Word 2016/2019を利用してドキュメントを作成し、PDFに変換すると配布する際に便利です。
しかし、いざ作成したドキュメントをPDFにエクスポートしようとすると「原因不明のエラーが発生したため、エクスポートできませんでした。」というエラーが発生し、エクスポートできない場合があります。
今回は、Word 2016/2019でPDFにエクスポートできない時の原因と対処法を紹介します。もし、PDFエクスポート時にエラーが発生して困っている場合は参考にしてください。
この記事の内容
おさらい:WordでPDFにエクスポートする方法
Word2016/2019で文章をPDF形式でエクスポートする手順は次の通りです。
- 「名前を付けて保存」を選択します。
- ファイルの種類から「.pdf」を選択します。
- 「保存」をクリックします。
Wordでは、上記のとおり通常の保存と同じシンプルな手順でPDFを作成できます。
WordファイルをPDFにエクスポートする際に「Adobe Acrobat DC」を利用するとエラーが発生しやすいようです。
文書に使われているフォントがエラーを引き起こしたり、原因不明のエラーが発生したりと予想外のところでトラブルを引き起こすことがあります。
そのため、一度Wordの基本機能を利用してPDFにエクスポートすることをオススメします。
WordでPDFに変換できない時によくある原因
Word 2016/2019でPDFにエクスポートできない場合に考えられる原因は、次の通りです。
- Wordのアプリケーションに何らかのトラブル・不具合が発生している
- PDF変換ソフトを利用している場合は変換ソフトに問題がある
- 使用しているフォントに問題がある
中には原因不明のこともあるので、なかなか解決できない場合もあるでしょう。
Word 2016/2019でPDFにエクスポートできない場合の対処法はいくつか存在しています。
対処法1: 使用しているフォントを変更してみる
文章に使用しているフォントが特殊な場合、PDF変換時に原因不明のエラーが発生するケースがあるようです。
ダウンロードしたフォントを利用している場合は、Windowsの標準であるメイリオ、MSPゴシック、明朝などにフォントを戻してから印刷できないか試してみて下さい。
対処法2: PCを再起動する
Word自体にエラーが発生している場合やWindowsに一時的な不具合がある場合は、再起動で解決することがあります。
そのため、PCの再起動を試してみてください。PCが再起動できたらWordでPDFに変換できないか確認してください。
PCを再起動すると解決しても、シャットダウンするとPDFに変換できないトラブルが再発する場合は、高速スタートアップが原因として考えられます。
上記の場合は、高速スタートアップを無効に設定してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「電源オプション」をクリックします。
- 右ペインで関連設定の「電源の追加設定」をクリックします。
- 「電源ボタンの動作の選択」をクリックします。
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外します。
- 「変更の保存」をクリックします。
高速スタートアップを無効に設定してから再起動することで、エラーが発生しにくくなります。
対処法3: 別の変換方法を試す
根本的な対処ではありませんが、エラーを回避できる確実な方法はWordをPDFでエクスポートできる別の方法を使ってみることです。
Wordの標準機能以外にも、PDFをエクスポートする方法はあります。別の方法では問題なくエクスポートできることがあるので、試してみてください。
方法1: 仮想プリンターを使う
Windows10には、PDFに印刷できる仮想プリンター「Microsoft Print to PDF」が標準でインストールされています。
この仮想プリンターを使うことで、Word文章をPDF形式に変換することができます。エラーに悩まされたくない場合はこちらの方法がオススメです。
Microsoft Print to PDFを使ったPDFへの保存方法は次の通りです。
- PDFにしたいWordファイルを開いて「ファイル」をクリックします。
- 左メニューで「印刷」をクリックします。
- プリンターをクリックして「Microsoft Print to PDF」を選択します。
- 「印刷」をクリックします。
- 「印刷結果を名前をつけて保存」のダイアログが出るので、[保存先]と[ファイル名]を指定して「保存」をクリックします。
以上で、バックグラウンドでWord文章がPDFに変換されます。しばらく待つとPDFに保存されます。
方法2: Googleドキュメントを利用する
「Googleドキュメント」は、Googleが提供するオンライン文書作成アプリで、PDFにエクスポートする機能が搭載されています。
そのため、Wordで作成した文書をGoogleドライブ上にアップするか、Googleドキュメントにコピペすることで、PDFにエクスポートできます。
WordファイルをPDFでエクスポートの手順は次の通りです。
- GoogleドライブにWordファイルをアップロードします。
- もしくは、新規のGoogleドキュメントにWordの文書をコピーします。
- Googleドキュメントのファイルを開きます。
- メニューの「ファイル」→「ダウンロード」をクリックします。
- 「PDF(.pdf)」をクリックするとPDFの形式でファイルのダウンロードが始まります。
以上の操作でPDFがダウンロードされるので、PDFとして開けるか確認して下さい。
Google DocsはWordのファイルにエクスポートすることもできるので、WordファイルとPDFの両方が必要な場合にも便利です。
方法3: サードパーティ製のPDF変換ツールを利用する
Wordの機能を利用してもエクスポートできない場合は、サードパーティ製の変換ツールの利用するのも一つの手です。
シェアウェアが多いですが、フリーソフトで変換できるソフトもあります。
サードパーティ製のツールを利用したら問題なく変換できることも多いので、試してみる価値があるでしょう。
方法4: PDF変換サイトを利用する
オンラインでWordファイルをPDFにエクスポートしてくれるサイトが存在しています。
ファイルを変換サイトにドラッグ&ドロップするだけでエクスポートしてくれるサイトもあります。(*ただし、広告や有料プランへの勧誘等があるので注意して下さい。)
Smallpdf
とりあえず特定のファイルをPDFにできればいい、という場合はこちらの方法を使ってみてください。
対処法4: Wordの修復・アンインストールをする
Wordを含むMicrosoft Officeのアプリには、アプリケーションの不具合を解消するための修復機能があります。
根本的にPDFへの変換トラブルを解消するには、一度Wordアプリケーションの修復を行なってみることをおすすめします。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で「Microsoft Office (エディション名)」を選択して「変更」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御が出た場合は「はい」をクリックします。
- 「オンライン修復」のオプションを選択して「修復」をクリックします。
- ウィザードにしたがって修復を完了します。
アプリケーションの修復を試しても解決しない場合は、Wordの再インストールを試してください。
対処法5: 別のWindowsアカウントを作成する
Wordの修復、アプリケーションの再インストールを試してもPDFの変換でエラーが出る場合は、Microsoftアカウントに紐付いたプロファイル(設定情報)に問題があることが考えられます。
そのため、Windowsのアカウントを新規で作成することで、PDFの変換エラーが解消する場合があるようです。
Windowsでユーザーアカウントを新しく作成する方法については次のページを参考にして下さい。