iPhone/iPadで利用できる「iCloud」は、デフォルトでは最大5GBまで自由に使用することができます。
iCloudを利用すると撮影した写真・動画のバックアップを自動で行ってくれるため大変便利です。
しかし、気にせず使い続けていると「iCloudストレージが残りわずかです」「iCloudストレージがいっぱいです」と通知が出て、同期やバックアップができない状況に陥ってしまうケースがあります。
今回は、iCloudストレージの容量が不足、もしくは一杯になった時に空き容量を増やす方法を解説します。
この記事の内容
iCloudストレージ容量が不足する原因
iCloudのストレージの空き容量が不足する原因は、主に次のとおりです。
- 不要な写真・動画を同期している
- 容量の大きいiCloudメールが残っている
- アプリの不要な「書類とデータ」が保存されている
- iCloud上に古いバックアップが残っている
- iCloudのデータ容量が足りていない
上記の原因により、iPhone/iPadから同期・バックアップするデータ容量がiCloudのストレージ容量を上回りそうになると警告が表示されます。
警告メッセージは、iCloudの空き容量を確保すれば消えるので、一つずつ対処法を試してみて下さい。
対処1: iCloudの容量を消費しているデータを特定する
iCloudが容量不足でバックアップができなくなった場合、iCloudストレージの空き容量を増やすか、ストレージプランを増やす必要があります。
そのため、まずiCloudストレージを消費しているデータが何なのか確認して下さい。
iCloudの容量を消費しているデータは、次の手順で確認することができます。
- 「設定」アプリを開きます。
- 一番上に表示される「自分の名前(AppleID)」をタップします。
- 「iCloud」をタップします。
- 容量にiCloudを使用しているデータの種類が色分けで表示されます。
- 「ストレージを管理」をタップすると、アプリごとのiCloudストレージの使用量を確認できます。
iCloudの使用量が大きくなるファイルは、主に次のとおりです。
- 写真、動画
- iCloudバックアップ
- メール(添付ファイル)
使用量の大きいデータを確認したら、不要なデータは削除するか、同期・バックアップをオフにします。具体的な手順は、次の対処法から順に紹介します。
対処2: 不要な写真・動画データを削除する
iCloud写真の同期を有効にしているとiPhone/iPadの新しく追加した写真や動画が全て同期されます。
そのため、iPhone/iPadに保存した写真や動画を削除することで、iCloud上のデータも削除され空き容量を増やすことができます。
次の手順で、不要な写真や動画データがないか確認して消去を行って下さい。
- 「写真」アプリを開きます。
- 右上の「選択」をタップします。
- 消去する写真/動画をタップして選択します。
- 複数の写真/動画をタップして選択することができます。
- 右下の「ゴミ箱」マークをタップします。
- 「写真/動画を削除」をタップします。
iPhone/iPad上の写真・動画を削除すると自動でiCloudのデータも削除されます。
対処3: 写真・動画を外部のストレージに保存する
大量の写真やサイズの大きい動画がある場合、iCloudのバックアップで容量がすぐに一杯になります。
そのため、必要なデータであってもiPhone/iPadに残しておく必要のないデータは、パソコンや外付けHDD・USBメモリなどの外部のストレージに移動することをおすすめします。
古い動画や写真を外部ストレージに保存するだけで、iCloudの空き容量をかなり増やせます。
iPhone/iPadの写真を外部ストレージで保存する方法については、次のページを参考にして下さい。
対処4: アプリの「書類とデータ」を消去する
iCloudの「書類とデータ」に対応したアプリを使用すると、作成したデータなどがiCloud上に保存されます。
iCloud上に保存されるのは便利である反面、データが多すぎるとiCloudの容量が不足する原因になります。
そのため、使用していないアプリの「書類とデータ」が多い場合は消去することで空き容量を確保することができます。
ただし、アプリでiCloud上に保存しているデータが削除されてしまうため十分注意して下さい。必要なデータは端末内に先に移動して下さい。
iCloudに保存されている「書類とデータ」を消去する手順は以下の通りです。
- 「設定」アプリを開きます。
- 上部の「ユーザー名(AppleID)」の項目を選択します。
- 「iCloud」を選択します。
- 「ストレージを管理」を選択します。
- 「書類とデータ」を削除したいアプリをタップします。
- 「書類とデータを削除」→「削除」をタップします。
対処5: 不要なメール・添付ファイルを削除する
iPhone/iPadでiCloudメールを設定している場合、iCloudメールと添付ファイルのデータがiCloudに同期されます。
そのため、iCloudのストレージでメールデータの使用量が多い場合は、次の手順で削除を行って下さい。
- 「メール」アプリを開きます。
- iCloudの受信メールボックスを開きます。
- 右上の「編集」をタップします。
- 不要なメールをタップして選択します。
- 複数選択することができます。
- メールの選択ができたら、下部の「移動」をタップします。
- 「ゴミ箱」を選択してメールをゴミ箱に移動します。
- 不要なメールが削除できたら、メールボックスの「ゴミ箱」を開きます。
- 右上の「編集」をタップします。
- 左上の「すべてを選択」をタップします。
- 下部の「削除」→「すべて削除」をタップします。
対処6: 古いバックアップを削除する
iPhone/iPadの古いバックアップデータがiCloud上に残っていると、iCloudの空き容量を大きく圧迫します。
一度保存されているバックアップを確認して不要なデータの削除を行って下さい。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「ユーザー名(AppleID)」の項目を選択します。
- 「iCloud」を選択します。
- 「ストレージを管理」を選択します。
- 「バックアップ」をタップします。
- 「以前に使用していたiPhone/iPad」がある場合はタップします。
- 最下部にある「バックアップを削除」を選択します。
- 「オフにして削除」を選択します。
以上で、iCloudに残っている古いバックアップデータを削除することができます。
対処7: バックアップを作成するアプリを限定する
iCloudでバックアップしているアプリが多いとその分ストレージ容量を圧迫します。
そのため、iCloudでバックアップが不要なアプリがある場合は、バックアップを無効にして下さい。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「ユーザー名(AppleID)」の項目を選択します。
- 「iCloud」を選択します。
- 「ストレージを管理」を選択します。
- 「バックアップ」をタップします。
- 「デバイス名 このiPhone/iPad」を選択します。
- 「バックアップするデータを選択」でバックアップの不要なアプリのスイッチを「オフ」にします。
- アプリが見つからない場合は、「すべてのAppを表示」をタップして下さい。
- 特に「フォトライブラリ」など画像を保存するアプリはiCloudの容量を大きく使用します。不要であれば、スイッチをオフにして下さい。
- 確認メッセージが出たら「オフにして削除」をタップします。
以上の設定で、iCloudのバックアップ対象のアプリを限定できるため、使用量を節約できます。
対処8:「iCloud写真」をオフにする
iCloudストレージを圧迫してしまう一番の要因が「iCloud写真(旧:フォトライブラリ)」の機能です。
iCloud写真を有効化していると、iPhone/iPadに保存している画像や動画を自動的にiCloudストレージに同期します。
この機能が有効になっていると、端末のストレージの容量を節約することができますが、逆にiCloudストレージの容量を圧迫してしまいます。
iPhone/iPadに保存している写真・動画のサイズが5GBを超えている場合、この機能を有効にするだけで無料のストレージプランの上限を超えてしまいます。
そのため、iPhone/iPadの写真・動画の量が大きい場合は、iCloud写真を無効にしておくことをおすすめします。
1.「iCloud写真」の設定を開く
iCloud写真の機能を無効にするには、次の手順で操作して下さい。
- iPhone/iPadの設定アプリを開きます。
- 設定画面一番上の[AppleID、iCloud、iTunes...]と書かれた項目をタップします。
- [iCloud]をタップします。
- [iCloud写真]をタップします。
ここまで進めたら「iPhone/iPadのストレージを最適化」「オリジナルをダウンロード」のどちらにチェックが入っているか確認します。
*注意しないと写真や動画データを消失させてしまう恐れがあるため、内容を十分読んでから操作して下さい。
2.「iPhone/iPadのストレージを最適化」が有効だった場合
「iPhone/iPadのストレージを最適化」にチェックが入っている場合は、以下の手順を行ってください。
- [オリジナルをダウンロード]にチェックします。
- 写真アプリを起動して写真タブに移動します。
- 一番下までスクロールし、iCloudストレージからのダウンロード状況を確認します。
- ダウンロードが全て終わったら写真の設定(「iCloud」→「写真」)に戻ります。
「iPhone/iPadのストレージを最適化」にチェック入っている場合、iPhone/iPadにオリジナルがない画像はすべて削除されるため、必ず上記の作業を行ってください。
3.「iCloud写真」を無効化して削除する
上記作業を完了した、もしくは元から「オリジナルをダウンロード」にチェックが入っていた場合は、次の手順でiCloud写真を無効化して削除します。
- [iCloud写真]のチェックを外します。
- 左上の[iCloud]をタップしてiCloud設定画面に戻ります。
- [ストレージを管理]をタップします。
- [写真]をタップします。
- [無効化して削除]をタップし、そのまま[写真かビデオを削除]をタップします。
以上でiCloudストレージに保存された画像や動画が削除され、iCloudストレージの空き容量を確保することができます。
対処9:「iCloudバックアップ」をオフにする
iCloudバックアップを有効化すると、iPhone/iPadの設定情報や保存している写真、動画、ダウンロードしたアプリの情報をバックアップすることができます。
iCloudバックアップは、簡単にiPhone/iPadを復元できるため便利な機能ですが、iCloudの容量を大きく消費します。
iPhone/iPadのバックアップはiTunesでもできるため、iCloudによるバックアップが不要な場合は、機能をオフにすることでiCloudストレージの容量を減らすことができます。
iCloudバックアップの機能を完全に無効化するには以下の手順で行います。
- 「設定」アプリを開きます。
- 設定画面一番上の[AppleID、iCloud、iTunes...]と書かれた項目をタップします。
- [iCloud]をタップします。
- [バックアップ]をタップします。
- バックアップを無効化したいデバイスをタップします。
- [バックアップするデータを選択]に表示されているアプリのチェックを全てオフにします。
- [バックアップを削除]をタップし、[オフにして削除]をタップします。
上記の操作で、iCloudバックアップを無効化した上で過去のバックアップを削除でき、iCloudストレージの容量を確保することができます。
対処10: iCloudのストレージ容量を増やす
ここまで紹介した対処法を試してみても、容量が足りずバックアップできない時は、ストレージ自体の容量を増やします。
無料で使用できる容量は5GBですが、それ以上に保存する可能性がある場合は容量を購入しましょう。
iCloudの容量金額と具体的な購入方法については、以下のページをご参照ください。