Windows10/Windows11のPCでは、Windowsキー、Shiftキー、Controlキー、Altキーを組み合わせてショートカットキー/ホットキーを使用することができます。
しかし、ショートカットキーが突然使えなくなってしまうトラブルが起きることがあります。ショートカットキーだけが使えない場合は、キーボード本体の故障の可能性は低く、他の原因が考えられます。
本記事では、Windows10/11のパソコンでショートカットキーが効かない/機能しない時の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: ゲーミングモードを無効にする
キーボードの機種によっては「ゲーミングモード」「アンチゴースト機能」等と呼ばれる機能が搭載されていることがあります。
この機能は本来キーの誤入力を防ぐための機能ですが、意図せず有効にしてしまうと一部のキーが効かなくなり、ショートカットキーが機能しないケースがあります。
そのため、使用しているキーボードがゲーミングモードを搭載している場合は、機能を確認して無効にしてください。
ゲーミングモード機能を無効にする設定方法はキーボードの機種により異なりますが、キーボード上の機能の切り替えスイッチを押すタイプの機種が多いです。キーボードの取扱説明書やメーカーサイトの製品ページで設定方法を確認してください。
対処2: Fnキーを組み合わせる
ファンクションキー(F1~12)のショートカットが機能しない場合は、ファンクションキーにメディアキーが割り当てられているケースが考えられます。
特にノートパソコンのファンクションキーには、音量や明るさをコントロールするメディアキーが割り当てらているケースが多いです。
メディアキーを搭載しているPCの場合は、Fnキーを入力しながらファンクションキーを入力するか、Fnキーのロックを解除してからファンクションキーを入力してみてください。
Fnキーのロックの解除方法は、特定のショートカットキーを入力して解除する場合が多いです。機種によって解除方法が異なるためマニュアル等を参考にしてください。
対処3: クリーンブートを試す
バックグラウンドで動作しているキーボード関連のアプリケーションが原因で、ショートカットキーが機能しないケースがあります。
そのため、クリーンブートでパソコンを起動して、ショートカットキーが動作するようになるか試してみてください。
クリーンブートの手順については、次のページを参考にしてください。
クリーンブートでショートカットキーが使えるようになった場合は、バックグラウンドで動作するアプリが原因と判断できます。
次の手順でスタートアップに登録されているアプリを確認して、原因として疑われるアプリの起動を無効化してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定が開いたら、「アプリ」をクリックします。
- 「スタートアップ」をクリックします。
- 右ペインのアプリ一覧で、「キーボードに影響のあるアプリ」のスイッチを「オフ」に変更します。
- 複数ある場合は、原因として考えられる全てのアプリのスタートアップを無効化してください。
- PCを再起動してスタートアップ設定を反映します。
スタートアップを無効化できたら、ショートカットキーが正常に機能するか確認してください。
対処4: 固定キー機能を無効化する
キーボードの固定キー機能が有効になっていることが原因で、ショートカットキーが機能しないケースがあります。
固定キー機能は、複数のキーを同時に押すことが困難な人のための機能です。意図せずこの機能を有効にしてしまうとShift/Ctrl/Alt/Windowsキーが通常と異なる動作をしてしまい、関連するショートカットキーが使えない場合があります。
標準設定では固定キーは無効に設定されていますが、誤操作でShiftキーを何度か連続で押すだけで有効に切り替わってしまいます。
そのため、次の手順で固定キーの設定を確認して有効になっている場合は無効に切り替えてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- 「簡単操作(またはアクセシビリティ)」をクリックします。
- 「キーボード」をクリックします。
- 「固定キー機能を使用する」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- スイッチの下にある「固定キー機能を起動するショートカットキーを許可する」のチェックも外します。
- Windows11の場合は、「固定キー機能」をクリックして「固定キー機能のキーボードショートカット」のスイッチを「オフ」にしてください。
- この設定でShiftキーを連打しても固定キー機能が有効に切り替わらなくなります。
固定キーの機能を無効化できたら、再度ショートカットキーが使えるようになったか確認してください。
対処5: キーボードドライバーを再インストールする
キーボードドライバーに問題が起きていることが原因で、ショートカットキーが効かないケースが考えられます。
そのため、キーボードドライバーを再インストールすることで、ショートカットキーの問題が解決する可能性があります。
キーボードドライバーを再インストールするには、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーが開いたら、「キーボード」のツリーをダブルクリックして展開します。
- 「使用しているキーボードのドライバー名」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
- キーボードの種類によっては「ユニバーサルシリアルバスコントローラー」や「Bluetooth」のツリーの下にあることもあります。ドライバー名を参考にドライバーを探してください。
- 確認ダイアログが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- アンインストールが完了したら、デバイスマネージャーを終了し、パソコンを再起動します。
- パソコンが起動すると自動的にドライバーが再インストールされます。
キーボードドライバーを再インストールできたら、ショートカットキーが正常に使えるか確認してください。
対処6: Human Interface Device Serviceを有効にする
Human Interface Device Serviceの動作に問題が起きていることが原因で、ショートカットキーが効かないケースが考えられます。このサービスは、Windowsホットキーを機能させるために必要なWindowsサービスです。
そのため、Human Interface Device Serviceを再起動することで問題が解消できる可能性があります。サービスを再起動するには、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 名前に「services.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- サービス管理ツールウィンドウが開きます。中央のリストから「Human Interface Device Service」の項目を探してダブルクリックします。
- 「全般」タブ内にある「スタートアップの種類」の設定が「自動」になっていることを確認します。
- 設定が「手動」や「無効」になっている場合は、「自動」に変更してください。
- 「サービスの状態」を確認して、「停止」ボタンをクリックしてサービスを停止してから「開始」ボタンをクリックします。
- 最初から「停止」状態になっている場合は、「開始」ボタンをクリックしてサービスを起動してください。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
Human Interface Device Serviceを再起動できたら、ショートカットキーが機能するか確認してください。
対処7: レジストリを修正する
キーボード関連のレジストリキーの値に問題があることが原因で、特定のショートカットキーが機能しないケースが考えられます。
そのため、次の手順でレジストリの値を確認して問題がある場合は修正してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「regedit」と入力して「OK」をクリックして、レジストリエディタを起動します。
- 上部メニューの「ファイル」→「エクスポート」を選択して、レジストリのバックアップを保存します。
- エクスポート範囲が「すべて」を選択していることを確認してから保存してください。
- 左のキーツリーを次の順に展開して、「Keyboard Layout」キーを選択します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layout
- 右ペインの値に「Scancode Map」がある場合は、右クリックして「削除」を選択します。
- 続いて左のキーツリーを次の順に展開して、「Explorer」キーを選択します。
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
- 右ペインの値に「NoWinKeys」の値がある場合はダブルクリックします。
- 値のデータを「0」に変更して「OK」をクリックします。
レジストリを編集した場合は、PCを再起動してレジストリの変更を反映してください。再起動後にショートカットキーが効くか確認してください。
対処8: キーボードの言語・レイアウトを確認する
キーボードの言語とレイアウト設定に問題があることが原因で、ショートカットキーが機能しないケースがあります。
そのため、キーボードの言語とレイアウト設定が問題ないか確認してください。キーボードの設定を確認するには、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「時刻と言語」をクリックします。
- 「言語」を選択して、右ペインの「キーボードのアイコン」をクリックします。
- Windows11の場合は、右ペインの「入力」を選択して「キーボードの詳細設定」をクリックします。
- 「既定の入力方式の上書き」のセレクトボックスで「言語リストを使用します(推奨)」を選択していることを確認します。
- 左上の「←」をクリックして前の設定画面に戻ります。
- Windows11の場合は、「時刻と言語」の画面まで戻って「言語と地域」をクリックしてください。
- 右ペインの優先する言語の一覧で、先頭に「日本語」が表示されていることを確認します。
- 他の言語が先頭になっている場合は、「日本語」を選択して「↑」をクリックして先頭に移動してください。
- Windows11の場合は、「日本語」をドラッグして先頭に移動してください。
- 「日本語」がない場合は、「言語の追加」をクリックして追加して先頭に移動してください。
- 他の言語が先頭になっている場合は、「日本語」を選択して「↑」をクリックして先頭に移動してください。
- 「日本語」を選択して「オプション」をクリックします。
- Windows11の場合は、「日本語」の右側の「3点アイコン」をクリックして「言語のオプション」を選択します。
- ハードウェアキーボードレイアウトの「レイアウトを変更する」をクリックします。
- 「日本語キーボード」になっていない場合は、設定を変更して「OK」をクリックしてPCを再起動します。
キーボードの言語とレイアウト設定を変更した場合は、ショートカットキーの動作を再度確認してください。
対処9: トラブルシューティングツールを実行する
キーボードの設定に問題があることが原因で、ショートカットキーが正常に機能しないケースが考えられます。
そのため、キーボード用のトラブルシューティングツールを実行して、問題を自動修復できないか試してみてください。操作は以下の手順で行います。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- Windows11の場合は、「システム」をクリックします。
- 「トラブルシューティング」をクリックします。
- 「追加のトラブルシューティングツール」または「その他のトラブルシューティングツール」をクリックしてください。
- ウィンドウ右側にトラブルシューティングツールの一覧が表示されます。「キーボード」の項目を選択してメニューを展開し、「トラブルシューティングツールの実行」ボタンをクリックします。
- トラブルシューティングツールが起動します。画面に操作の指示が表示された場合は、指示に従って問題を修正します。
キーボードのトラブルシューティングツールを実行できたら、ショートカットキーが正しく機能するようになったか確認してください。
対処10: ユーザープロファイルを修復する
Windowsで使用しているアカウントのユーザープロファイルが破損していることが原因で、ショートカットキーが機能しないケースが考えられます。
そのため、他のユーザーとしてWindowsにサインインし、同様にショートカットキーが効かないか確認してください。
もし特定のユーザーでのみ問題が起きる場合は、ユーザープロファイルを修復することで解決できる可能性が高いです。
ユーザープロファイルの修復方法については、以下のページを参考にしてください。
対処11: キーボードを交換する
特定のショートカットキーだけが機能しない場合は、キーボードのキーが破損していることが考えられます。
そのため、別のキーボードを接続して同様にショートカットキーが効かないか確認してください。
特定キーの故障が考えられる場合は、キーにエアーダスターなどを吹き付けて内部のホコリを掃除してみてください。改善しない場合は、新しいキーボードに交換することを検討してください。
全ての対処方法を試してもショートカットキーの問題が解決しない場合は、次のページも併せて参考にしてみてください。