Windows10/Windows11のパソコンをシャットダウンしようとすると、「このアプリがシャットダウンを妨げています」と表示されたり、「シャットダウンしています」の状態で終わらないケースがあります。
パソコンがシャットダウンができない場合の多くは「何らかのアプリやソフトがシャットダウンの妨げになっている」または「シャットダウンの処理を行う際に何らかの異常が発生している」ケースが多いです。
本記事では、Windows10/11でシャットダウンができない時の原因と対処法についてまとめています。当てはまる症状に合わせて本記事で紹介する対処法をお試しください。
この記事の内容
シャットダウンが始まらない場合
Windowsをシャットダウンしようとしても終了できないケースがあります。まず、Windowsをシャットダウンしようとしても始まらない時の対処法を紹介します。
対処1:アプリ・ソフトウェアを終了させる
「このアプリがシャットダウンを妨げています」というメッセージが出てシャットダウンができない場合は、次のリンク先の方法を参考にしながら該当アプリを停止させてください。
対処2:ウイルス対策ソフトを停止させる
ウイルス対策ソフトの動作が原因でシャットダウンができなくなることがあります。お使いのパソコンにインストールしているウイルス対策ソフトの取扱説明書やサポート情報を参考にしながらウイルス対策ソフトの動作を停止させ、シャットダウンができるようにならないか試してみてください。
もしこの方法で改善するのであればウイルス対策ソフトの設定またはソフト本体に問題があると考えられますので、その際はウイルス対策ソフトの製作元へ問い合わせを行ってください。場合によっては他のウイルス対策ソフトへの乗り換えもご検討ください。
対処3:スタートボタンが押せない時はエクスプローラーを再起動
スタートボタン(Windowsマーク)を押してもメニューが表示されなくてシャットダウンできないという場合であれば、タスクバーの動作に問題があると考えられます。次の手順でエクスプローラーというソフトを再起動してタスクバーを修復してください。
- キーボードを使用し、ショートカット「Ctrl+Alt+Delete」を入力します。
- メニューが表示されたら「タスクマネージャー」をクリックします。
- 画面が戻り、「タスクマネージャー」ウィンドウが表示されます。タスクマネージャーウィンドウ左下に「詳細」が表示される場合はクリックして「プロセス」タブを開いていることを確認します。
- 起動中のアプリ及びソフト一覧から「エクスプローラー」または「Windows Explorer」を探してクリックします。
- 「エクスプローラー」を選択状態にしたら、画面右下の「再起動」をクリックします。
- タスクマネージャー右上のバツボタンをクリックしてタスクマネージャーを閉じます。
- もう1度スタートボタンをクリックし、問題なくメニューが表示されたら通常通りシャットダウンします。
シャットダウンが終わらない場合
Windowsのシャットダウンが始まっても、「シャットダウンしています」のシャットダウン画面のまま終わらないケースの対処法について紹介します。
対処1:最新版のWindows Updateを適用する
Windowsのバージョンが古く不具合があることが原因で、正常にシャットダウンできないケースが考えられます。
そのため、WindowsUpdateを実行して、Windowsを最新の状態にすることで問題が解決できる場合があります。WindowsUpdateを実行するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウが開いたら、「更新とセキュリティ」→「Windows Update」の順に選択します。
- Windows11の場合は、左ペインの「WindowsUpdate」を選択します。
- 右ペインの「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- 「ダウンロード」や「インストール」が表示されたら、クリックしてアップデートを進めます。
WindowsUpdateの実行が完了したら、Windowsを正常にシャットダウンできないか確認してください。シャットダウンする際に「更新してシャットダウン」が表示されている場合は、そのオプションを選択してシャットダウンを試してください。
対処2:周辺機器を取り外す
外部機器やそのドライバーがシャットダウンできない原因になることがあります。そのため、USBポートなどにデバイスが接続されている場合は、1度マウスとキーボード以外のデバイスを取り外してからシャットダウンを行い、問題が解決しないか試してみてください。
もし解決した場合は必要な時のみデバイスを接続するようにするか、以下の手順で問題の起きるデバイスのドライバーを更新してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- ツリーを展開して、「古いドライバーを使用している疑いがあるデバイス名」を探して右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーを自動的に検索」を選択します。
- 新しいデバイスドライバーが見つかった場合は、自動的にインストールされます。
- 同じ手順で、古いドライバーを使用している疑いがあるデバイスのドライバーを全て更新します。
対処3:ハードディスクのエラーチェックを行う
ハードディスクに異常があるとシャットダウン時にエラーが発生する可能性があります。次の手順でハードディスクに異常がないか調べ、可能であれば修復を行います。
- タスクバーにある黄色いファイルアイコンをクリックします。そのようなアイコンがない場合はスタートボタンを右クリックし、「エクスプローラー」を選択してください。
- エクスプローラーウィンドウが開きます。画面の中からOSをインストールしているハードディスクドライブを探します。特に設定を変更していなければCドライブを選択してください。Cドライブは「ローカルディスク(C:)」という表記のアイコンです(パソコンによっては「Windows (C:)」や「OS (C:)」と表示されている場合もあります)。
- ハードディスクドライブが見つかったらアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「ハードディスクのプロパティ」ウィンドウが表示されます。ウィンドウ内の「ツール」タブをクリックします。
- 「エラーチェック」の中にある「チェック」ボタンをクリックします。
- ハードディスクのスキャンが開始されます。「このドライブをスキャンする必要はありません」と表示された場合はハードディスクに異常はありませんので「キャンセル」をクリックしてウィンドウを閉じます。
- もしエラーが検出された場合は修復のため再起動をするよう促されるので、指示に従いパソコンを再起動します。
対処4:システムファイルの修復を行う
システムファイルに異常があると正常にシャットダウンできなくなる場合があります。次の手順でシステムファイルをスキャンし、異常があれば修復を行います。
- 「Windowsマーク」を右クリックします。
- 「Windows PowerShell(管理者)」をクリックします。
- Windows11の場合は、「Windows ターミナル(管理者)」を選択します。
- ユーザーアカウント制御画面が表示されたら「はい」をクリックします。
- PowerShellウィンドウが表示されます。ウィンドウが表示されたらそのまま以下の文字列を入力します。
sfc /scannow
(「c」と「/」の間には1つスペースを入力してください。)
- 入力したらエンターキーを押します。
- システムスキャンが開始されます。処理が完了するまでしばらく待ちます。
- 処理が完了し、「整合性違反は検出されませんでした」と表示された場合は問題ありません。エラーが検出された場合でも、システムファイルチェッカーにより自動修復されるので修復のために特別な操作をする必要はありません。
- ウィンドウ右上のバツボタンをクリックし、PowerShellを終了します。
「破損したファイルを検出しましたが、その一部を修正できませんでした」というメッセージが表示された場合は、次のページを参考に他の修復方法を試してください。
シャットダウンしようとすると再起動してしまう場合
Windowsをシャットダウンしたはずが、なぜか再起動してしまうケースの対処法を最後に紹介します。
対処1:高速スタートアップを無効化する
高速スタートアップ機能が原因でシャットダウン時にエラーが発生することがあります。次の手順で機能を無効化し、問題が改善しないか試してみてください。ただし高速スタートアップを無効にするとこれまでよりもパソコンの起動が遅くなります。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 名前に「control」と入力して「OK」をクリックします。
- コントロールパネルが開いたら、右上の「表示方法」を「アイコン」に変更します。
- 「電源オプション」をクリックします。
- 左メニューにある「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。
- 「シャットダウン設定」の下にある「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外します。
- 項目がグレーアウトしていてチェックが外せない場合は上の「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックしてください。するとチェックが外せるようになります。
- チェックを外したら、画面下にある「変更の保存」ボタンをクリックします。
以上の手順で、高速スタートアップを無効にすることができます。設定を変更できたらシャットダウンを試してみましょう。
対処2:エラー発生時の自動再起動を無効化する
Windowsではシステムエラーが発生すると自動で再起動を行う機能があり、この機能によりシャットダウン時に再起動してしまっている可能性が考えられます。次の手順で障害発生時の自動再起動を無効にしてください。
- 「Windowsマークを右クリックして「システム」を選択します。
- 設定ウィンドウが開いたら、右ペインの関連設定の下にある「システム情報」をクリックします。「システム」画面が表示されたら、左ペインの「システムの詳細設定」をクリックします。
- Windows11の場合は、右ペインの関連リンクの「システムの詳細設定」をクリックします。
- ます。次に左のメニューリストにある「システムの詳細設定」をクリックします。
- 「システムのプロパティ」ウィンドウが表示されます。「システムのプロパティ」ウィンドウ内にある「詳細設定」タブをクリックします。
- 「起動と回復」グループ内にある「設定」をクリックします。
- 「起動と回復」ウィンドウが表示されます。「システムエラー」グループにある「自動的に再起動する」のチェックを外します。
- 「OK」をクリックし、表示した設定ウィンドウをすべて閉じます。
この項目のチェックを外すとエラー発生時にブルースクリーン(BSOD)やエラーメッセージが表示されるようになることがあります。
その際はメッセージの内容を参考に問題の解消を行います。ブルースクリーンが発生する際の対処方法については、次ページを参考にして下さい。
対処3:ハードディスクのチェック・システムファイルの修復を行う
シャットダウンは始まっても、いつまで経っても終わらない場合は、ハードディスクかシステムファイルの破損が考えられます。
そのため、本記事で紹介した『ハードディスクのエラーチェックを行う』と『システムファイルの修復を行う』と同じ手順でハードディスクとシステムファイルを検査してください。