パソコンのデータをバックアップする上で、外付けHDD(ハードディスク)を利用する方は多いと思います。
しかし外付けHDDをWindowsでフォーマットしようとすると「Windowsはフォーマットを完了できませんでした」というエラーが出て、フォーマットが失敗することがあります。
本記事では、Windows10において、外付けHDDをフォーマットできない、また失敗する時の対処法を紹介します。
外付けHDDが故障していないケースもあるため、購入し直す前に紹介する対処法を試してみてください。
この記事の内容
対処1: USBケーブルを接続し直す
外付けHDDとPCの接続に問題があり、フォーマットが失敗するケースが考えられます。
まずは接続に使用しているUSBケーブルを、一度接続し直してからフォーマットを試して下さい。
また、接続しているUSBポートに問題があるケースも考えられます。PCの別のUSBポートに接続して再度フォーマットできないか試して下さい。
USBの再接続、接続ポートの変更で正常にフォーマットができれば問題ありません。
対処2: 違うパソコンを使用する
パソコンが複数台ある時は、別のパソコンに接続してフォーマットができないか試してみて下さい。
別のパソコンで初期化が正常に行える場合、使用していたパソコン側に問題があると考えられます。
別のパソコンでもファーマットができない場合は、外付けHDD自体に問題があることが考えられます。次に紹介する対処法を試して下さい。
対処3: マルウェア・ウイルスの有無を確認する
外付けHDDがマルウェアやウイルスに感染しているとフォーマットが失敗するケースがあります。
ウイルスに感染した外付けHDDは、書き込みや読み込みを無限に繰り返すことが多く、その動作の影響で初期化が失敗してしまいます。
外付けHDDをウィルススキャンするには、Windows標準のWindowsセキュリティを使ってスキャンできます。
Windowsセキュリティで外付けHDDをスキャンする手順は、次のとおりです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- 「更新とセキュリティ」を開きます。
- 左ペインで「Windowsセキュリティ」を選択します。
- 右ペインで「Windowsセキュリティを開く」をクリックします。
- 左ペインで「ウイルスと脅威の防止」を選択します。
- 「スキャンのオプション」をクリックします。
- 「カスタムスキャン」を選択して「今すぐスキャン」を選択します。
- フォルダの選択画面が表示されるので、対象の外付けHDDのドライブを指定して「フォルダを選択」をクリックします。
- ウィルススキャンが開始します。
その他のセキュリティソフトをインストールしている場合は、スキャンの手順が異なります。代表的なウイルス対策ソフトのスキャン方法については、次のページをご参照ください。
パソコンに脅威があるかどうかを確認するためにノートンのスキャンを実行する - Norton
参考:
USBメモリ等のリムーバブルメディアのウイルス検索について - ウイルスバスター
参考:
カスタム スキャン オプションを設定する - McAfee
対処4: 管理者でログオンする
サインインしているWindowsアカウントが標準ユーザーだと外付けHDDのフォーマットが失敗するケースがあります。
Windowsにサインインしているユーザーが管理者であるか確認して下さい。
管理者アカウントか確認するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」をクリックします。
- 「アカウント」をクリックします。
- 右ペインのユーザー情報で、アカウント名の下に「管理者」の表示があることを確認します。
「管理者」の表示がない場合は、標準ユーザーでサインインしている状態です。管理者アカウントでサインインし直して、再度フォーマットを試して下さい。
対処5: ファイルシステムのエラーを修復する
外付けHDDのファイルシステムに異常があり、フォーマットに失敗しているケースが考えられます。特に中古の外付けHDDを購入した際に発生しやすいトラブルです。
一度次の手順で、外付けHDDのファイルシステムのエラーを修復して見て下さい。
- Windowsのスタートメニューを右クリックして「エクスプローラー」を表示します。
- 左側の一覧から「PC」を選択します。
- スキャンしたい外付けHDDのアイコン上で右クリックをし、「プロパティ」を選択します。
- 「ツール」タブを選択します。
- 「エラーチェック」の「チェック」を選択します。
- ポップアップ画面が表示されたら「ドライブのスキャン」をクリックしてスキャンを行います。
- ファイルシステムにエラーがあった場合は、自動で修復されます。
特に問題がなかった場合は、「お使いのドライブは正常にスキャンされました」「エラーは検出されませんでした」という内容のメッセージが表示されます。
スキャンが正常に終了しない場合は、他の原因が考えられます。次の対処に進んで下さい。
対処6: CHKDSKを実行する
外付けHDDの不良セクタが原因で、フォーマットが失敗するケースがあります。
不良セクタとは、HDDの記録面に施された磁気の力が低下し、データの読み書きができなくなる部分的な故障のことです。
HDDを長期間使用していると不良セクタは必ず出ます。ただし、システムによって不良セクタの利用が自動で回避されるため、多少の破損のあるHDDも正常に利用できる仕組みになっています。
フォーマットが失敗する場合は、上記の不良セクタの管理システムに異常が起きていることが考えられます。
そのため、外付けHDDの不良セクタをチェックして、管理システムを修復することで正常にフォーマットできる可能性があります。
Windows10で不良セクタのチェックとクリーンアップを実行するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が出たら「はい」を選択します。
- 次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
chkdsk ドライブレター: /r
- ドライブレターは「d」や「e」などの、外付けHDDのドライブレターを指定して下さい。
- CHKDSKの実行が完了するまで待ちます。
CHKDSKのプロセスが完了したらコマンドラインを閉じて、再度フォーマットができないか試して下さい。
対処7: DiskPartでフォーマットする
ここまでの対処法を行っても外付けHDDがフォーマットできない場合は、WindowsのDiskPartコマンドを使った初期化を試してみて下さい。
DiskPartは、ハードディスクの操作ができるコマンドユーティリティです。
DiskPartを使用して外付けHDDを初期化する手順は以下の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が出たら「はい」を選択します。
- PowerShellが起動したら、「diskpart」と入力し、Enterキーを押します。
- diskpartの画面が表示されたら、「list disk」と入力してEnterキーを押します。現在接続しているHDDの一覧が表示されます。
- 外付けHDDの左側に表示されている「ディスク n(nは数字)」を確認しておきます。
- 表示されているディスク容量から外付けHDDを判断して下さい。
- 次のコマンドを入力して、Enterキーを押します。
select disk n
- nは先ほど確認した「ディスクn」の番号です。
- 「ディスクnが選択されました」と表示されたら、操作するHDDを選択した状態です。
- 念のため再度「list disk」を入力し、外付けHDDのディスクの右側に「*」がついているか確認して下さい。
- 確認できたら「clean」と入力し、Enterキーを押します。ディスクのクリーンアップが開始します。
- 処理が完了すると「DiskPartはディスクを正常にクリーンな状態にしました」と表示されます。
- 「create primary primary」を入力してEnterキーを押します。
- 「format fs = ntfs quick」と入力してEnterキーを押します。NTFSでのフォーマットが開始します。
- 「exit」と入力してEnterキーを押し、diskpartを終了します。コマンドラインの画面は「×」を押して終了させましょう。
Diskpartによるディスクのフォーマットができたら、外付けHDDが正常にフォーマットできているか確認して下さい。
対処8: ディスクの管理からフォーマットを行う
Windowsの「ディスクの管理」ツールを使用して、外付けHDDをフォーマットすることもできます。
Diskpartによるフォーマットができない場合は、ディスクの管理から外付けHDDのフォーマットを行って下さい。
ディスクの管理から外付けHDDをフォーマットする手順は以下の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ディスクの管理」を選択します。
- 「コンピューターの管理」画面が表示されたら、左側の一覧から「ディスクの管理」を選択します。
- 外付けHDDの「ディスク」を右クリックし、「新しいシンプルボリューム」を選択します。
- 外付けHDDは「未割り当て」などの表示があります。
- 「新しいシンプルボリュームのウィザード」画面が表示されるので、何も変更せず「次へ」をクリックします。
- 「完了」ボタンが表示されれば最後なので、「完了」を選択して終了します。
- 外付けHDDのクイックフォーマットが始まるので、そのまましばらく待ちます。
- クイックフォーマットが終了すると「正常」と表示されます。
以上の手順で、ディスクの管理を使って外付けHDDをフォーマットすることができます。
対処9: サードパーティーのフォーマッターを使う
通常の手順でフォーマットできない場合、外付けHDDのメーカーから提供されているフォーマッターを使うと正常にフォーマットできる可能性があります。
一度外付けHDDのメーカーページを確認して、フォーマットできるソフトウェアが提供されていないか確認して下さい。
主要なメーカーのフォーマッターは、以下のページからダウンロードできます。
対処10: 修理を依頼する
ここまでの対処法を行っても外付けHDDのフォーマットが失敗する場合は、HDDが物理的に壊れていることが考えられます。
メーカーから直接購入、また家電量販店で購入した場合は、メーカーの修理センターに連絡して点検や修理を依頼して下さい。
また中古の外付けHDDの場合は、パソコンの修理業者に依頼してHDDの状態を確認してもらうこともできます。修理が不可能だった場合は、別の外付けHDDの購入を検討して下さい。