Windows10を搭載したデスクトップパソコンやノートパソコンを使っていると、突然電源が勝手に落ちるという現象が発生することがあります。
作業中に電源が切れるとデータが失われる危険があるため、頻繁に発生する場合は原因を解決しないとPCの使用に支障が出ます。
この記事では、Windows10のPCで電源が突然落ちるときに考えられる原因と対処法について紹介します。作業中に突然電源が落ちて困っている方は、参考にしてみてください。
この記事の内容
- Window10 PCの電源が突然落ちる原因
- 対処1: イベントビューアを確認する
- 対処2: ファンを掃除する
- 対処3: プロセッサの電源オプションを変更する
- 対処4: PCのバッテリーを交換する
- 対処5: 接続しているUSBデバイスを全て取り外す
- 対処6: 高速スタートアップを無効にする
- 対処7: ハイブリッドスリープをオフにする
- 対処8: 問題のあるソフトウェアをアンインストールする
- 対処9: オーバークロックを定格で動作させる
- 対処10: Windowsを最新の状態にする
- 対処11: UPS(無停電電源装置)を取り外す
- 対処12: ディスクのエラーを修復する
- 対処13: システムファイルに問題がないか確認する
- 対処14: BIOSを更新する
- 対処15: 電源ユニットを交換する
- 対処16: ハードウェアを交換する
Window10 PCの電源が突然落ちる原因
PCの電源が突然落ちる原因としては、主に次のことが考えられます。
- CPU、グラフィックボードの熱暴走
- デバイスドライバーの不具合
- 原因不明のシステムダウン
- 電源ユニットの容量不足や故障
- インストールしているソフトウェアのバグや不具合
- バッテリー(ノートPCの場合)、UPSの劣化や故障
- ハードディスクのエラー
- BIOSの不具合
- Windowsのシステムファイルの破損
- ハードウェアの故障
電源が落ちるトラブルは、原因の範囲が広く判断が難しい場合があるため、これから紹介する対処法を1つずつ試すことをおすすめします。
対処1: イベントビューアを確認する
電源が突然落ちるという現象が発生した場合は、最初にイベントビューアを確認することをおすすめします。
Windows10でイベントビューアをチェックする方法は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「イベントビューアー」を選択します。
- 「Windowsログ」のツリーを展開して「システム」をクリックします。
- 「レベル」の欄をチェックして「重大」になっているものがないかを確認します。
- 「重大」になっている箇所を見つけたら内容を確認します。
イベントビューアをチェックした結果、特定のデバイスがエラーの原因になってと判断できる場合があります。
USBデバイスやGPUなど、異常があるデバイスを特定できた場合は、そのデバイスを交換することで解決できる可能性があります。
対処2: ファンを掃除する
PC内のケースファン、CPUのファン、グラフィックボードのファンにホコリが溜まってPC内の温度が高まると、電源が突然落ちるケースがあります。
特にファンの音が異常にうるさい場合は、ファンにホコリが溜まっていることが考えられるため、一度PC内のファンを掃除することをおすすめします。
- 『Core Temp』などのフリーソフトをダウンロードしてCPUの温度を確認しておきます。
- グラフィックボードを搭載している場合は、『GPU-Z』などのフリーソフトでGPUの温度を確認できます。
- CPUの温度が高すぎる場合は、PCをシャットダウンして電源類のケーブルを取り外します。
- CPUの温度は、80℃以上が目安です。
- PCケースのフタを開けて、ファンにホコリが溜まっていないか確認します。
- 複数のファンはある場合は、すべてのファンの状態を確認して下さい。
- ファンにホコリがついている場合は、エアダスターなどで清掃します。
- 電源を取り付けて再度PCを起動して、CPUの温度を調べます。
古いPCの場合は、ファンの掃除だけでなくCPUグリスの塗り直しを行うとCPUの冷却効率が上がる可能性があります。
対処3: プロセッサの電源オプションを変更する
CPUの温度が問題になっている場合は、CPUのパフォーマンス設定を下げることで、電源が落ちる問題を解決できる可能性があります。
CPUのパフォーマンスを抑えることで、発熱も抑えることができます。ただし、CPUのパフォーマンスを下げると、PCの動作が若干遅くなる点に注意して下さい。
CPUのパフォーマンス設定は次の手順で変更することができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「電源オプション」を選択します。
- 関連設定の「電源の追加設定」をクリックします。
- 現在の電源プランの「プラン設定の変更」をクリックします。
- 「詳細な電源設定の変更」をクリックします。
- 「現在利用できない設定の変更」をクリックします。
- 「プロセッサの電源管理」のツリーを展開します。
- 「最小のプロセッサの状態」と「最大のプロセッサの状態」のツリーをそれぞれ展開して次の設定に変更します。
- 「バッテリ駆動」: 80%
- 「電源に接続」: 80%
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
以上で、CPUのパフォーマンスを80%に下げて発熱を抑えることができます。PCの電源が落ちる問題が解決しないか確認して下さい。
PCの電源が落ちる問題が解決しない場合は、設定を元に戻して下さい。
対処4: PCのバッテリーを交換する
ノートPCを利用している場合は、バッテリーの劣化や故障によって電源が突然切れることがあります。
バッテリーが故障していると、十分な充電できず、電源プラグを抜いた瞬間に電源が落ちるケースがあります。
そのため、古いバッテリーを使用している場合は、新しいバッテリーに交換することで問題が解決する可能性があります。
新品のバッテリーは、メーカーページで交換用バッテリーが販売されているケースが多いです。
もし、交換用バッテリーが見つからない場合は、メーカーに問い合わせて交換を依頼しましょう。
適合するバッテリーの型番や交換方法についてはPCごとに異なるため、PCのマニュアルを参考にしてください。
対処5: 接続しているUSBデバイスを全て取り外す
PCに接続しているUSBデバイスが原因で、電源が突然落ちてしまうケースがあります。
そのため、PCに接続しているUSBデバイスを全て外してから動作を確認してみて下さい。
- キーボードとマウス以外のUSBデバイスを全て取り外します。
- PCを再起動します。
- この状態で突然電源が落ちないか、しばらく様子を見て下さい。
- 電源が落ちない場合は、USBデバイスを1つずつ接続し、その都度時間を置いて動作状況を確認して下さい。
特定のデバイスを接続してから電源が落ちるようになった場合は、そのデバイスの故障や不具合が考えられます。この場合は当該デバイスの交換を検討してください。
対処6: 高速スタートアップを無効にする
高速スタートアップが有効になっていると、電源関連にトラブルが起きて電源が勝手に落ちるケースがあります。
そのため、高速スタートアップの設定を確認して有効になっている場合は、無効に変更して下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「電源オプション」を選択します。
- 関連設定の「電源の追加設定」をクリックします。
- 左ペインで「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックします。
- 「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外します。
- 「変更を保存」をクリックします。
以上で、高速スタートアップを無効にできます。PCを再起動して電源が落ちる問題が解決したか確認して下さい。
対処7: ハイブリッドスリープをオフにする
Windowsには、PCがスリープ状態で一定時間経つと自動で休止状態にするハイブリッドスリープという機能があります。
スリープ状態で勝手に電源が落ちているように見える場合は、ハイブリッドスリープ機能によってPCが休止状態になっていることが考えられます。
PCが休止状態になることが問題の場合は、ハイブリッドスリープ機能を無効にしてください。ハイブリッドスリープ機能を無効にする方法は、次のページを参考にして下さい。
対処8: 問題のあるソフトウェアをアンインストールする
PCにインストールされているソフトウェアにバグや不具合があり、それが電源が落ちる原因になっていることも考えられるでしょう。
頻繁に電源が落ちる場合は、スタートアップに登録されているソフトウェアが影響しているケースも考えられるため、クリーンブートの起動で原因を切り分けてみて下さい。
クリーンブートの手順については、次のページを確認してください。
クリーンブートで起動したら、順番にソフトウェアのチェックを行います。問題があるソフトウェアを特定できたら、アンインストールを検討してください。
対処9: オーバークロックを定格で動作させる
CPUやRAM・GPUなどをオーバークロックしている場合、動作が不安定になって電源が落ちることがあります。
特にCPUの温度が高すぎると、CPUの破損を防ぐために自動的にPCをシャットダウンを行う機能が搭載されています。
そのため、オーバークロックしている場合は一度クロックを定格に戻して動作チェックを行いましょう。
定格で動作しているときに電源が落ちない場合は、オーバークロックが原因であると判断できます。再びオーバークロックを行うときは、動作状況を確認してクロックを設定しましょう。
対処10: Windowsを最新の状態にする
PCのデバイスドライバーに問題があると、電源が突然落ちる原因になります。
デバイスドライバーは、WindowsUpdateによって問題が修復された最新のドライバーに更新されます。
そのため、WindowsUpdateを確認して、保留中の更新がある場合は、アップデートを実行して下さい。
対処11: UPS(無停電電源装置)を取り外す
PCに接続しているUPSに問題があり、電源が突然落ちてしまうケースがあります。
UPS経由でPCに電源を供給している場合は、一度UPSを取り外して、PCを直接コンセントに繋いだ状態で電源が突然落ちないか確認して下さい。
コンセント経由で電源が落ちない場合は、UPSに不具合や故障などの問題が起きていることが考えられます。UPSが必要な場合は、交換を検討して下さい。
対処12: ディスクのエラーを修復する
PCのハードディスクに問題があると、PCの電源が突然落ちるケースがあります。
そのため、チェックディスクを実行してハードディスクのエラーの修復を試してみて下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- 次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
CHKDSK /r
- プロセスの実行が完了したらPowerShellのウィンドウを閉じてPCを再起動します。
PCが再起動できたら、電源が落ちる問題が改善していないか確認して下さい。
対処13: システムファイルに問題がないか確認する
Windowsのシステムファイルに破損などの問題が起きており、突然電源が落ちてしまうケースがあります。
Windowsのシステムファイルに問題があるかを判断するには、次の手順で確認して下さい。
- PCを再起動して、起動画面でファンクションキーを押してBIOS/UEFIの設定を開きます。
- BIOS/UEFIの設定を開くファンクションキーはメーカーによって異なります。マニュアルページを確認して下さい。
- BIOS/UEFIの設定画面が表示できたら、そのままPCの電源が落ちないかを確認します。
BIOS/UEFIの設定画面で電源が落ちない場合は、Windowsのシステムファイルに問題があることが考えられます。
そのため、次のページを参考にWindowsのシステムファイルを修復できないか試してください。
システムファイルの修復ができない場合や異常が見つからなかった場合は、原因不明のエラーが起きていることが考えられます。
そのため、Windowsの初期化を検討してください。Windowsの初期化を行う場合は、ファイルのバックアップを取ってから行うことをおすすめします。
BIOS/UEFIの設定画面でも電源が落ちる場合は、BIOSかハードウェアに問題があることが考えられます。以降の対処法を確認して下さい。
対処14: BIOSを更新する
PCのBIOSに不具合があり、PCの電源が突然落ちるケースが考えられます。
BIOSの不具合は、メーカーによって改修されたバージョンが随時提供されます。
そのため、BIOSのアップデートを行っていない場合は、最新バージョンが提供されていないか確認してアップデートを試し下さい。
BIOSのアップデート方法については、マザーボードによって異なるため、メーカーページを確認して下さい。
対処15: 電源ユニットを交換する
電源ユニットの容量が不足している場合、PCに高い負荷がかかって消費電力が増えたときに電源が落ちることがあります。
特にパーツを交換したり、ハードウェアを増設してから電源が落ちるようになった場合は、電源ユニットの容量不足が考えられます。
CPUやGPU、その他のハードウェアの消費電力を調べ、電源ユニットの容量が不足していることが分かった場合は電源ユニットの交換を行って下さい。
電源ユニットを交換する手順は以下の通りです。消費電力を計算して十分な余裕がある電源ユニットを選んで交換してください。
- PCの電源を切り、プラグをコンセントから抜きます。
- PCケースのフタを開けます。
- 電源ユニットから出ているケーブルをたどり、ハードウェアからケーブルを抜きます。
- 電源ユニットを取り外します。
- 交換用の電源ユニットをPCケースに取り付けます。
- 電源ユニットから出ているケーブルをそれぞれのハードウェアの端子に接続します。
- 正常に接続していることを確認したらPCケースのフタを閉めます。
- 電源プラグをコンセントに挿して電源を投入します。
ケーブルを接続する端子の位置がマザーボードによって異なるため、どの端子にどのケーブルを接続すればいいのかわからない場合は、電源ユニットやマザーボードのマニュアルで確認してください。
対処16: ハードウェアを交換する
ここまでの手順で改善されない場合は、CPUやグラフィックボード、メモリ、ハードディスク、マザーボード、クーラーなどのハードウェアの物理的な故障が考えられます。
グラフィックボードやメモリ、ハードディスクは比較的簡単に交換ができるため、可能であればパーツを交換して電源が落ちる問題が解決しないか確認して下さい。
ノートパソコンの場合や、その他のパーツが原因の場合は、自分で交換することは難しいため、修理を依頼するかPCの買い替えを検討して下さい。