最近では高速なUSB3.0(USB 3.2 Gen 1/USB 3.1 Gen 1)に対応したデバイスが増えているため、USB3.0ポートを使用する機会は多いと思います。
しかし、PCのUSB3.0ポートにデバイスを接続しても反応がなく、正常に認識できないケースがあります。また、USB3.0ポートに接続したデバイスが当然使用できなくなるなど動作が不安定になる場合もあります。
本記事では、Windows10のPCでUSB3.0ポートがデバイスを認識しない時の対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: USBデバイスを再接続する
USB3.0ポートの接触不良や一時的な接続エラーが起きていることが原因で、デバイスが正常に認識しないケースが考えられます。
そのため、一旦USBデバイスをUSBポートから抜いて挿し直してみてください。再接続する際は、以下の項目にも注意してください。
- 確認1: 背面にあるマザーボード直結の別のUSB3.0ポートに接続してください。
- デスクトップPCの前面のUSB3.0ポートは、電源供給に問題がありデバイスを認識できない場合があります。
- 確認2: PCのUSBポートに直接デバイスを接続してください。
- デバイスの接続にUSBハブを使用していると、電源供給の問題でデバイスを認識できない場合があります。
USBデバイスをUSB3.0ポートに再接続できたら、デバイスが正常に認識されたか確認してください。問題が解決しない場合は、次の対処方法に進みます。
対処2: PCを再起動する
ドライバーやシステムに一時的な問題が発生していることが原因で、USB3.0ポートの認識に問題が起きるケースが考えられます。
一部のドライバーではスリープ復帰時などにUSB3.0の接続が切断されてしまう不具合が報告されています。
そのため、PCを一度再起動してから、USBデバイスが正常に認識されないか確認してみてください。再起動後もUSB3.0ポートが認識しない場合は、次の対処に進んでください。
対処3: USB3.0ルートハブドライバーを再インストールする
USB3.0ルートハブドライバーが破損していたり、バージョンが古いことが原因で、デバイスを正しく認識できないケースが考えられます。
そのため、USB3.0ルートハブドライバーを再インストールすることで、問題が解決する可能性があります。
USB3.0ルートハブドライバーを再インストールするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーが起動したら、「ユニバーサルシリアルバスコントローラ」のツリーを展開します。
- 「USBルートハブ(USB 3.0)」を右クリックして、「デバイスのアンインストール」を選択します。
- 警告ポップアップが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- デバイスをアンインストールできたら、PCを再起動します。
- PCが再起動すると、自動的に最適なドライバーが再インストールされます。
上記の手順で、USB3.0ルートハブドライバーを再インストールできたら、デバイスを再接続して正常に認識されるようになったか確認してください。
対処4: USBセレクティブサスペンドを無効にする
WindowsのUSBセレクティブサスペンド機能が有効になっていると、USB3.0ポートの電源供給に問題が起きてデバイスが正常に認識されない場合があります。
そのため、USBセレクティブサスペンドを無効にすることで、認識できない問題を解決できる可能性があります。
USBセレクティブサスペンドを無効にするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「電源オプション」を選択します。
- 右ペインをスクロールして、「電源の追加設定」をクリックします。
- 「プラン設定の変更」をクリックします。
- 「詳細な電源設定の変更」をクリックします。
- 「USB設定」→「USBのセレクティブサスペンドの設定」の順にツリーを展開します。
- 「バッテリ駆動」と「電源に接続」の設定が「有効」の場合は、プルダウンをクリックして「無効」に変更します。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
USBセレクティブサスペンドを無効にできたら、デバイスを再接続して認識できない問題が解決したか確認してください。
対処5: USB3.0ドライバーをアップデートする
USB3.0ドライバーのバージョンが古く不具合があることが原因で、USBデバイスが認識しないケースが考えられます。
そのため、USB3.0ドライバーを最新のバージョンにアップデートして、認識の問題が解決しないか確認してください。
USB3.0ドライバーをアップデートするには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーが起動したら、「ユニバーサルシリアルバスコントローラ」のツリーを展開します。
- 「USB3.0のドライバー名」を探して右クリックして、「ドライバーの更新」を選択します。
- 「USB 3.0 eXtensible HostController」などの「USB 3.0」の記載のあるドライバーを選択してください。
- 「ドライバを自動的に検索」をクリックします。
- 新しいドライバーが見つかった場合は、自動的にインストールが実行されます。
ドライバーのアップデートが完了したら、USBデバイスを再接続して正常に認識されたか確認してください。
USB3.0のドライバーが既に最新の場合や、USB3.0のドライバーが見つからない場合は、次の対処方法を試してください。
対処6: 最新のUSB3.0ドライバーを手動でインストールする
USB3.0ドライバーのアップデートで問題が解決しない場合は、手動で最新のドライバーをインストールすることで認識できない問題が解決する可能性があります。
また、USB3.0ドライバーが見つからない場合は、手動で最新のUSB3.0ドライバーをインストールしてください。
手動で最新のUSB3.0ドライバーをインストールするには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーが起動したら「ユニバーサルシリアルバスコントローラ」のツリーを展開します。
- 「USB 3.0のドライバー名」を右クリックして、「デバイスのアンインストール」を選択します。
- 警告ポップアップが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- PCまたはマザーボードのメーカー公式の製品ページにアクセスし、最新のUSB3.0ドライバーをダウンロードします。
- USB3.0ドライバーが見つからない場合は、チップセットドライバーをダウンロードしてください。
- ダウンロードしたドライバーファイルを実行して、案内に従ってインストールを完了します。
- ドライバーのインストール手順が不明な場合は、メーカーのヘルプページ等を参考にしてください。
最新のUSB3.0ドライバーをインストールできたら、PCを再起動してからUSB3.0ポートが正常にデバイスを認識するようになったか確認してください。
対処7: 高速スタートアップを無効化する
Windowsの高速スタートアップ機能が有効になっていると、PCのデバイスが正常に認識されずUSB3.0ポートの認識に問題が出るケースがあります。
Windows10では、高速スタートアップ機能がデフォルトで有効になっているため、無効にした状態でUSBポートが機能しないか確認してみてください。
高速スタートアップを無効化するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- Windowsの設定が開いたら「システム」をクリックします。
- 左メニューより、「電源とスリープ」をクリックします。
- 画面右側に「電源とスリープ」の設定項目一覧が表示されたら、「関連設定」の下にある「電源の追加設定」をクリックします。
- コントロールパネルウィンドウが開きます。ウィンドウの左上にある「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。
- 「電源ボタンの定義とパスワード保護の有効化」画面が表示されます。画面上部に表示されている「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックします。
- 「シャットダウン設定」の下にある「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外します。
- 画面下部にある「変更の保存」をクリックして設定を保存します。
高速スタートアップを無効化できたら、PCを再起動してUSB3.0ポートが正常に認識するか確認してください。
対処8: USBルートハブドライバーの電源の管理設定を変更する
USBルートハブの節電機能が有効になっていることが原因で、USB3.0ポートが正常に動作しないケースがあります。
そのため、次の手順でUSBルートハブの節電機能を無効化して、認識の問題が解決しないか確認してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーが起動したら「ユニバーサルシリアルバスコントローラ」のツリーを展開します。
- 「USBルートハブ(USB3.0)」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「電源の管理」タブをクリックして開きます。
- 「電力の節約のために、コンピュータでこのデバイスの状態をオフにできるようにする」のチェックを外して「OK」をクリックします。
USBルートハブドライバーの節電機能を無効化できたら、PCを再起動してUSB3.0ポートが認識するようになったか確認してください。
対処9: Legacy USB3.0 Supportを有効/無効にする
BIOSのUSB3.0関連の設定に問題があることが原因で、USB3.0ポートの認識が不安定になることがあります。
そのため、BIOSのUSB3.0の設定を確認して、設定を変更することで問題が解決する可能性があります。
BIOSのUSB3.0の設定を変更するには、以下の手順で操作します。
- PCを再起動して、起動直後の画面でBIOS起動キーを連打します。
- BIOSの起動キーは、「Del」や「F2」などメーカーによって異なります。起動直後の画面の「BIOS Setup」の項目で確認できる場合があります。
- BIOSの設定画面が起動したら、「USB Configuration」などのUSBの設定メニューを開きます。
- 「Legacy USB3.0 Support」の設定が「Disabled(無効)」になっている場合は、「Enabled(有効)」に変更します。
- 逆に「Enabled(有効)」になっている場合は、「Disabled(無効)」に変更してください。
- BIOSの設定を保存してPCを起動します。
BIOSでUSBの設定を変更できたら、USB3.0ポートが認識しない問題が解決したか確認してください。解決しない場合は、設定を元に戻して次の対処に進んでください。
対処10: BIOSをアップデートする
BIOSのバージョンが古く不具合があることが原因で、USB3.0ポートが正常に認識しないケースがあります。
そのため、BIOSのアップデートをしばらく行なっていない場合は、PCまたはマザーボードのメーカーページで最新のバージョンが提供されていないか確認してください。
新しいバージョンが提供されている場合は、BIOSのインストーラーファイルをダウンロードしてアップデートを行なってください。
BIOSをアップデートする具体的な手順は、メーカーによって異なるためマニュアルやヘルプページを参考にしてください。
BIOSのアップデートが完了したら、PCを起動してUSB3.0ポートが認識するようになったか確認してください。
新品のbaffaloの外付けHDDが認識しませんでした。他の機器は問題なく認識するし、そのHDDを他のPCにつなぐと認識するという状況でしたが、このページの「対処4: USBセレクティブサスペンドを無効にする」で解決しました。
誠にありがとうございました。
10年以上昔のUSB2.0の制御機器が、今使っているWin10 22H2で認識されず、困っていました。検索して色々試してみましたが全部ダメでした。そんな時、このページを見つけ、初めて見た「対処3: USB3.0ルートハブドライバーを再インストールする」を駄目元で試してみました。びっくり、うまく認識される様になりました。有難うございました。