スマホやタブレットからWindows10のパソコンへファイルを転送しようとすると、「システムに接続されたデバイスが機能していません」というエラーが表示され、ファイルの転送に失敗してしまうことがあります。
iPhoneやiPad、Androidスマートフォンに限らず、SDカードやUSBメモリ等のストレージデバイスでも同じエラーが起きることが確認されています。
本記事では、Windows10で「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーが起きる原因と解決方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
デバイスが機能しないエラーの原因
「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーは、デバイスからWindowsのパソコンへのファイルの転送に失敗したり、デバイスのファイルへのアクセスに失敗した時に発生します。
デバイスのファイル転送やファイルアクセスが失敗する原因としては、主に次のことが考えられます。
- システムに一時的な問題が起きている
- USBポート、ケーブルの接続に問題がある
- ファイルの変換エラーが発生して転送が失敗している(iPhone/iPadの場合)
- デバイスドライバーに問題が起きている
- デバイスがフォーマットできていない(USBメモリ/SDカードの場合)
一時的なシステムの不調やケーブルの接触不良が原因であることも多いため、状況によっては再起動やケーブルの挿し直し等の簡単な方法であっさり解決できる場合も多いです。
iPhoneやiPadでエラーが発生する場合は、ファイルの変換エラーが原因で転送に失敗しているケースが多いです。
詳しい対処方法について順に紹介していくので、エラーが解決できないか確認してみてください。
対処1: パソコンとデバイスを再起動する
Windowsのパソコン、もしくは接続したデバイスのシステムに一時的な問題が起きていることが原因で、「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、デバイスを取り外してからパソコンの再起動を試してみてください。また、接続デバイスがスマホやタブレットであれば、デバイス側の再起動も行なってください。
パソコンと接続デバイスを再起動できたら、再度接続してファイルの転送ができないか試してみてください。
対処2: デバイスを再接続する
パソコンとデバイスを再起動しても「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーが解決しない場合は、接続しているUSBポートや接続ケーブルに問題があることが考えられます。
そのため、デバイスをパソコンから取り外して再度接続してみてください。デバイスを再接続する際は、以下の項目について確認することでポートやケーブルの問題を判断できます。
- 確認1: パソコンに複数の接続ポートがある場合は、別のポートに接続する
- ポートの規格がUSB3.0の場合、接続に問題が起きてエラーが発生するケースがあります。そのため、パソコンの別のUSB2.0のポート(差込口に青色の印がないポート)に接続してみてください。
- 確認2: 可能であれば他のケーブルを使って接続する
- ケーブルの断線や相性の問題でエラーが発生しているケースがあります。
- iPhoneやiPadを接続する時は純正のLightningケーブルを使用してみてください。
- 確認3: USBハブ等を使用せずパソコン本体のUSBポートに直接接続する
- USBハブ経由で接続すると電源供給に問題が起きて、正常にファイル転送ができないケースがあります。
- 確認4: 使用していない他のUSBデバイスをパソコンから取り外す
- パソコンに接続されている他のデバイスが原因でエラーが発生することがあります。
再接続によってエラーが解決した場合は、問題のあったUSBポートやケーブル、外部デバイスを転送時に使用しないようにしてください。再接続を試してもエラーが解決しない場合は、他の原因が考えられるため次の対処方法に進んでください。
対処3: 元のフォーマットのままファイルを転送する(iPhone/iPadの場合)
iPhoneまたはiPadでは画像/動画形式にHEIF(HEIC)/HEVCが採用されており、Windowsのパソコンに転送する時に自動的にJPEG/H.264形式に変換されます。
しかし、上記のファイルの変換処理に問題が起きて、「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーが発生することがあります。
そのため、iPhoneまたはiPadで画像・動画の転送オプションを「元のフォーマットのまま」に変更することで問題が解決する可能性があります。オプションを変更するには、iPhone/iPadを次の手順で操作してください。
- ホーム画面を表示して「設定」を開きます。
- 「写真」をタップします。
- 画面を下までスクロールし、「MacまたはPCに転送」の設定を「元のフォーマットのまま」に変更します。
- 「元のフォーマットのまま」を有効にすると、写真は「HEIF(HEIC)」、動画は「HEVC」形式でパソコンに転送されるようになります。
iPhone/iPadの転送オプションを変更できたら、パソコンに再度接続してファイルの転送ができるか確認してください。
ただし、転送したファイルはWindowsの環境によって開けない場合があります。ファイルを開けない場合は、拡張機能や対応プレイヤーをインストールしてください。
- 写真(HEIF形式)
- 最新版のWindows10であればデフォルトで開くことができます。開けない場合は『Windows10のPCでiOSのHEICファイルが開けない時の対処【JPGに変換も】』の記事を参考にしてください。
- 動画(HEVC形式)
- Windows10でHEVC形式を開くには拡張機能もしくは対応プレイヤーをインストールする必要があります。
- 『HEVC ビデオ拡張機能』 *有料の拡張機能
- 『VLC Media Player』 *無料の再生プレイヤー
- Windows10でHEVC形式を開くには拡張機能もしくは対応プレイヤーをインストールする必要があります。
対処4: デバイスドライバーを再インストールする
デバイスの接続に使用するデバイスドライバーに不具合や接続の問題が起きていることが原因で、「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーが発生することがあります。
そのため、デバイスドライバーを再インストールすることで問題が解決する可能性があります。
デバイスドライバーを再インストールするには、Windowsのパソコンで次の手順で操作してください。
- パソコンにデバイス(スマホ、USBメモリ、SDカード等)を接続します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーウィンドウが開きます。ツリーをダブルクリックで展開し、目的の「デバイスドライバー名」を探します。
- 場所はデバイスの種類により異なります。iPhoneやAndroidの場合は「ポータブルデバイス」、USBメモリやSDカードの場合は「ディスクドライブ」のツリー内を確認してください。
- 「デバイスドライバー名」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
- 確認ダイアログが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- アンインストールが完了したらデバイスマネージャーを閉じて、パソコンを再起動します。
- 再起動が完了すると、自動的に最新のドライバーが再インストールされます。
- ドライバーが自動でインストールされない場合は、デバイスを再接続してください。
デバイスドライバーの再インストールが完了したら、再度ファイルを転送できないか確認してみてください。
対処5: 位置情報とプライバシーをリセットする
iPhone/iPadをパソコンに接続する場合は、接続時に「このコンピュータを信頼しますか?」の確認メッセージが表示されます。
上記の確認メッセージで「信頼しない」を選択していることが原因で、「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーが発生しているケースが考えられます。
そのため、一度iOSの位置情報とプライバシー情報をリセットしてから、再度接続を試してみてください。位置情報とプライバシー情報をリセットするには、iPhone/iPadを次の手順で操作します。
- ホーム画面を表示して「設定」を開きます。
- 「一般」をタップします。
- 「リセット」をタップします。
- 「位置情報とプライバシーをリセット」をタップします。
- パスコードを入力してリセットを行います。
位置情報とプライバシー情報をリセットすると、信頼できるデバイスの情報が全て削除されます。リセットができたら、再度iPhone/iPadをパソコンに接続して「信頼」を選択し、ファイルの転送を試してみてください。
対処6: 空き容量を増やす
転送元のデバイスの空き容量が不足していることが原因で、ファイルの転送時に「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーが発生することがあります。
そのため、転送元のデバイスの空き容量が不足していないか確認してください。空き容量が少ない場合は、不要なデータを削除して空き容量を確保した状態で、再度ファイルの転送を試してください。
対処7: デバイスをフォーマットする(SDカード/USBメモリの場合)
SDカードやUSBメモリで「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーが出る場合、デバイスのフォーマットが正しく行われていないことが原因として考えられます。
そのため、SDカードやUSBメモリを再度フォーマットしてエラーが解決しないか確認してみてください。
SDカード、もしくはUSBメモリをフォーマットするには次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を選択します。
- エクスプローラーウィンドウ左側のリストにある「PC」をクリックします。
- 画面右側で「デバイスとドライブ」の中から「フォーマットしたいデバイス(SDカードやUSBメモリ)」を右クリックして「フォーマット」を選択します。
- フォーマットの設定画面が表示されます。必要に応じて設定を変更して「開始」をクリックします。
- 単純にフォーマットするだけの場合は特に設定を変更する必要はありません。
- フォーマットが実行されます。完了するまで待ちます。
デバイスのフォーマットが完了したら、ファイルの転送が正常にできるようになったか確認してください。
対処8: システムをアップデートする
Windowsのシステムやドライバーに不具合があり、特定のデバイスで「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーが出るケースが考えられます。
そのため、Windows Updateを確認して、システムが更新できる場合は最新版にアップデートしてください。Windows Updateを実行するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- Windowsが最新の状態になったことを確認します。
- 「再起動」や「ダウンロード」のボタンが表示されている場合は、クリックして更新プログラムを適用してください。
Windowsが最新の状態にアップデートできたら、再度デバイスを接続してエラーが解決したか確認してください。
接続デバイスがスマホやタブレットの場合は、同様にシステムアップデートを実行して最新の状態にしておくことをおすすめします。
対処9: ファイルのコピー先を変更する
ファイルの転送先のパソコン側のフォルダに問題があることが原因で、「システムに接続されたデバイスが機能していません」のエラーが出るケースが考えられます。
特に他のドライブやネットワーク上の共有フォルダに転送を行なっている場合に、転送エラーが発生することがあります。
そのため、ファイルの転送先をデスクトップなどのローカルのフォルダに変更して、エラーが解決しないか確認してみてください。
ローカルフォルダに正常に転送できたら、目的のドライブやフォルダに移動してください。