Windows10/11の動作に問題が起きた際にコマンドプロンプトで「sfc /scannow」を実行することでシステムファイルを修復できます。
しかし、「sfc /scannow」を実行すると「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」のエラーが表示されシステムファイルを修復できない場合があります。
本記事では、「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
Windowsリソース保護エラーの原因
Windowsリソース保護(Windows Resource Protection:WRP)は、Windowsの重要なシステムファイルが不正または誤って変更または損傷から保護するための機能です。Windowsリソース保護が問題を検出すると、通常、sfc /scannowコマンドを使用して、破損したシステムファイルを修復できます。
sfcコマンド実行時に「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」エラーが表示される場合、以下の原因が考えられます。
- システムファイルの破損・欠損: Windowsのシステムファイルの破損・欠損が深刻な場合、sfcコマンドだけでシステムファイルを修復できないことがあります。
- ファイルシステムの破損: ストレージのファイルシステムが破損していると、sfcコマンドの修復が失敗することがあります。
- サードパーティのソフトウェアの影響: サードパーティのソフトウェアまたはマルウェアやウィルスがシステムファイルを書き換えたり、破損させており、通常の修復プロセスが妨げられることがあります。
sfcコマンドを実行してもエラーが発生してシステムファイルを修復できない場合は、以下の対処方法を試してみてください。
対処1: 管理者権限でSFCコマンドを実行する
コマンドプロンプトを管理者権限で起動していないことが原因で、sfcコマンド実行時に「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」エラーが発生するケースが考えられます。
そのため、コマンドプロンプトを管理者権限で起動してsfcコマンドを時効できないか確認してください。具体的な手順は以下の通りです。
- 「Windowsマーク」をクリックして「cmd」と入力します。
- 検索結果の一覧で「コマンドプロンプト」の「管理者として実行」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- 以下のsfcコマンドを入力してEnterキーで実行します。
sfc /scannow
以上の手順で、管理者権限でコマンドプロンプトを起動してsfcコマンドを実行できます。sfcコマンドを実行できたら、エラーが出ずにシステムファイルが修復できたか確認してください。管理者権限でもエラーが出る場合は、次の対処に進んでください。
対処2: Windows Modules Installerを有効にする
Windows Modules Installerサービスが無効になっていることが原因で、sfcコマンドを実行した際に「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」エラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、Windows Modules Installerサービスを実行することで、問題が解決する可能性があります。Windows Modules Installerサービスを実行するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 名前に「services.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- サービスウィンドウが開いたら、一覧から「Windows Modules Installer」を探してダブルクリックします。
- スタートアップの種類が「無効」になっている場合は「手動」に変更します。
- サービスの状態で「開始」ボタンを押します。
- 「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。
Windows Modules Installerサービスを実行できたら、コマンドプロンプトでsfcコマンドが正常に実行できるようになったか確認してください。
対処3: セーフモードでSFCコマンドを実行する
インストールされているサードパーティアプリの機能が原因で、sfcコマンド実行時に「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」エラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、Windowsをセーフモードで起動した状態で、sfcコマンドを実行できないか確認してみてください。セーフモードでsfcコマンドを実行するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」をクリックし、表示されるスタートメニューの中にある「設定(歯車アイコン)」をクリックします。
- 「Windowsの設定」ウィンドウが表示されます。「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左側のリストにある「回復」をクリックします。
- 画面右側を下へスクロールし、「PCの起動をカスタマイズする」の項目内にある「今すぐ再起動する」ボタンをクリックします。
- しばらくすると「オプションの選択」画面が表示されます。「トラブルシューティング」をクリックします。
- 続いて「詳細オプション」→「スタートアップ設定」とクリックして進みます。
- 「再起動して、次のようなWindowsオプションを変更します」と表示されたら右下の「再起動」ボタンをクリックします。
- 再起動が始まります。そのまましばらく待ちます。
- 再起動が完了し、「スタートアップ設定」画面が表示されたらキーボードの6を押し、「セーフモードとコマンドプロンプトを有効にする」のオプションを選択します。この時、もしキーを押しても画面が変わらない場合はテンキーではなくキーボードの上部にある数字キーを利用してみてください。
- 管理者権限を持つアカウントでWindowsにサインインします。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを起動してSFCコマンドを再度実行します。
- SFCコマンドを実行する手順は『対処1: 管理者権限でSFCコマンドを実行する』と同様です。
セーフモードでsfcコマンドを実行できたら、エラーが出ずにシステムファイルの修復が完了したか確認してください。
対処4: Windows回復環境でSFCコマンドを実行する
Windows回復環境からSFCコマンドを実行することで、「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」エラーを出さずにシステムファイルを修復できる可能性があります。
Windows回復環境からSFCコマンドを実行するには、以下の手順で操作してください。
- PCの電源ボタンを長押しして強制終了します。
- PCの電源ボタンを押して電源を入れます。
- 起動画面が表示されたら、PCの電源が切れるまで「電源ボタン」を押し続けます。同じ手順で起動時の強制終了を2回以上繰り返します。
- 再度PCを起動すると、Windows回復環境が起動します。
- 「自動修復」画面が表示されたら「詳細オプション」をクリックします。
- 「詳しい修復オプションを表示する」をクリックします。
- オプション選択画面が表示されたら「トラブルシューティング」をクリックします。
- 「詳細オプション」をクリックします。
- 「コマンドプロンプト」をクリックします。
- 以下のsfcコマンドを入力してEnterキーで実行します。
sfc /scannow
- システムファイルの修復が完了したら、コマンドプロンプトを閉じます。
- オプションの選択画面に戻って、「続行」をクリックしてWindowsを起動します。
Windows回復環境でSFCコマンドを実行してシステムファイルを修復できたら、Windowsの起動後に問題が解決したか確認してください。
対処5: チェックディスクを実行する
Windowsのストレージのファイルシステムが破損していることが原因で、SFCコマンドの実行時に「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」エラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、チェックディスクを実行して、ファイルシステムを修復することでエラーが解決する可能性があります。チェックディスクを実行するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows ターミナル(管理者)」を選択します。
- Windows10の場合は、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellが起動したら、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
chkdsk /f
- 再起動時にチェックをスケジュールするか聞かれたら「y」を入力してEnterキーを押します。
- コマンドを実行できたら、PCを再起動すると自動的にチェックディスクが実行されます。完了するまでPCの電源を切らずに待機してください。
チェックディスクを実行してファイルシステムを修復できたら、コマンドプロンプトを起動してSFCコマンドが正常に実行できるようになったか確認してください。
対処6: DISMコマンドを実行する
「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」エラーが表示されてSFCコマンドが実行できない場合、先にDISMコマンドを実行してシステムファイルを修復することでエラーが解決する可能性があります。
DISMコマンドを実行するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」をクリックして「cmd」と入力します。
- 検索結果の一覧で「コマンドプロンプト」の「管理者として実行」をクリックします。
- 表示されたウィンドウに次のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- システムファイルの修復が行われます。完了までしばらく待ちます。
DISMコマンドの処理が終わったらSFCコマンドを再度入力し、エラーが解決したことを確認してください。
対処7: Windowsスタートアップ修復を実行する
Windowsのスタートアップ修復を実行してシステムファイルを修復することで、「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」エラーが解決する可能性があります。
Windowsスタートアップ修復を実行するには、以下の手順で操作してください。
- PCの電源ボタンを長押しして強制終了します。
- PCの電源ボタンを押して電源を入れます。
- 起動画面が表示されたら、PCの電源が切れるまで「電源ボタン」を押し続けます。同じ手順で起動時の強制終了を2回以上繰り返します。
- 再度PCを起動すると、Windows回復環境が起動します。
- 「自動修復」画面が表示されたら「詳細オプション」をクリックします。
- 「詳しい修復オプションを表示する」をクリックします。
- オプション選択画面が表示されたら「トラブルシューティング」をクリックします。
- 「詳細オプション」をクリックします。
- 「スタートアップ修復」をクリックします。
- 「オペレーティングシステムの選択」が表示された場合は、修復する「Windows」を選択します。
- ユーザーアカウントの選択とパスワードを求められたら、「Microsoftアカウント」を選択して「パスワード」を入力して「続行」をクリックします。
- スタートアップ修復が開始されます。処理が完了するまでしばらく待ちます。
Windowsのスタートアップ修復を実行できたら、sfcコマンドが正常に実行できるようになったか確認してください。
対処8: Windowsを初期化する
ここまでの方法を試してもsfcコマンド実行時に「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」エラーが表示される場合は、システムファイルに修復できない問題が起きていることが考えられます。
そのため、Windowsを初期化して工場出荷時の状態に戻すことを検討してください。ただし、Windowsを初期化するとストレージ内の全てのデータが削除されため、必要なデータは必ずバックアップを取ってから行ってください。また、初期化時に個人用ファイルを保持するオプションを選択して多くのデータを引き継いでシステムファイルを初期化することもできますが、一部のデータが引き継がれない点に注意してください。
Windowsを初期化する詳しい手順については、以下のページの内容を併せて参考にしてください。
Windowsを初期化できたら必要なデータをバックアップから復元し、Windowsの問題が解決したか確認します。