Windows10では定期的にアップデートがリリースされます。リリースの都度更新を適用するのは大切なことですが、Windows Updateのインストール中にエラーが出て失敗してしまうケースがあります。
本記事では、Windows10のアップデートができない原因と対処法について紹介します。アップデート失敗のきっかけや時期、エラーメッセージなどをよく観察しながら原因の特定と解決を行ってみてください。
*『Windows7のWindows Updateができない』場合はこちらを参考にして下さい。
この記事の内容
対処1: WindowsUpdateのトラブルシューティングツールを実行する
Windows Updateが実行できない問題は、トラブルシューティングツールを実行することで、WindowsUpdateの問題を自動で修復できる可能性があります。
そのため、まずはWindowsUpdateのトラブルシューティングツールの実行を試すことをおすすめします。トラブルシューティングツールの実行手順は次のとおりです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「更新とセキュリティ」を選択します。
- 左ペインで「トラブルシューティング」をクリックします。
- 右ペインの一覧から「Windows Update」を選択して「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
- 問題が自動的に検出されます。問題が見つかった場合は、ウィザードに従って問題を修復します。
トラブルシューティングツールを実行してエラーが表示された場合は、次のページの対処方法を併せて参考にして下さい。
トラブルシューティングツールを実行して問題ができない場合や、問題を特定できない場合は、次に紹介する対処法を順番に試していって下さい。
対処2: BITSのトラブルシューティングツールを利用する
WindowsUpdateの関連サービスであるBITS(Background Intelligent Transfer Service)に問題が起きており、アップデートが正常にできないケースがあります。
そのため、アップデートの問題が解決しない場合は、BITSのトラブルシューティングツールを実行して下さい。手順は次のとおりです。
- 「Windowsマーク」をクリックして「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」を選択します。
- 右上の表示方法を「アイコン」に変更して、「トラブルシューティング」を開きます。
- 左ペインで「トラブルシューティング」をクリックします。
- 左ペインで「すべて表示する」を選択します。
- 「バックグラウンドインテリジェント転送サービス」をクリックします。
- トラブルシューティングウィザードが起動します。「次へ」をクリックしてBITSのトラブルシューティングを実行します。
- 問題が見つかった場合は、案内に従って修復を試みて下さい。
BITSの問題が解決した場合は、再度WindowsUpdateを実行してアップデートが正常にできないか確認して下さい。
対処3: ディスクのクリーンアップを行う
WindowsUpdateで過去にダウンロードした更新プログラムに問題があり、アップデートが正常にできないケースが考えられます。
また、システムドライブの空き容量が不足していることが原因で、WindowsUpdateが実行できないこともあります。
そのため、ディスクのクリーンアップを実行して、アップデートなどで溜まった不要なファイルを削除することで、問題が解決できる可能性があります。
ディスクのクリーンアップは、次の手順でストレージセンサーの機能から実行できます。
- タスクバーにある「スタート」ボタンをクリックします。
- 「歯車アイコン」をクリックします。
- 設定ウィンドウが開きます。「システム」をクリックします。
- 左側のリストから「記憶域(ストレージ)」を探してクリックします。
- ディスク内のファイルのスキャンが自動で開始します。処理が完了するまでしばらく待ちます。
- 「一時ファイル」をクリックします。
- 「Windows Updateのクリーンアップ」にチェックを入れます。
- ハードディスクの空き領域が不足している場合は、ダウンロード以外のその他の項目もチェックを入れて下さい。
- 一時ファイルの項目は、基本的に削除してもWindowsの動作に問題は起きません。
- チェックを入れたら「ファイルの削除」をクリックします。
- ファイルの削除が開始されます。完了までしばらく待ちます。
- 「一時ファイルのクリーンアップが完了しました。」のメッセージが表示されたらディスクのクリーンアップは完了です。
ストレージセンサーによるディスクのクリーンアップが完了したら、再度WindowsUpdateが実行できないか確認して下さい。
対処4: 最新のSSUを手動でインストールする
WindowsUpdateのSSU(サービススタック更新プログラム)が古いことが原因で、正常にWindowsUpdateを実行できないケースがあります。
特にWindowsUpdateに「デバイスに重要なセキュリティ修正プログラムと品質修正プログラムがありません」のエラーが表示されている場合は、新しいSSUが正常にインストールされていないことが考えられます。
そのため、最新のSSUを手動でインストールしてから、WindowsUpdateが正常に実行できないか確認してみてください。
- 『最新のサービス スタック更新プログラム』のページにアクセスします。
- ソフトウェアの更新の一覧で、Windows10のバージョンとビット数と一致する製品名の「Servicing Stack Update」をクリックします。
- MicrosoftUpdateカタログのページで、Windows10のビット数に対応する更新プログラムの「ダウンロード」をクリックします。
- 更新プログラムのダウンロードページが表示されたら、「URL」をクリックしてダウンロードします。
- ダウンロードしたプログラムを実行して最新のSSUにインストールをインストールします。
- インストールが完了したらPCを再起動してください。
最新のSSUがインストールできたら、再度WindowsUpdateの実行を試してみてください。
対処5: 更新サービスの接続の問題を解決する
WindowsUpdateの実行中にエラーメッセージ「更新サービスに接続できませんでした」やエラーコード「0x800f0922」が発生してアップデートができないケースがあります。
上記のエラーは、PCのネットワーク接続に問題が起きており、WindowsUpdateに接続できていないことが考えられます。
詳しい対処方法は、次のページで紹介しているので併せて参考にして下さい。
対処6: 互換性のないアプリを削除・デバイスを取り外す
エラーコード「0x800F0923」が発生してWindowsUpdateが実行できない場合は、互換性のないアプリやデバイスドライバーが原因となっていることが考えられます。
Windows10に公式で対応していない古いアプリを使用していた場合は、一旦アンインストールすることをおすすめします。
また、互換性のないデバイスドライバーが原因となることもあるため、USB接続している不要なデバイスを全て取り外した状態でWindowsUpdateを実行して下さい。
対処7: 更新の履歴で原因を特定する
WindowsUpdateが失敗した場合は、更新の履歴からエラーの内容やエラーコードを確認することができます。
そのため、問題が解決しない場合は、次の手順で更新の履歴を表示してWindowsUpdateができない原因を特定してみて下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「更新とセキュリティ」を選択します。
- 左ペインで「WindowsUpdate」を選択していることを確認します。
- 右ペインで「更新の履歴を表示する」をクリックします。
- 更新の履歴のツリーを展開して、インストールできなかった「更新プログラム」とエラー内容・エラーコードを特定します。
上記の手順で、WindowsUpdateが失敗する原因を特定できるケースがあります。
原因が特定できたら、更新プログラム名やエラーコードから対処方法をインターネットで検索してみて下さい。
対処8: アップデートコンポーネントを削除する
Windowsアップデートの実行に必要なファイルに何らかの問題があり、アップデートができなくなってしまうケースがあります。
上記の場合にはダウンロード済みのアップデート用のファイルを一旦クリアし、再ダウンロードすることで解決できるかもしれません。
ただし、この方法を使用するとWindows Updateの履歴が消えてしまいますのでご注意ください。
アップデートコンポーネントを削除するには、次の手順で操作します。
- 『WindowsUpdateリセット用のスクリプトファイル』をダウンロードします。
- ダウンロードした「WindowsUpdateReset.bat」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- 適当なキーを入力するとリセットが開始します。
- 「Task completed sucessfully!」と表示されたら完了です。適当なキーを入力するとコマンドラインが閉じます。
Windows Updateエージェントの最新版は更新プログラム適用時に自動でインストールされます。
そのため、アップデートコンポーネントを削除できたらPCを一度再起動してからWindowsUpdateを試してみて下さい。
対処9: 更新プログラムを全て適用する
Creators UpdateなどのWindows10の大型のアップデートを行うには、現在のWindows10の更新プログラムを全て適用しておく必要があります。
「この更新プログラムはお使いのコンピュータには適用できません」のエラーメッセージが表示される場合は、次の手順で先にすべての更新プログラムのインストールを完了して下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「WindowsUpdate」を選択します。
- 右ペインで「更新を確認」をクリックして最新の更新プログラムをインストールします。
- Windowsが最新の状態になるまで同じ手順を繰り返します。
全て更新プログラムが適用できたら、Windowsの新しいバージョンにインストールを実行して下さい。
対処10: DISMコマンド/システムファイルチェックを行う
ここまでの対処で解決しない場合は、Windowsのシステムファイルに破損などの問題が起きており、WindowsUpdateができないケースが考えられます。
そのため、Windowsのシステムファイルの修復を試して下さい。システムファイルの修復は、次の手順で実行できます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- 次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- DISMのプロセスが完了したら、続いて次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
- sfcのプロセスが完了したらPCを再起動します。
以上で、システムファイルを修復することができます。システムファイルが修復できた場合は、再度WindowsUpdateを行って下さい。
システムファイルチェック中にエラーが出たり、問題が解決しない場合は、次の対処に進みます。
対処11: インプレースアップグレードを実行する
全ての対処方法でWindowsUpdateの問題が解決しない場合は、インプレースアップグレードを試してください。
インプレースアップグレードは、最新版のWindows10を上書きインストールすることでアップデートを行う方法です。システムに何らかの異常がありアップデートが出来ない時はこの方法で解決できる可能性があります。
*インプレースアップグレードで文書ファイルや画像データ等のライブラリが消えることはありません。しかし、念の為消えては困る大切なデータとシステムイメージのバックアップを行ってから操作を行うことをおすすめします。
インプレースアップグレードの手順
- 以下のリンクをクリックし、『メディア作成ツール』のダウンロードページを開きます。
- 「ツールを今すぐダウンロード」をクリックします。クリックするとツールのダウンロードが開始されます。
- ダウンロードが始まらない場合はChromeなど、別のブラウザを使って同ページにアクセスしダウンロードを行ってみてください。
- ダウンロード完了しポップアップが表示されたら「開く」をクリックします。
- ポップアップが表示されない場合はファイルのダウンロードフォルダを表示し、ダウンロードしたファイルを開きます。
- ユーザーアカウント制御画面が表示されたら「はい」をクリックします。
- ツール画面が表示されます。ライセンス条項が表示されるので内容を確認し、「同意する」をクリックします。
- 「このPCを今すぐアップグレードする」を選択し、「次へ」をクリックします。
- しばらく待ち、準備が完了したら「インストール」をクリックします。
- インストールが開始されます。処理が完了するまでしばらく待ちます。
- インストール完了後、Windowsにログインします。
- プライバシー設定など、各種初期設定を行います。
- すべての設定が完了するとWindowsにサインインできるようになります。
インプレースアップグレードが完了すれば、Windows10のアップデートは完了です。