Windows10で起動するアプリケーションやソフトウェアには様々なものがありますが、アプリの種類や環境によっては起動できない・起動時にエラーが出るなどの問題が発生することがあります。
考えられる原因は多数ありますが、まずはアプリの動作条件や使い方など、基本的な部分の見直しから行うのがおすすめです。
今回は、Windows10/11でアプリ・ソフトが起動しない時の対処方法について紹介します。
この記事の内容
対処1: アプリの動作条件を確認する
一部のアプリケーションは本体以外にも、ランタイムなどの特定のアプリケーションのインストールが必要なケースがあります。
そのため、アプリ配布ページやアプリ付属のReadMeファイルを調べ、動作環境に関する記載がないか確認してみてください。
また、アプリの起動時にエラーが出ている場合は、エラーに不足しているDLLが表示される場合があります。
記載されている場合は、該当するランタイムやライブラリの最新バージョンをパソコンにインストールしてから起動を試してください。
- 「MSVCP100/MSVCP140.dll」が見つからないの対処法
- 「MSVCR100.dll」がエラーで見つからない時の対処法
- 「MSVCP110.dll」が見つからないエラーが出る時の対処法
- 「MSVCP120.dll」が見つからないエラーが出た時の対処法
- 「api-ms-win-crt-runtime-l1-1-0.dll」が見つからない時の対処法
- 「vcruntime140.dll」が見つからないエラーが出る時の対処法
- 「Vulkan Run Time Libraries」が見つからないの対処法
- 「MSCOMCTL.OCX」のエラーが出る時の対処法
- 「d3dx9_43.dll」が見つからないエラーが出る時の対処法
- 「D3DCompiler_43.dll」が見つからないエラーが出た時の対処法
対処2: アプリを再インストールする
インストールしているアプリケーションファイルが破損しており、正常に起動できないケースが考えられます。
そのため、アプリを一旦アンインストールしてから再インストールしてみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で、問題のアプリを選択します。
- 「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
- ウィザードに従ってアプリケーションのアンインストールを完了します。
- アプリの配布ページにアクセスし、アプリのインストーラーをダウンロードします。
- 特別な理由がなければ現時点で最新のバージョンをインストールするようにしてください。
- インストーラーを起動して、案内に従ってインストールを完了します。
- 再インストールが完了したらアプリが起動するようになったか確認します。
Windowsの標準アプリを再インストールする
通常の手順で再インストールできないWindows標準アプリに問題が起きている場合は、次の手順で再インストールしてください。
- スタートボタンを右クリックし、メニューから「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。この時、ユーザーアカウント制御画面が表示されたら「はい」をクリックします。
- Windows PowerShellウィンドウが開いたら、そのまま画面に次の文字列を入力します。
Get-AppXPackage -AllUsers | Foreach {Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register "$($_.InstallLocation)\AppXManifest.xml"}
- コマンドが長いため、入力ミスを防ぐためにもコピーアンドペーストをするのがおすすめです。コピーアンドペーストをするには上記の文字をすべてコピーした後、PowerShellウィンドウ上で右クリックします。
- 赤文字でエラーメッセージが表示されることがありますが、無視して問題ありません。処理が完了したらバツボタンをクリックしてPowerShellを終了してからパソコンを再起動します。
対処3: エラーの問題を修復する
アプリケーションを起動する際に表示されるエラーから、起動できない原因が判断できる場合があります。
そのため、アプリケーションを起動して問題になっているエラーメッセージを確認してください。
アプリケーション起動時に出るよくあるエラーと対処方法については、次のページで紹介しています。
- 「このアプリはお使いのPCでは実行できません」の対処法
- 「このアプリを開けません」の対処法
- 「このアプリはシステム管理者によってブロックされています」の対処法
- 「アプリケーションを正しく起動できませんでした(0xc000007b)」の対処法
- 「アプリケーションを正しく起動できませんでした(0xc0000142)」の対処法
- 「アプリケーションを正しく起動できませんでした(0xc0000005)」の対処法
- 「RPCサーバーを利用できません」の対処法
- 「プロシージャエントリポイントが見つかりません」の対処法
- 「この操作を実行するように関連付けられたアプリがありません」の対処法
- 「クラスが登録されていません」の対処法
- 「A debugger has been found」の対処法
- 「bad_module_infoは動作を停止しました」の対処法
- 「このアプリケーションのサイドバイサイド構成が正しくない」の対処法
- 「WerFault.exe」エラーの対処法
- 「TWINUI」エラーの対処法
上記に対応するエラーメッセージがなかったり、エラーから原因が判断できない場合は、次の対処方法を試してください。
対処4: Windowsをアップデートする
Windowsの現在バージョンに不具合があることが原因で、アプリケーションが起動しないケースがあります。
そのため、Windowsのバージョンを確認し、最新版になっていない場合はアップデートを実行してください。
Windowsを最新の状態にするには、次の手順でWindowsUpdateを実行してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- Windowsが最新の状態になったことを確認します。
- 「再起動」のボタンが表示されている場合は、クリックして更新プログラムを適用してください。
対処5: アプリケーションの個別の対処を行う
アプリ固有の問題や不具合が原因で、正常に起動できないケースがあります。
特定のアプリケーションが起動しない対処方法については、次のページで詳しく解説しています。
- Windows標準アプリ
- Office
- ブラウザ
- ゲーム
- エミュレーター
- ユーティリティ
- 音楽・動画
- クラウドストレージ
- 通話・Web会議
上記にない特定のアプリケーションが起動しない場合は、アプリのサポートページや問い合わせフォームで起動しない症状について、問い合わせてみてください。
対処6: セキュリティソフトを停止する
ウイルス対策などのセキュリティソフトが、アプリケーションの起動を妨げているケースがあります。
特にサードパーティ製のセキュリティソフトを使用している場合、誤検知で起動をブロックしてしまうことがあります。
そのため、セキュリティソフトの機能を一旦停止した状態で、アプリケーションが起動できないか試してみてください。
セキュリティソフトの停止は、タスクバー右側のインジゲーターから停止できる場合が多いです。ソフトによって停止方法が異なるため、マニュアルを参考にしてください。
対処7: 他のアプリケーションを終了する
起動している他のアプリケーションやバックグラウンドで動作しているアプリケーションが原因で、アプリケーションが起動できないケースが考えられます。
心当たりのあるアプリ・プログラムがある場合は、全て終了させてアプリケーションが起動できないか試してみてください。
また、PCをクリーンブートで起動することで、バックグラウンドで動作しているアプリケーションに問題があるか原因を切り分けることができます。
クリーンブートの状態で正常に起動する場合は、スタートアップに登録されたバックグラウンドのアプリケーションが原因と判断できます。問題のアプリケーションがある場合は、スタートアップを停止するか、アンインストールを検討してください。
対処8: システムファイル修復ツールを使用する
アプリの再インストールやアップデートで解決できない場合、Windowsのシステムファイルが破損している可能性があります。
次の手順で「DISM」「システムファイルチェッカー」と呼ばれるツールを起動し、システムファイルの破損のチェックと、必要であれば修復を行います。
- スタートボタンを右クリックし、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- Windows PowerShellウィンドウが開いたら、画面に次の文字列を入力し、エンターキーを押します。
Dism.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- 文字はすべて半角で入力し、また「/」(スラッシュ記号)の前には半角スペースを入れるようにしてください。
- システムファイルチェックが開始されます。処理進行度表示が100%になり、「完了しました」の文字が表示されるまでしばらく待ちます。
- 上記コマンドの処理が完了したら、続いて次の文字列を入力し、エンターキーを押します。
sfc /scannow
こちらのコマンドも先程と同様、文字はすべて半角で入力し、スラッシュ記号の前には半角スペースを入れてください。
- 進行度表示が100%になり、「完了しました」と表示されるまでしばらく待ちます。
- これでシステムファイルの破損チェックと修復は完了です。PowerShellウィンドウ右上のバツボタンをクリックして画面を閉じます。
修復の結果、「修復できませんでした」というようなエラーメッセージが表示されてシステムファイルの修復に失敗する場合は、次のページを参考に他の修復方法を試してみてください。
対処9: Windowsを復元する
以前は問題なくアプリが起動できていたという場合や、Windows Updateなどをきっかけに問題が発生するようになった場合は「システムの復元」「Windows のバージョンを戻す」「Windowsの再インストール」などの方法が有効な場合があります。
各方法の詳しい手順については、以下リンク先にあるMicrosoft公式のサポート情報をご確認ください。
対処10: Windowsストアアプリ専用の修復ツールを使う
Windowsストアからインストールしたアプリが起動しない場合は、次の方法もお試しください。
方法1: トラブルシューティングツールを使う
Windowsパソコンには最初からWindowsストアアプリの修復ツールが付属しています。必ずしも問題が解決できるわけではありませんが、1度試してみる価値はあるでしょう。
- 「スタート」ボタンをクリックします。メニューが開いたら歯車アイコン(設定)をクリックします。
- 「Windowsの設定」画面が開きます。「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左側のリストにある「トラブルシューティング」をクリックします。
- 画面右側を下へスクロールし、「Windowsストアアプリ」の項目を探してクリックします。クリックするとメニューが展開されるので、「トラブルシューティングツールの実行」ボタンをクリックします。
- トラブルシューティングツールが起動します。診断と修復が終わるまでしばらく待ちます。
問題が見つかった場合は診断終了時に自動で修復されます。もし終了時に「修正できませんでした」というようなメッセージが出る場合は、表示されたエラーコードをウェブで検索して手動で解決する方法を探すか、その他の対処方法をお試しください。
方法2: Windowsストアのキャッシュを削除する
Windowsストアのキャッシュを削除しクリーンな状態にします。キャッシュ削除は専用のツールを使うことで簡単に行うことができます。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 表示されたテキスト入力欄にWSReset.exeと入力し、「OK」をクリックします。
- ツールが起動し、自動でキャッシュクリアが行われます。処理にはしばらく時間がかかるため、ウィンドウが自動で閉じるまでしばらく待ちます。
Windowsストアのキャッシュが削除できたら、アプリの起動を試してみてください。
設定すら開かない状態なのですがどうすればいいですか?
Windowsの設定が開かない場合は、システムに問題があることが考えられます。設定が開かない時の対処方法は次のページで紹介しているので合わせて参考にしてみてください。
『Windows10で「設定」が開かない/反応がない/一瞬で消える時の対処法』
お世話になりました!廃棄しかかったPCを、復活させるコト出来ました。
初期化予定で、20GBの余裕を、Cドライブに作っている際、色々削除しすぎて、アプリケーション(バックアップソフト)までが起ち上がらなくなってしまい・・・。
コマンド・プロンプトを試させていただきました。
自己修復→システムチェック。
本当に助かりました!!ありがとうございました!!