を行ってください。
対処2: iCloudの連絡先の同期をオフ/オンを切り替える
iCloudの同期に一時的な不具合が発生していることが原因で、連絡先が正常に同期されないケースが考えられます。
そのため、同期できないiPhone/iPadでiCloudの同期を一度オフにしてから、再度オンにすることで問題が解決する可能性があります。
iCloudの連絡先の同期をオフ/オンを切り替えるには、以下の手順で操作してください。
- 同期できないiPhone/iPadで「設定」を開きます。
- 画面上部の「サインイン中のApple ID」をタップします。
- 「iCloud」をタップします。
- 「連絡先」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- 確認ポップアップが表示されたら、「iPhone/iPadに残す」をタップします。
- 数分待ってから、「連絡先」のスイッチを「オン」に切り替えます。
- 確認ポップアップが表示されたら、「結合する」をタップします。
同期できないデバイスでiCloudの同期を再度オンにできたら、数分待って連絡先アプリを起動し正常に同期できたか確認してください。同期を再度オンにしても同期されない場合は、次の対処に進んでください。
対処3: iCloudのストレージ空き容量を確保する
iCloudのストレージ空き容量が少なくなってくることが原因で、連絡先の同期が失敗するケースが考えられます。
そのため、iCloudのストレージに十分な空き容量があるか確認し、不足している場合は不要なデータを削除してください。
iCloudのストレージの空き容量を確認するには、以下の手順で操作します。
- 同期できないiPhone/iPadで「設定」を開きます。
- 画面上部の「サインイン中のApple ID」をタップします。
- 「iCloud」をタップします。
- 「ストレージを管理」をタップします。
- 上部に表示されるストレージのグラフで、iCloudの空き容量を確認します。
- iCloudのストレージの空き容量が不足している場合は、以下のページを参考にしてください。
iCloudの空き容量を確保できたら、iPhone/iPadを再起動して正常に連絡先が同期されるようになったか確認してください。
対処4: インターネットの接続を確認する
iPhone/iPadのインターネット接続に問題が起きていることが原因で、連絡先が正常に同期されないケースが考えられます。
そのため、画面上部のモバイルデータ通信、もしくはWi-Fiの電波が良好か確認してください。
電波状況に問題がある場合は、電波状況の良い場所に移動するか、通信が安定したWiFiに接続してください。
対処5: AppleIDに再サインインする
同期するiPhone/iPadで異なるAppleIDにサインインしていることが原因で、連絡先が同期されないケースが考えられます。
また、同じAppleIDにサインインできている場合でも、サインイン状態に問題が起きていることが原因で、連絡先が同期されないケースも考えられます。
そのため、AppleIDから一度サインアウトしてから、サインインし直すことで問題を解決できる場合があります。AppleIDに再サインインするには、以下の手順で操作してください。
- 同期できないiPhone/iPadで「設定」を開きます。
- 画面上部の「サインイン中のAppleID」をタップします。
- 表示されている「サインイン中のAppleID」が、同期する別のデバイスのAppleIDと同じであることを確認してください。
- 画面下部にある「サインアウト」をタップします。
- iPhone/iPadを探す機能の確認ポップアップが表示されたら、Apple IDのパスワードを入力して「オフにする」をタップします。
- 「データのコピーを残しますか?」と表示されたら、必要なデータのスイッチをオンにして「サインアウト」をタップします。
- 別のデバイスで必要なデータがiCloudに同期できている場合は、すべてのスイッチをオフにして問題ありません。
- サインアウトできたら、「iPhone/iPadにサインイン」をタップし、「正しいApple IDのメールアドレスとパスワード」を入力してサインインします。
以上の手順で、AppleIDに再サインインすることができます。サインインできたら、『対処1: iCloudの連絡先の同期をオンにする』と同じ手順でiCloudの同期をオンに設定してください。
連絡先の同期をオンにできたら、連絡先が正常に同期されるようになったか確認してください。
対処6: デフォルトアカウントをiCloudに変更する
追加した連絡先が別のデバイスで同期されない場合は、連絡先のデフォルトアカウントの設定に問題があることが考えられます。
連絡先アプリでは、デフォルトアカウントに設定したアカウントに新しい連絡先が登録されます。デフォルトアカウントがiCloudになっていないと、登録先が異なるため別のiPhone/iPadで連絡先を確認できない場合があります。
そのため、以下の手順で連絡先のデフォルトアカウントを確認してiCloudに変更してください。
- 「設定」を開きます。
- 「連絡先」をタップします。
- 「デフォルトアカウント」をタップします。
- 複数のアカウントでサインインしていない場合は、デフォルトアカウントの項目は表示されません。
- アカウントの一覧で「iCloud」をタップして変更します。
連絡先のデフォルトアカウントをiCloudに変更できたら、新しく登録した連絡先が別のデバイスで正常に同期できるようになったか確認してください。
対処7: サードパーティアカウントの連絡先を同期する
連絡先アプリには、iCloud以外のサードパーティアカウント(Gmailなど)を複数設定して同期することができます。
そのため、一部の連絡先が別のiPhone/iPadでのみしか表示されない場合は、同期するアカウントが不足しているケースが考えられます。
上記の問題が考えられる場合は、連絡先が表示されるデバイスで、連絡先を同期しているアカウントを調べてください。具体的な手順は以下の通りです。
- 連絡先が表示されるiPhone/iPadで、「連絡先」アプリを起動します。
- または、「電話」アプリを起動して「連絡先」をタップします。
- 左上の「グループ」をタップします。
- アカウントごとのグループの一覧が表示されます。
- 複数のアカウントが表示される場合は、「サードパーティのアカウント名(Gmailなど)のすべて」のみにチェックを入れて「完了」をタップします。
- サードパーティアカウントに登録されている連絡先の一覧が表示されます。同期できない連絡先が含まれているか確認してください。
同期できない連絡先がサードパーティアカウントに登録されていた場合は、同期できないデバイス側で同じサードパーティアカウントを同期設定してください。
連絡先に同期するアカウントを追加するには、以下の手順で操作してください。
- 同期できないiPhone/iPadで、「設定」を開きます。
- 「連絡先」をタップします。
- 「アカウント」をタップします。
- 「アカウントを追加」をタップします。
- 「サードパーティアカウントのサービス名(Gmailなど)」をタップします。
- アカウント情報を入力してログインします。
サードパーティアカウントを追加できたら、数分待って連絡先が正常に同期されたか確認してください。
対処8: ソフトウェアアップデートを実行する
iOSまたはiPadOSのバージョンが古く不具合があることが原因で、連絡先の同期ができないケースが考えられます。
そのため、全てのiPhone/iPadでソフトウェアアップデートを実行して、システムを最新バージョンにアップデートしてください。ソフトウェアアップデートを実行する手順は以下の通りです。
- 「設定」アプリを起動します。
- 「一般」をタップします。
- 「ソフトウェア・アップデート」をタップします。
- 「アップデートが使用可能です」と表示されたら、「ダウンロードしてインストール」をタップします。
- パスコードの入力画面が表示された場合は、iPhone/iPadのパスコードを入力します。
- 「今すぐインストール」をタップします。
全てのiPhone/iPadでソフトウェアアップデートを実行できたら、連絡先が正常に同期されるようになったか確認してください。
対処9: 日付と時刻の設定を確認する
iPhone/iPadの日付と時刻が正しくないことが原因で、連絡先が正常に同期されないケースがあります。
そのため、iPhone/iPadの日付と時刻が自動取得する設定になっているか確認してください。付と時刻の設定を確認するには、以下の手順で操作します。
- 「設定」を開きます。
- 「一般」をタップします。
- 「日付と時刻」をタップします。
- 「自動設定」のスイッチが「オフ」の場合は、タップして「オン」に切り替えます。
対処10: iCloud連絡先の障害情報を確認する
AppleのiCloudサービスに障害は発生していることが原因で、連絡先を同期できないケースが稀に発生します。
そのため、Appleのシステム状況ページで、iCloud連絡先のサービスが正常に稼働しているか確認してください。
「iCloud連絡先」の項目に緑色のマークが付いている場合は、正常にサービスが稼働しています。障害が発生している場合は、障害が回復するまでしばらく待ってください。
対処11: AirDropを使って手動で登録する
iPhone/iPadに搭載されているAirDrop機能を使うことで、連絡先データを他のデバイスに個別で送信することができます。
そのため、一部の連絡先がどうしても同期できない場合は、AirDropを使って手動で登録することを検討してください。ただし、AirDropを使った連絡先の送信は、複数のデータをまとめて送ることはできません。
AirDropを使って連絡先を送信するには、以下の手順で操作します。
- 連絡先の送信側・受信側のデバイスで、AirDropを有効にします。
- AirDropを有効にするには、「設定」→「一般」→「AirDrop」の順にタップし、「すべての人」を選択します。
- 送信側デバイスで「連絡先」アプリを起動して、連絡先の一覧から「送信する連絡先」を探してタップします。
- 「連絡先を送信」をタップします。
- 「AirDrop」をタップして、「受信側デバイス」を選択します。
- 受信側デバイスの画面にメッセージが表示されたら、「受け入れる」をタップします。
- 右上の「完了」をタップして連絡先を保存します。
以上の手順で、AirDropを使って連絡先を別のデバイスに送信することができます。同期されない連絡先が複数あり、送信が手間な場合は次の方法も参考にしてください。
対処12: iTunes(Finder)を使って復元する
iCloudで連絡先が同期できず全ての連絡先を移行したい場合は、iTunes(またはFinder)の復元機能を使う方法もあります。
ただし、この方法は連絡先データのみではなく、移行元デバイス内のデータを消去してほぼ全てのデータを移行します。また、一致するデバイス同士(iPhoneとiPhone、iPadとiPad)でないと復元できない点に注意してください。
iTunes(Finder)を使ってデータの移行をするには、以下の手順で行ってください。
- PCにインストールしたiTunes(Finder)を使って移行元のiPhone/iPadのバックアップを作成します。
- iPhone/iPadのバックアップを作成する手順は、以下のApple公式ページを参考にしてください。
- iPhone/iPadのバックアップを作成する手順は、以下のApple公式ページを参考にしてください。
- バックアップを作成できたら、移行先のiPhone/iPadを初期化します。
- iPhone/iPadを初期化する方法については、以下のページを参考にしてください。
- iPhone/iPadを初期化する方法については、以下のページを参考にしてください。
- 初期化が完了し、「こんにちは」の画面が表示されたら、そのまま言語・地域・キーボード等の初期設定を行います。
- 案内に従って初期設定を進めて、「iPhone/iPadを設定」の画面が表示されたら、「iTunesバックアップから復元」をタップします。
- 移行先のiPhone/iPadとパソコンをLightningケーブルで接続します。
- iTunes(Finder)で「復元」ボタンをクリックするとバックアップされたデータが新しいデバイスに復元されます。
以上の手順で、連絡先を含めた全てのデータを別のiPhone/iPadに復元することができます。連絡先が正常に移行できたことを確認してください。
ありがとうございました。
iPhone10の連絡先がMacに同期できなくて困っていましたが、
「対処7: サードパーティアカウントの連絡先を同期する」を参考に、
Gmailのアカウントを全て削除し、iCloudだけ残した状態にしましたら、
サクサクと同期するようになりました。