Windows10のパソコンが2回以上起動に失敗すると自動修復の機能が実行されます。正常に修復されれば良いですが、場合によっては「自動修復でPCを修復できませんでした。」のエラーメッセージが表示されたり、自動修復の失敗をループしてしまうケースがあります。
今回は、Windows10が自動修復後に起動しない時の対処方法について紹介します。状況によりますが簡単な方法で直ることもあるので、参考にしてみて下さい。
この記事の内容
対処1: セーフブートを試す
通常起動はできなくても、セーフブートであれば起動できる場合があります。
セーフモードの起動方法については、次のページを参考にして下さい。
もしセーフモードで起動できた場合は、次の対処法を行って下さい。セーフモードで起動できない場合は、『対処2: セキュアブートを無効にする』以降の対処方法を参考にして下さい。
1.「自動的に再起動する」のチェックを外す
Windowsでは起動時に異常を検知すると自動で再起動を行いますが、この設定を無効にすることで起動できるようになる場合があります。
- スタートボタンを右クリックし、「システム」を選択します。
- 画面右側を下へスクロールし、「関連設定」の下にある「システム情報」をクリックします。
- 「システム」ウィンドウが開いたら、左のリストにある「システムの詳細設定」をクリックします。
- 「システムのプロパティ」ウィンドウが開きます。「起動と回復」グループの中にある「設定」ボタンをクリックします。
- 「起動と回復」ウィンドウが開いたら「自動的に再起動する」のチェックを外します。
- 設定を変更したらOKをクリックしてウィンドウを閉じます。
ただしこの方法はエラーを無視してパソコンを起動できるようにするだけであり、たとえ起動できるようになってもトラブルの原因そのものが解決されるわけではありません。さらに深刻なトラブルに繋がる可能性もあるので、できれば他の方法も試してエラーの原因を解消するようにしてください。
2.アプリ、ドライバーをアンインストールする
もし最近新しくインストールしたアプリ・ドライバーがあり、それが原因と思われる場合はアンインストールしてみてください。
3.最新のWindowsアップデートをアンインストールする
Windowsアップデートが原因と思われる場合は次の手順で最新のアップデートをアンインストールします。
- スタートボタンを右クリックし、「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 画面右側を下へスクロールし、「更新の履歴を表示する」をクリックします。
- 「更新プログラムをアンインストールする」をクリックします。
- インストール日やアップデートの名前を参考に原因と思われるアップデートを探して選択し、「アンインストール」ボタンをクリックします。
4.システムの復元を行う
不具合が発生する以前の復元ポイントが作成されていれば、問題が発生する以前に作成された復元ポイントを使って修復できる可能性があります。
「システム情報」→「システムの保護」の画面から「システムの復元」を試してみてください。
システムの復元の詳しい手順は次のページで解説しています。
対処2: セキュアブートを無効にする
BIOSのセキュアブートの無効化を試してみてください。
- BIOS画面を開きます。パソコンを起動後、F1、F2、F12、Escなどの特定のキーを押します。BIOSを呼び出すキーはパソコンの機種により異なります。
- BIOS画面が開いたら「セキュリティ」「BOOT」などのタブを確認し、「セキュアブート」の項目があれば無効に変更します。
- 最後に変更を保存し、パソコンを再起動します。
ただし一部のパソコンではセキュアブートを無効にできないことがあります。セキュアブートを無効にできない場合は、『Windows10でセキュアブートが無効にできない時の対処法』を参考にして下さい。
対処3: コマンドプロンプトからシステムファイルを修復する
システムファイルの破損がループの原因の場合、コマンドプロンプトを使って修復ツールを起動することで問題を解決できる場合があります。
- Windows回復環境を起動します。
- 回復環境の起動方法については『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法』の手順を参考にしてください。
- 回復環境が起動したら、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」の順にクリックして進みます。
- コマンドプロンプトが起動したら、まず次のコマンドを入力します。入力したらエンターキーを押します。
diskpart
- 続いて次のコマンドを入力してエンターキーを押します。このコマンドを入力するとドライブ情報が表示されます。
list volume
- ドライブ情報が表示されたら、表示の内容を参考にWindowsがインストールされているドライブのドライブレターを確認します。多くの場合、Sizeが最も大きいドライブがWindowsのインストールされているドライブで、「C」または「D」であることが多いです。
- 確認したら次のコマンドを入力してDiskpartツールを終了します。
exit
- 次に、先ほど確認したドライブレターを入力し、後ろにコロンを付けてエンターキーを押します。(次のCの部分を変更してください。)
cd c:
- 次のコマンドを入力してエンターキーを押します。このコマンドはディレクトリ移動を行うだけのため、入力しても特にシステムファイルに影響はありません。
cd \windows\system32\config
- バックアップを作成します。次のコマンドを入力します。
md Backup
- こちらもバックアップを作成するコマンドです。続けて入力してください。
Copy *.* Backup
- ここからはファイルの修復を行います。まず、次のコマンドを入力してディレクトリ移動を行います。
cd regback
- 次のコマンドを入力してファイルの修復を開始します。
copy *.* ..
- コマンド入力後、上書きの確認が表示されたらaと入力し、エンターキーを押します。
- 最後にコマンドプロンプトを閉じ、パソコンを再起動します。
上記の手順でシステムファイルを修復できない場合は、次のページも併せて参考にしてください。
対処4: Windows10をクリーンインストールする
上記の対処法を試しても改善しない場合はWindows10をクリーンインストールしてみてください。
クリーンインストールを行う詳しい手順については次のリンクからMicrosoftのサポート情報をご確認ください。
対処5: ハードディスクやマザーボードなどに異常がないか確認する
WIndowsのクリーンインストールを行っても解決しない場合は、ハードディスクやマザーボードなどのパーツに物理的な問題が発生している可能性があります。
ハードディスクの診断や、異常があると思われるパーツ(主にハードディスク)の交換を行ってみてください。
分解が難しいタイプのパソコンの場合は、パソコンの診断サービスやメーカー修理を利用してください。