Windows10のPCを起動しようとした時に、「CMOS checksum error - Defaults loaded」のエラーが発生してPCが起動しないケースがあります。
このエラーが発生すると手動でOSを起動させなければならないことがあり、PCを利用する上で不便です。場合によってはOSが起動しないこともあります。
今回は、CMOS checksum error Defaults loadedが発生してPCが起動しない時の原因と対処法を紹介します。
この記事の内容
CMOS checksum error Defaults loadedの原因
「CMOS checksum error - Defaults loaded」のエラーは、BIOSの設定が何らかの理由で保持できず、デフォルトの設定をロードした場合に発生します。
CMOS checksumのエラーが発生する原因としては、主に次の原因が考えられます。
- PCを正しくシャットダウンしなかった
- CMOSバッテリーの残量がない
- BIOSの設定に問題が起きている
- BIOSのバージョンが古く不具合がある
- マザーボードの故障
マザーボードの故障も考えられますが、ほとんどの場合はマザーボード上のCMOSバッテリーの残量不足が原因で発生します。
そのため、簡単な対処でPCを正常に起動できる可能性が高いです。エラーが発生する場合は、紹介する対処法を順番に試してみてください。
対処1: BIOSを再開する
電源ボタンで強制終了した場合などのPCを正しくシャットダウンできなかった際にCMOS checksumのエラーが発生するケースがあります。
CMOS checksumのエラーが発生してPOST画面で止まった場合、まずは「F1」キーを入力してBIOSを再開してください。
一時的なエラーであれば「F1」キーを入力しただけでWindowsが正常に起動します。
ただし、「F1」キーを押してBIOSが再開しても同様のエラーが発生するケースもあります。CMOS checksumのエラーが再び出る場合は、次の対処に進んでください。
対処2: CMOSバッテリーを交換する
CMOS checksum error Defaults loadedが発生する原因として最も多いのが、マザーボード上に搭載されている「CMOSバッテリー」の残量がないケースです。
CMOSバッテリーが消耗すると電源プラグを抜いた時にBIOSの設定を保持できなくなってしまい、CMOS checksumのエラーが発生します。
CMOSバッテリーの電池切れは、BIOS設定の日時が大幅にずれているか確認することで判断できます。
上記の問題が発生した際は、BIOSの設定で日付と時刻を正しく設定し直すことで一時的にPCが起動できます。しかし、CMOSバッテリーを交換しない限り、CMOS checksumのエラーが繰り返し発生してしまいます。
そのため、CMOSバッテリーの残量がないことが疑われる場合は、CMOSバッテリーを交換することをおすすめします。交換は以下の手順で行います。
- PCの電源を切って、電源ユニットのスイッチを切るか、電源ケーブルを抜いてください。
- PCケースを開けてマザーボードを確認します。
- マザーボード上のCMOSバッテリー(ボタン電池)を取り外して同型の新品バッテリーに交換します。
- CMOSバッテリーの型は、マザーボードによって異なりますが、通常はCR2032が使われることが多いです。
- 交換が完了したらPCケースを閉じ、電源スイッチ・ケーブルを元の状態に戻して電源を投入します。
- CMOS checksumのエラーが表示されたら、BIOSの設定画面を起動する「DEL」キーを押して「日時」を正しく設定して再起動します。
- BIOSの設定画面を起動するキーは異なる場合があります。画面に表示される「SETUP」に対応するキーを入力してください。
CMOSの電池を交換した後にエラーが解消された場合は、CMOSもバッテリーが原因だったと判断できます。
対処4: BIOSの設定をリセットする
BIOSの設定情報が保持されているのにエラーが出たり、CMOSの電池を交換してもCMOS checksumのエラーが表示される場合は、BIOSの設定に問題が起きていることが考えられます。
そのため、BIOSの設定画面を表示して設定をリセットすることでエラーが解決する可能性があります。BIOSの設定をリセットするには、次の手順で操作します。
- PCを起動して「CMOS checksum error Defaults loaded」のエラーが出る画面を表示します。
- 「DEL」キーを押してBIOSの設定画面を開きます。
- BIOSの設定画面を起動するキーは異なる場合があります。画面に表示される「SETUP」に対応するキーを入力してください。
- BIOSの設定をデフォルトに戻すキーを入力します。
- 確認メッセージが表示されるので「Yes」を選択して設定をリセットします。
- 設定を保存して設定を終了するキーを入力します。
以上の手順でBIOSの設定をリセットすることができます。BIOSが再開したらCMOS checksumのエラーが解決したか確認してください。
対処4: BIOSをアップデートする
BIOSの設定をリセットしてもCMOS checksumエラーが直らない場合は、BIOSそのものに何らかの不具合が発生していることが考えられます。
BIOSの不具合は、BIOSを最新バージョンにアップデートすると直ることが多いです。
そのため、BIOSを最新バージョンにアップデートすることを検討してください。
アップデートの方法は、PCやマザーボードのマニュアルやメーカーのマニュアルページに記載されているため、マニュアルを確認してアップデートを実行してください。BIOSのアップデート用ファイルも、メーカーの公式サイトで配布されていることが多いです。
また、BIOSをアップデートする際は、電源終了などを行うとBIOSが破損してPCが起動できなくなるケースがあるため十分注意してください。
対処3: CMOSクリアを実施する
CMOSバッテリーを交換してもエラーが解消されない場合やBIOSのリセット・最新で解決しない場合は、CMOSクリアを実施すると解決する可能性があります。
CMOSクリアを実施するとCMOSが保持している設定情報が全てリセットすることができます。
CMOSクリアを行う基本的な手順の流れは次の通りです。
- PCの電源を切って、電源ユニットのスイッチを切るか、電源ケーブルを抜いてください。
- PCケースを開けてマザーボードを確認します。
- CMOSリセットを実施します。
- 方法1: CMOSバッテリーを取り外して1時間放置します。
- 方法2: マザーボード上のCMOSリセットのスイッチを10秒以上長押しします。
- 方法3: ピンのジャンパブロックを取り外すか、他のピンに入れ替えてショートさせます。
- CMOSのリセットができたら、PCを元の状態に戻して電源を入れます。
CMOSクリアを実行すると、PCを起動した際にBIOSセットアップ画面が表示されます。日付設定や起動ドライブなどもリセットされているので、必要に応じて設定し直してください。
対処5: マザーボードを交換する
ここまでの対処法をすべて試しても改善しない場合、マザーボード本体が故障していることが考えられます。そのため、マザーボードの交換を検討してください。
ただし、マザーボードの交換は、搭載しているCPUやチップセット、ソケットが対応していないと交換できない場合があるため、PCに豊富な知識がないと難しいです。
そのため、自力で交換することが難しい場合は、PCのメーカーや修理業者に修理を依頼することを検討してください。
- トラブルを自分で解決することが難しい場合は、サポートや修理業者への相談を検討して下さい。パソコンのサポート・修理は、全国対応している『ドクター・ホームネット』がおすすめです。宅配修理にも対応しています。
古いPCでマザーボードの故障が疑われる場合は、修理だとかえって高くつく場合もあるため、新しいPCに買い替えることをおすすめします。