ノートパソコンのタッチパッド(トラックパッド)を使用していると、カーソルは動かせるのにクリックが効かないケースがあります。
カーソルが移動できる場合はタッチパッド自体は動作している状態のため、タッチパッドの設定を変更することでクリックの問題が解決できる場合が多いです。
本記事では、Windows10のPCでタッチパッドによるクリックができない時の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: タップ時のクリック機能を有効にする
タッチパッドの設定変更時にタップ時のクリック機能を誤って無効化しているケースが考えられます。
そのため、タッチパッドの設定を開いて、タップ時のクリック機能を有効に変更してください。タッチパッドのクリック機能を有効にする手順は、以下の通りです。
- 「Windowsマーク」をクリックし、「設定」を開きます。
- 設定ウィンドウが開いたら「デバイス」をクリックします。
- 左ペインの「タッチパッド」をクリックします。
- 右ペインで、「タッチパッド」のスイッチが「オン」になっていることを確認して、以下の項目にチェックを入れます。
- 「マウスの接続時にタッチパッドをオフにしない」
- 「シングルクリックするには1本の指でタップします」
項目が見つからない場合は、この手順をスキップしてください。
- 左ペインの「マウス」をクリックします。
- 右ペインで関連設定の「その他のマウスオプション」をクリックします。
- マウスのプロパティウィンドウが表示されたら、「デバイス設定」タブを開きます。
- 機種によっては「タッチパッドの設定」「拡張」等のタブ名で表示されることもあります。
- タッチパッドのプロパティ画面が表示されたら、「設定」ボタンをクリックして詳細設定画面を開きます。
- 「タップを有効にする」または「タップしてクリック」のチェックボックスを「オン」にします。
- パソコンの機種によって設定項目が異なる場合があります。設定項目が不明な場合はマニュアルやヘルプページを参考にしてください。
- 既にオンになっている場合は、一旦チェックを外してから再度「オン」にすることで問題が解消するケースがあります。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
以上の手順で、タッチパッドのタップ時のクリック機能を有効にすることができます。設定を変更できたら、タッチパッドをタップしてクリックできるようになったか確認してください。
対処2: タッチパッドドライバーを再インストールする
タッチパッドのドライバーに問題が起きていることが原因で、タップによるクリックが正常に動作しなくなることがあります。
そのため、タッチパッドドライバーを1度アンインストールしてから、最新のドライバーを再インストールしてみてください。タッチパッドドライバーを再インストールする手順は、以下の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーが開いたら、「マウスとそのほかのポインティングデバイス」のツリーをダブルクリックして展開します。
- ツリー内の「タッチパッドドライバー名」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
- タッチパッドのドライバーは、名前に「Touchpad」や「Synaptics」という文字が含まれていることが多いです。
- 確認画面が表示されたら、「アンインストール」をクリックして実行してください。
- アンインストールが完了したら、メーカー公式の製品ページにアクセスして最新のタッチパッドドライバーをダウンロードします。
- 製品ページが不明な場合は、インターネットで「(パソコンの製品名) ドライバー ダウンロード」と検索すれば該当ページが見つかるはずです。
- 最新のタッチパッドドライバーが見つからない場合は、そのままPCを再起動してください。再起動が完了すると自動でドライバーが再インストールされます。
- ダウンロードしたドライバーファイルを実行して、案内に従ってインストールを完了します。
- PCを再起動します。
以上の手順で、タッチパッドドライバーを再インストールすることができます。再インストールができたら、タッチパッドをタップしてクリックが機能するか確認してください。
対処3: セーフモードでパソコンを起動する
マウスやタッチパッドの動作に影響のあるアプリケーションがインストールされていることが原因で、タッチパッドのクリックが正常に機能しないケースがあります。
また、PCの機種によってはタッチパッド用の設定アプリが標準でインストールされており、これが原因で想定しない動作をすることがあります。
そのため、パソコンをセーフモードで起動して原因の切り分けを行ってみてください。セーフモードで起動する方法については、以下のページを併せて参考にしてください。
セーフモードの状態で、タッチパッドのクリックが正常に動作する場合は、インストールしているアプリケーションに問題があると判断できます。
原因として疑われるアプリケーションがある場合は、機能を停止するか、アンインストールを行ってください。
セーフモードで起動してもクリックできない場合は、PCを再起動して他の対処法を試してください。
対処4: タッチパッドのトラブルシューティングツールを実行する
ハードウェアとデバイスのトラブルシューティングツールを実行することで、タッチパッドのクリックの問題が解決する場合があります。
ハードウェアとデバイスのトラブルシューティングツールを実行するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
msdt.exe -id DeviceDiagnostic
- トラブルシューティングツールが起動したら、「次へ」をクリックします。
- 修正を提案された場合は、案内に従って設定を修正してください。。
- トラブルシューティングツールの実行が完了したら「閉じる」をクリックします。
トラブルシューティングツールによってタッチパッドの問題が修正できたら、クリックが正常に機能するようになったか確認してください。
対処5: レジストリキーの値を修正する
Synaptics社製のタッチパッドを使用している場合は、アップグレード時にユーザー設定を削除するオプションを無効化することで、タップによるクリックが正常に動作するケースがあります。
上記のオプションを無効化するには、レジストリの値を編集する必要があります。レジストリを編集する際は念の為バックアップを作成することをおすすめします。
レジストリを編集して、アップグレード時にユーザー設定を削除するオプションを無効化するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 名前入力欄に「regedit」と入力し、「OK」をクリックします。
- レジストリエディターが起動したら、左ペインのツリーを以下の順に展開します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Synaptics\SynTP\Install\
- 上記のキーが見つからない場合は、レジストリの編集は不要です。別の対処方法を試してください。
- 「Install」キーを右クリックして「エクスポート」を選択し、レジストリのバックアップを保存しておきます。
- 「Install」キーを選択した状態で、右ペインで「DeleteUserSettingsOnUpgrade」の値をダブルクリックします。
- 「DWORD(32ビット)値の編集」ウィンドウが表示されたら、「値のデータ」を「0」に変更して「OK」をクリックします。
- レジストリエディターを閉じて、パソコンを再起動します。
以上の手順で、レジストリの編集は完了です。PCが再起動したら、タッチパッドのクリックができるようになったか確認してください。
対処6: タッチパッドのタップ感度を調整する
タッチパッドをタップしてからクリックが遅れる場合は、タッチパッドの設定でタップの感度を調整してください。タップの感度を調整するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」をクリックして「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウが開いたら、「デバイス」をクリックします。
- 左ペインの「タッチパッド」をクリックします。
- 右ペインで、タップの「タッチパッドの感度」を「最大の感度(または高い感度)」に変更します。
タッチパッドのタップ感度を調整できたら、クリックが正常にできるようになったか確認してください。
解決しない場合
ここまでに紹介した方法を試してもタッチパッドのクリックできない場合は、タッチパッド本体の故障が考えられます。
念の為タッチパッドの表面を綺麗に掃除して、クリックが動作しないか確認してください。
クリーニング等しても改善しない場合は、メーカーサポートに問い合わせ、診断や修理を依頼してください。PC自体が古い場合は、新しいPCへの買い替えも検討してください。