Windows10のPCを使用していると、10秒程度PCがフリーズしてから「停止コード:DPC_WATCHDOG_VIOLATION」のブルースクリーンエラーが突然表示されるケースがあります。
上記のエラーはSSD/HDDなどのハードウェアに問題が起きていることが考えられるため、頻繁に発生した場合は早めに対処することをおすすめします。
今回は、Windows10で「DPC_WATCHDOG_VIOLATION」のブルースクリーンエラーが発生する原因と対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
- DPC_WATCHDOG_VIOLATIONが発生する原因
- 対処1: 標準のAHCIコントローラに変更する
- 対処2: SSDのファームウェアを更新する
- 対処3: 高速スタートアップを無効化する
- 対処4: 接続しているハードディスクを修復する
- 対処5: PCに接続しているデバイスの接続状況を確認する
- 対処6: 原因のデバイスドライバーを特定して再インストールする
- 対処7: 直近でインストールしたアプリケーションをアンインストールする
- 対処8: 互換性のトラブルシューティングツールを実行する
- 対処9: Windows Updateを実行して更新プログラムをインストールする
- 対処10: Windowsのシステムファイルを修復する
- 対処11: スリープを使用しない
- 対処12: BIOSをアップデートする
- 対処13: システムの復元を実行する
- 対処14: 故障が疑われるハードディスクを交換する
DPC_WATCHDOG_VIOLATIONが発生する原因
「停止コード: DPC_WATCHDOG_VIOLATION」は、ハードウェアのドライバー、もしくはドライバーを使用するアプリケーションが一定時間応答しなくなったときに発生するブルースクリーンエラーです。
ハードウェアのドライバーやアプリケーションの応答がなくなる原因としては、主に次のことが考えられます。
- ハードウェアのドライバーに互換性の問題が起きている
- SSDのファームウェアが古い
- ハードウェアのドライバーが破損している
- ハードウェアのファイルシステムが破損している
- ハードウェアの接続不良
- ハードウェアを使用するアプリケーションが競合している
- ドライバーがスリープモードに対応していない
- システムファイルが破損している
- BIOSに不具合がある
- 接続しているハードウェアが故障している
ハードウェアのドライバー関連の様々な原因が考えられるため、停止コードだけですぐに原因を突き止めることは難しいトラブルです。
そのため、原因ごとの考えられる対処方法を紹介していくので、順番にブルースクリーンエラーが発生しないよういならないか確認していってください。
対処1: 標準のAHCIコントローラに変更する
ハードウェアのドライバーとしてIntel AHCIコントローラ(iastor.sys)をインストールしていることが原因で、DPC_WATCHDOG_VIOLATIONのエラーが発生するケースがあります。
Intel AHCIコントローラは、Windows10との互換性が完全に保証されていません。
そのため、Intel AHCIコントローラを使用している場合は、Windows標準のAHCIコントローラに変更することでエラーが解消する可能性があります。
次の手順で、使用しているSATAドライバーを確認して、問題があればWindows標準のドライバーに変更してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「IDE ATA/ATAPIコントローラー」ツリーを展開します。
- 「使用しているハードウェアのSATAドライバー名」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「ドライバー」タブを開いて「ドライバーの詳細」をクリックします。
- 一覧にIntel AHCIコントローラ(iastor.sysもしくはiastora.sys)が含まれているか確認して詳細ウィンドウを閉じます。
- Intel AHCIコントローラが含まれていた場合は、「ドライバーの更新」をクリックします。
- 「コンピュータを参照してドライバーを検索」をクリックします。
- 「コンピュータ上の利用可能なドライバの一覧から選択します」をクリックします。
- 「標準SATA AHCIコントローラー」を選択して「次へ」をクリックします。
- インストールが完了したらウィンドウを閉じます。
ドライバーを変更できたらPCを再起動してDPC_WATCHDOG_VIOLATIONのエラーが発生するか様子を見てください。
標準のSATAドライバーに切り替えてもエラーが発生する場合は、次の対処に進みます。
対処2: SSDのファームウェアを更新する
Windows10と互換性のないSSDのファームウェアが原因で、DPC_WATCHDOG_VIOLATIONのエラーが発生するケースが多いです。
そのため、SSDを使用している場合は、SSDのファームウェアをアップデートして問題が解決しないか確認してみてください。
SSDのファームウェアは、次の手順でアップデートすることができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「ディスクドライブ」のツリーを展開します。
- 「使用しているSSDのドライバー」を右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーを自動的に検索」をクリックします。
- アップデートが見つかったらウィザードに従ってインストールします。
上記の手順で、SSDのファームウェアがアップデートできたら、エラーが発生しなくなったか確認してください。依然としてエラーが発生する場合は、次の対処に進んでください。
対処3: 高速スタートアップを無効化する
Windows10の高速スタートアップの機能が原因で、ハードウェアの動作に問題が起きているケースがあります。
特にPCをシャットダウンしてから起動後にエラーが発生する場合は、高速スタートアップが影響していることが考えられます。
そのため、高速スタートアップ機能を無効にしてDPC_WATCHDOG_VIOLATIONのエラーが改善しないか確認してください。高速スタートアップを無効化するための手順は次のとおりです。
- Windowsキーを押してスタートメニューを開きます。
- 「設定ボタン」をクリックして「Windowsの設定」を起動します。
- 「システム」を選択します。
- 左ペインから「電源とスリープ」を選択します。
- 右ペインにある「電源の追加設定」をクリックします。
- 電源オプションが起動したら、左ペインから「電源ボタンの動作を選択する」を選択します。
- シャットダウン設定にある「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外します。
- 「変更の保存」をクリックします。
- PCを再起動します。
高速スタートアップが無効にできたら、その後エラーが発生するか様子を見てください。高速スタートアップを無効にしてもエラーが改善しない場合は次の対処に進みましょう。
対処4: 接続しているハードディスクを修復する
接続しているハードディスクのファイルシステムが破損していることが原因で、DPC_WATCHDOG_VIOLATIONが発生するケースがあります。
そのため、PCに接続している全てのドライブに対してエラーチェックを行ってください。簡単なエラーであればこれで解決できる可能性があります。手順は以下のとおりです。
方法1: エラーチェックを実行する
この作業を行う前に、SSD/HDD以外のドライブ(USBメモリやSDカード)などは全て取り外してください。
- エクスプローラを起動します。
- 左ペインから「PC」を選択します。
- 「デバイスとドライブ」からCドライブを探して右クリックします。
- 「プロパティ」をクリックします。
- 「ツール」タブを開きます。
- 「エラーチェック」欄にある「チェック」をクリックします。
- ウィザードにしたがってスキャン及び修正を行います。
- 他のドライブもある場合は、同じ手順で全てのドライブをチェックします。
最適化が完了したら「現在の状態」にOKと表示されていることを確認してください。確認できたらウィンドウを閉じます。
エラーチェックを行なってディスクのエラーが修正できない場合は、次のチェックディスクで修正できる場合があります。
方法2: チェックディスクを実行する
チェックディスクを実行することで、ドライブ内の論理エラーを検出してファイルシステムを修正することができます。
チェックディスクを実行するには次の手順で操作します。
- Windowsマークを右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を起動します。
- 次のコマンドを入力して実行します。
chkdsk c: /r
- cは、チェックディスクを実行するドライブレターです。dドライブをチェックする際は、「chkdsk d: /r」と入力してください。
- 再起動が求められたらPCを再起動します。
- 他のドライブもある場合は、同じ手順で全てのドライブでチェックディスクを実行します。
- チェックディスクをCドライブに対して実行するときは再起動が求められますが、他のドライブの場合は再起動は必要ありません。
すべてのドライブに対してチェックディスクを実行できたら、DPC_WATCHDOG_VIOLATIONのエラーが解決したか確認してください。
対処5: PCに接続しているデバイスの接続状況を確認する
PCに接続している特定のハードディスクの接続に問題が起きており、DPC_WATCHDOG_VIOLATIONのエラーが発生するケースがあります。
そのため、PC内蔵のハードディスクに接触不良がないか確認することをおすすめします。
内蔵のハードディスクの接続を確認するには、PCの電源を抜いてからPCケースを開けて次の項目を確認してください。
- SSDがきちんとスロットに刺さっているか
- SATA接続のSSD/HDDにSATAケーブルと電源ケーブルの双方が奥まで刺さっているか
- SATAケーブルが古い場合は劣化していることも考えられるため、できれば新しいSATAケーブルに交換してください。
- マザーボード側のSATAポートが緩んでいないか
また、PCにUSBの外付けハードディスクを接続している場合は、全て取り外して動作検証を行なってください。
全てのハードディスクの接続を確認したらPCを再度起動してエラーが発生するか確認してください。
対処6: 原因のデバイスドライバーを特定して再インストールする
DPC_WATCHDOG_VIOLATIONのエラーは、ハードウェアのドライバーが原因になって発生します。
ここまでの対処方法でエラーが解決しない場合は、次のページを参考にブルースクリーンエラーの画面やダンプファイルから原因のドライバーが特定できないか試してみてください。
原因のドライバーがわかった場合は、そのドライバーを再インストールすることで問題が解決する可能性があります。
デバイスドライバーを再インストールするには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- ツリーを展開して「問題の起きているドライバー」を探します。
- 「問題の起きているドライバー」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
- 確認ダイアログが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- PCを再起動するとドライバーが自動でインストールされます。
以上ででデバイスドライバーの再インストールは完了です。エラーが解消された場合は再発しないか様子を見てください。
対処7: 直近でインストールしたアプリケーションをアンインストールする
新しいアプリケーションをインストールしてからエラーが頻発するようになった場合は、インストールしたアプリケーションに原因があることが考えられます。
特にサードパティのセキュリティソフトは、ハードディスクのスキャン時にドライバーの競合の問題が起きてDPC_WATCHDOG_VIOLATIONエラーが発生するケースがあります。
インストールしたアプリケーションが原因として疑われる場合は、次の手順でアプリケーションをアンインストールしてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で「問題のあるアプリケーション」を選択して「アンインストール」をクリックします。
- 問題のあるアプリケーションは、「インストールの日付」を参考にしてください。
- ウィザードに従ってアンインストールを完了します。
アンインストール後にエラーが解消された場合は、インストールしたアプリケーションが原因だったと判断できます。
再インストールすると同様のエラーが発生することが考えられるため、他のアプリケーションの利用を検討してください。
対処8: 互換性のトラブルシューティングツールを実行する
互換性のないアプリケーションを起動していることが原因で、DPC_WATCHDOG_VIOLATIONエラーが発生するケースがあります。
上記の問題は、Windows10に標準搭載されている「プログラムの互換性のトラブルシューティング」ツールを実行することで解決できる可能性があります。
そのため、次の手順で「プログラムの互換性のトラブルシューティング」ツールの実行を試してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「トラブルシューティング」を選択します。
- 右ペインで「プログラムの互換性のトラブルシューティングツール」をクリックします。
- プログラムのリストが表示されたら「エラー発生時に使用しているプログラム」を選択して「次へ」をクリックします。
- 「推奨設定を使用する」をクリックします。
- 「プログラムのテスト」を実行して起動し、問題なくアプリケーションが動作するか確認します。問題がなければ「次へ」をクリックします。
- 「はい、このプログラムのこの設定を保存します」をクリックして設定を適用します。
- エラー発生時に使用している全てのプログラムでテストを行なってください。
プログラムのテストで起動しないアプリケーションは、互換性の問題が解決できないためアンインストールを行なってください。
対処9: Windows Updateを実行して更新プログラムをインストールする
WindowsUpdateの更新プログラムになんらかの不具合があり、エラーの原因になっているケースがあります。
Windowsの不具合は新しい更新プログラムによって修正されるため、Windowsが最新の状態になっているか確認してください。
通常は自動でWindows Updateが実行されますが、再起動が必要な更新の場合は適用できていないケースがあります。
そのため、次の手順で更新プログラムが全てインストールできているか確認してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「WindowsUpdate」を選択していることを確認します。
- 右ペインでWindowsUpdateに「再起動」などのボタンが表示されている場合はクリックして更新プログラムを適用してください。
対処10: Windowsのシステムファイルを修復する
Windowsのシステムファイルが破損していることが原因で、DPC_WATCHDOG_VIOLATIONエラーが発生するケースがあります。
そのため、次の手順でSFCスキャンとDISMコマンドを実行してシステムファイルが修復できないか試してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を起動します。
- 以下のコマンドを入力して実行します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- プロセスが完了したら続いて以下のコマンドを実行します。
sfc /scannow
- プロセスが完了したらWindows PowerShellを閉じます。
破損したファイルが発見されたら自動で修復されます。システムファイルが修復できた場合は、PCを再起動してからエラーが発生しないか様子を見てください。
対処11: スリープを使用しない
一部のハードウェアではスリープから復帰する際に、DPC_WATCHDOG_VIOLATIONのエラーが発生するケースがあります。
スリープから復帰する際にエラーが出る場合は、ハードウェアが古くスリープ機能に対応していないことが原因として考えられます。
上記の問題は、スリープ機能を無効にすることで回避することができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「電源オプション」を選択します。
- 右ペインで「スリープ」の電源の接続時の項目を「なし」に変更します。
ただし、根本的な対処方法ではないため、問題の起きるハードウェアが古い場合は買い替えをすることをおすすめします。
また、外付けのUSBデバイスで上記の問題が起きている場合は、USBデバイスの買い替えを検討してください。
対処12: BIOSをアップデートする
PCのBIOSのバージョンが古かったり、不具合があることが原因で、DPC_WATCHDOG_VIOLATIONのエラーが発生することがあります。
そのため、古いバージョンのBIOSを使用している場合は、BIOSのアップデートを試してみてください。
BIOSのアップデート手順は使用しているPCやマザーボードによって異なるため、メーカー公式のマニュアルページで確認してください。
対処13: システムの復元を実行する
ここまでの対処方法を試してもDPC_WATCHDOG_VIOLATIONのエラーが解決できない場合は、システムの復元を実行することを検討してください。
システムの復元を実行してエラーが発生していなかった日付の状態にWindowsを戻すことで、エラーが解決する可能性があります。
システムの復元を実行する具体的な方法については、次のページを参考にしてください。
対処14: 故障が疑われるハードディスクを交換する
システムの復元を実行しても直らない場合は、ハードディスク自体が故障していることが考えられます。
ハードディスクが故障しているか判断するには、次の手順でファイルのコピー時の応答時間を調べてみてください。
- タスクバーを右クリックしてタスクマネージャを開きます。
- 詳細表示に切り替え、「パフォーマンス」タブを開きます。
- 左ペインから「ディスク」を選択します。
- タスクマネージャは開いたままにしておいてください。
- エクスプローラで適当なファイルをドライブ内にコピーします。
- 問題のドライブが分からない場合は、全てのドライブで試してみてください。
- タスクマネージャーで「平均応答時間」をチェックします。
- 通常の平均応答時間は、100~300ms前後が目安です。
ファイルをコピーした時に平均応答時間が10秒(=10,000ms)を超えている場合は、ハードディスクの故障が考えられます。
ハードディスクの故障が疑われる場合は、問題のあるHDD/SSD、もしくは外付けハードディスクの交換を検討してください。
ハードディスクを自力で交換することが難しい場合は、PCメーカーかPC修理業者に修理を依頼することを検討してください。
- トラブルを自分で解決することが難しい場合は、サポートや修理業者への相談を検討して下さい。パソコンのサポート・修理は、全国対応している『ドクター・ホームネット』がおすすめです。宅配修理にも対応しています。