Windows10のデスクトップPCやノートパソコンのディスプレイの液晶画面に縦線や横線が入って、表示がおかしくなるケースがあります。
ディスプレイに線が入る症状は、ディスプレイモニターの故障(ライン抜け)も考えられますが、その他が原因になっているケースもあります。
今回は、パソコンの液晶ディスプレイに縦線や横線が入る時の原因と直し方について紹介します。
この記事の内容
ディスプレイに縦線や横線が入る原因
PCのディスプレイに縦線や横線が入る原因としては、主に次の原因が考えられます。
- 解像度の設定に問題がある
- グラフィックドライバーの一時的なエラー、不具合や破損
- ディスプレイケーブルの接触不良・破損
- 映像端子の変換ケーブルの不具合・相性問題
- PCが帯電している
- CPU/GPUのオーバークロックによる過熱
- 常駐アプリケーションによる影響
- ディスプレイのライン抜けの不具合や故障
- グラフィックボードやマザーボードの故障
ディスプレイの表示に異常が出る原因には、ソフトウェアの問題とハードウェアの問題の両方が考えられます。
どちらに問題があるのかをひと目で見分けるのは困難なため、対処法を1つずつ試して解消を試みることになるでしょう。
これからディスプレイトラブル発生時の対処法を詳しく紹介するので、順番に試してみてください。
対処1: PCを再起動する
突然ディスプレイに縦線や横線が入るようになった場合は、まずPCを再起動してみてください。
一時的に発生したシステムのエラーであれば、再起動するだけでディスプレイが正常に映るケースも多いです。
再起動しても直らない場合や、一時的に直っても縦線や横線が入る現象が繰り返し起きる場合は次の対処法に進んでください。
対処2: PC側が出力する解像度をディスプレイ側に合わせる
PC側(GPU側)が出力する解像度がディスプレイの解像度と合っていないことが原因で、ディスプレイに縦線や横線が表示されるケースがあります。
そのため、PC側の解像度がディスプレイに適切な解像度になっているか確認してください。具体的な手順は次の通りです。
- デスクトップの何もない部分で右クリックして「ディスプレイ設定」をクリックします。
- 左ペインから「ディスプレイ」をクリックします。
- 右ペインから「ディスプレイの解像度」を探し、プルダウンを開きます。
- プルダウンから「ディスプレイの解像度を同じ解像度」を選択します。
- ディスプレイ側の解像度と同じ解像度には(推奨)と表示されます。この表示を確認して解像度を選択してください。
- ディスプレイ側の適切な解像度が分からない場合は、ディスプレイのマニュアルなどで確認してください。
- 「ディスプレイの設定を維持しますか?」の確認が出たら「変更の維持」をクリックします。
- ウィンドウを閉じて完了です。
以上で、ディスプレイに適切な解像度に設定することができます。
NVIDIAやAMDのグラフィックボードを搭載している場合は、GPUメーカーが提供している設定ツール(NVIDIAコントロールパネル等)から解像度を変更することもできます。状況に応じて設定ツールからの変更も試してください。
対処3: ディスプレイケーブルを抜き差し/交換する
ディスプレイケーブルの単純な接触不良が原因で、ディスプレイに縦線や横線が入るトラブルが発生することがあります。
そのため、ディスプレイケーブルを一度抜き差ししてディスプレイが正常に映らないか確認してください。
- ケーブルを抜き差しする際は、ディスプレイ側のプラグとグラフィックボード側のプラグの双方を抜き差ししてください。
- どちら側に接触不良が発生しているかは見た目では判断がつかないため、片方だけ抜き差ししても解決しないことがあります。
- 別のディスプレイケーブルがある場合は、ケーブルを交換して再接続してみてください。
- ディスプレイケーブルに原因があるケースがあります。
ケーブルを再接続できたらディスプレイに縦線や横線が入るか確認します。
対処4: 変換アダプターを変更する
ディスプレイに接続しているHDMI、DVI、D-subなどの映像端子の変換アダプターが原因で、ディスプレイに縦線・横線が入るケースがあります。
変換アダプターによっては、相性問題で正しく映像が映らず乱れてしまうケースがあります。
そのため、変換アダプターを使用している場合は、変換アダプターを使用せずに他の映像端子に接続して縦線・横線が入るか確認してください。
変換アダプターの状態でディスプレイが正常に映る場合は、変換アダプターに問題があると判断できます。
- 変換アダプターに問題があった場合: 別の変換アダプターの買い替えを検討してください。
- 変換アダプターに問題がない場合: 他の原因が考えられるため、次の対処方法に進んでください。
対処5: PCのフタを開閉する
ノートパソコンの場合は、PCのフタの開閉センサーに一時的な問題が起きて、ディスプレイが正常に映らないケースがあります。
そのため、一度PCのフタを完全に閉じてから再度開いてみてください。
簡単な対処方法ですが、ノートパソコンの場合はフタの開閉だけでディスプレイの縦線・横線の問題が解決することが多いです。
対処6: 放電を行う
PCが帯電していることが原因で、ディスプレイの映像が乱れて縦線・横線が表示されるケースがあります。
特にPCをコンセントの電源に長い間接続した状態で使用していると、帯電によりディスプレイの表示がおかしくなるケースがあります。
そのため、PCを一度放電した状態にしてから再度電源を入れてディスプレイの状態を確認してください。
- PCの電源を切ってから電源コードを抜きます。
- ノートパソコンの場合はバッテリーを取り外します。
- 外部ディスプレイを接続している場合は、ディスプレイケーブルと電源を抜きます。
- そのままの状態で5分程度待ちます。
- 以上で、PCの放電は完了です。再度PCにディスプレイ、バッテリーを取り付けて、PCの電源を入れます。
放電後にPCが起動したら、ディスプレイの縦線・横線の問題が解決したか確認してください。
対処7: BIOS画面を確認して設定をリセットする
BIOSの画面を確認することで、ソフトウェアの問題で縦線が入っているか、ハードウェア自体が故障しているかを判断することができます。
そのため、BIOSを起動した状態でディスプレイに縦線・横線が入るか確認してみて下さい。
また、CPUやメモリをオーバークロックしていると、ディスプレイの不具合に繋がるケースがあります。
そのため、BIOSの画面を確認してから一度BIOS設定のリセットを試してみてください。
- PCの電源を切ります。
- 再度電源を投入し、POST画面が表示されたらすぐに「BIOS起動キー(Delete等)」を連打します。
- BIOSを起動するキーはマザーボードメーカーによって異なるため、PCメーカーのマニュアルページを確認してください。
- BIOSが起動したら画面に縦線・横線が入っているか確認します。
- 縦線・横線が入っていない場合: ソフトウェアの問題と判断できます。次の対処に進んでください。
- 縦線・横線が入っている場合: ハードウェアの故障が考えられます。
- BIOS画面を終了するには「Exit」を選択すると自動でPCが再起動します。
BIOS画面でも縦線・横線が入る場合
BIOS画面でも縦線・横線が入っていた場合は、ディスプレイ、GPU、マザーボードなどのハードウェアの故障が考えられます。
『対処13: 故障しているハードウェアを修理/交換する』の内容を参考にしてください。
対処8: クリーンブートを試す
バックグラウンドで動作しているアプリケーションが原因で、ディスプレイに縦線・横線が入るケースが考えられます。
そのため、PCをクリーンブートで起動してディスプレイの問題が解決するか確認してください。
クリーンブートで起動すると必要最低限のソフトだけでWindowsが起動するため、ソフトウェアが干渉しているかどうかを判断できます。
PCをクリーンブートで起動するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「msconfig」と入力してEnterを押します。
- 「サービス」タブを開きます。
- 「Microsoftのサービスを全て隠す」のチェックをつけます。
- 「すべて無効」をクリックします。
- 「OK」をクリックします。
- PCを再起動します。
クリーンブートで縦線や横線が表示されない場合は、インストールしているアプリケーションが原因があると判断できます。
クリーンブーとで無効化したアプリケーションを1つずつ有効にして、問題のアプリケーションを特定してください。特定ができたらアプリケーションを無効化するか、アンインストールを検討してください。
対処9: グラフィックドライバーをアップデートする
グラフィックドライバーに不具合があることが原因で、ディスプレイに縦線・横線が入るケースがあります。
特に古いバージョンのグラフィックドライバーを使用している場合は、ドライバーをアップデートすることで問題が解決する可能性があります。
そのため、次の手順でグラフィックドライバーのアップデートを試してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「ディスプレイアダプター」のツリーをクリックして展開します。
- 「グラフィックドライバー名」を右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」をクリックします。
- 新しいバージョンのドライバーが見つかったら自動でインストールされます。
グラフィックドライバのアップデートが完了したら、ディスプレイの縦線や横線が消えたかどうか確認します。
解決しない場合は、次のグラフィックドライバーの再インストールを試してください。
対処10: GPUドライバを再インストールする
既に最新のGPUドライバがインストールされていた場合やアップデートしても縦線・横線の問題が解決しない場合は、グラフィックドライバーが破損していることが考えられます。
上記の場合は、グラフィックドライバーを再インストールすることで問題が解決する可能性があります。
そのため、次の手順でグラフィックドライバーの再インストールを行ってください。
- メーカー公式サイトから最新版のドライバーをダウンロードします。
- グラフィックボードを搭載していない場合は、PCのメーカーページからグラフィックドライバーをダウンロードしてください。
- NVIDIA、AMDのグラフィックボードを搭載しているPCの場合は、次のページからダウンロードします。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を起動します。
- 「ディスプレイアダプター」のツリーをクリックして展開します。
- 「グラフィックドライバー名」を右クリックして「デバイスのアンインストール」をクリックします。
- アンインストールウィザードに従ってドライバのアンインストールを完了させます。
- アンインストールが完了したらPCを再起動します。
- ダウンロードしたドライバーのインストーラーをクリックして、案内に従ってインストールします。
グラフィックドライバーの再インストールが完了したら、ディスプレイの縦線・横線の問題が解決したか確認してください。
対処11: GPUを定格クロックに戻す
GPUをオーバークロックをしていると、ディスプレイの映像が乱れ縦線・横線が入る原因になります。
そのため、GPUをオーバークロックをしている場合は。一度GPUのクロックを定格に戻して縦線や横線が解消するか確認してください。
GPUをオーバークロックは、グラフィックボードメーカーやGPUメーカーが用意しているソフトウェアを利用して行うことがほとんどです。
オーバークロックに利用したソフトウェアを起動して定格クロックに設定を戻してください。定格に戻したら念の為にPCを再起動し、ディスプレイの表示状況を確認します。
対処12: システムをロールバックする
Windowsのアップデートやドライバーのアップデート後にディスプレイに縦線・横線が入るようになった場合は、Windowsのシステムに問題が起きていることが考えられます。
そのため、ディスプレイが正常に表示されていた時点までシステムをロールバックすることで問題が解決する可能性があります。
Windowsのシステムを以前の状態に戻すには、システムの復元機能を使います。
システムの復元を行う手順は、次のページを参考にしてください。
システムの復元をする際は、ディスプレイが正常に表示されていた日付の復元ポイントを指定してください。
対処13: 故障しているハードウェアを修理/交換する
ここまでの対処法を全て試しても現象が改善しない場合は、ハードウェアの故障が考えられます。
どのハードウェアが故障しているかは以下の判断方法を参考にしてみてください。
- 他のPCにディスプレイを接続してみる(*外付けディスプレイの場合)
- 同様に縦線・横線が入る場合はディスプレイの故障と判断できます。
- 別のディスプレイを接続してみる
- 同様に縦線・横線が入る場合は、PCのグラフィックボードやマザーボードが故障していることが考えられます。
- 別のグラフィックボードの映像端子に接続する(*グラフィックボードを増設している場合)
- 特定のグラフィックボードで縦線・横線が入る場合は、グラフィックボードの故障が考えられます。
ディスプレイが故障している場合は新しいディスプレイを調達し、グラフィックボードが故障している場合はグラフィックボードの交換を検討してみてください。
ノートパソコンの場合やその他のハードウェアの故障が疑われる場合は、PCの修理・買い替えを検討してください。
- トラブルを自分で解決することが難しい場合は、サポートや修理業者への相談を検討して下さい。パソコンのサポート・修理は、全国対応している『ドクター・ホームネット』がおすすめです。宅配修理にも対応しています。